長崎市公会堂の解体中止と再使用に関する住民投票条例について1回目:市議会環境経済委員会議事録2016.09.01-02

2016.09.01 : 長崎市:平成28年環境経済委員会 本文


          =開会 午前10時58分=
堤 勝彦委員長 出席委員は半数以上であります。
 ただいまから環境経済委員会を開会いたします。
 まず、初めに申し上げます。本委員会に付託されました第123号議案「長崎市公会堂の解体中止と再使用に関する住民投票条例について」は、住民の直接請求による条例制定案であり、傍聴者の人数も多くなることが想定されますので、通常の定員の7名を30名までふやすことといたしましたので、委員の皆様のご了承をお願いします。
 傍聴されている方に申し上げます。委員会室での発言、拍手等は一切認めておりません。写真撮影や録音等も禁止されておりますのでご協力をお願いいたします。また、携帯電話やスマートフォンは電源をお切りいただくか、マナーモードにしていただきますようお願い申し上げます。

〔審査日程について協議した結果、審査日程
(案)のとおりとすることに決定した。〕


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堤 勝彦委員長 次に、委員の皆様にご協議いただきたい事項がありますので、お手元に配付しております資料をごらんください。
 まず、協議事項1の意見陳述の日時・場所等の決定についてでございますが、資料1-1をごらんください。
 今回の議案の審査に当たりましては、地方自治法第74条第4項の規定によりまして、条例制定の請求代表者に対しまして、意見を述べる機会を与えなければならないこととされております。さらに、地方自治法施行令第98条の2の規定により、意見陳述の機会を与えるときは、請求代表者に対して、その日時、場所等その他必要な事項を通知するとともに、これらの事項を告示、公表しなければならないとされております。
 したがいまして、資料1-2に正副委員長案をお示しいたしておりますが、意見陳述の日時、場所等についてご協議いただきたいと考えております。
 何かご意見はございませんか。
 特にご意見はないようですので、正副委員長案のとおり、請求代表者に対し意見陳述の機会を付与することとしてよろしいでしょうか。
    〔「異議なし」と言う者あり〕

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堤 勝彦委員長 ご異議ないようですので、そのように決定いたします。
 それでは、このことを請求代表者に通知するとともに、告示及び公表することといたします。
 それでは、本日の11時30分から意見陳述の機会を付与することと決定いたしましたが、請求代表者がこれを受けて意見陳述を行うこととなった場合、意見陳述に対する質疑については法の趣旨では想定されていないため、請求代表者に対する質疑を行う場合は、参考人として委員会への出席を要請する必要がありますが、このことについてご協議をお願いいたします。
 なお、事前に事務局から請求代表者に対し、委員会から参考人として出席要請の可能性がある旨を伝えたところ、本日はスケジュールを調整して出席が可能となっているとのことであり、参考人として出席する場合は、請求代表者以外の関係者2名と一緒に3名で出席したい旨の申し出があっております。
 委員長といたしましては、午後1時から請求代表者及び関係者2名を参考人としてお呼びし、質疑を行いたいと考えておりますが、委員の皆様のご意見をお伺いいたします。
    〔「なし」と言う者あり〕

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堤 勝彦委員長 それでは、請求代表者及び関係者2名に対し、参考人として出席を要請することとしてよろしいでしょうか。
    〔「異議なし」と言う者あり〕

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堤 勝彦委員長 ご異議ないようですので、そのように決定いたします。
 なお、委員長において、委員会条例第27条の規定により、請求代表者及び関係者2名に対し、所定の手続をとることにいたします。
 その他の件で、何かございませんか。
    〔「なし」と言う者あり〕

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堤 勝彦委員長 ないようでしたら、協議事項は以上になります。
 これより、意見陳述人及び参考人としての出席意向の確認等の手続を行いますので、暫時休憩をいたします。
          =休憩 午前11時3分=
          =再開 午前11時4分=

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堤 勝彦委員長 委員会を再開します。
 ただいまの休憩中に、請求代表者より意見陳述を行う旨の回答をいただきましたので、本日、11時30分から、請求代表者の意見陳述を行うことといたします。

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板坂博之委員 11時30分からということで、今、委員長から話がありましたけど、当然今から正副議長のところに行って、その旨お伝えして手続をやるんでしょうけど、早く始まれば林先生もこっちにおられますし、時間をわざわざ調整する必要ないんじゃないんですか。早く始められるようであれば、早く始めていいんじゃないですか。

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堤 勝彦委員長 ただいま板坂委員から時間の調整を行ったらどうかという意見がありました。
 ちょっと、暫時休憩させていただきます。
          =休憩 午前11時5分=
          =再開 午前11時5分=

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堤 勝彦委員長 委員会を再開いたします。
 ただいま、11時20分でしたら可能ではないかということでしたので、20分からとしたいと思いますが、もう一度繰り返します。本日11時20分からは可能だということですので、請求代表者の意見陳述を行うことといたします。
 また、その後、午後1時から請求代表者及び関係者2名に参考人として出席いただくこととなりましたので、質疑は参考人に対して行うことといたします。
 それでは、今から正副委員長で決定した意見陳述の日時等を議長へ報告を行いますので、暫時休憩いたします。11時20分から再開し、請求代表者の意見陳述を行います。
          =休憩 午前11時6分=
          =再開 午前11時19分=

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堤 勝彦委員長 委員会を再開します。
 傍聴されている方に、重ねてお願い申し上げます。委員会室内での発言、拍手等は一切認められておりません。写真撮影や録音等も禁止されておりますのでご協力をお願いします。また、携帯電話やスマートフォンは電源をお切りいただきますか、もしくはマナーモードに設定していただくようお願いいたします。
 それでは、議案審査に入ります。
 第123号議案「長崎市公会堂の解体中止と再使用に関する住民投票条例について」を議題といたします。
 これより、地方自治法第74条第4項の規定に基づき、条例制定請求代表者の意見陳述を行います。意見陳述の時間は15分以内となっております。
 それでは、請求代表者の林 一馬さん、意見陳述をお願いします。

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林 一馬氏 請求代表者の林 一馬と申します。よろしくお願い申し上げます。
 私どもは、去る8月26日に条例制定請求書、署名収集証明書及び署名簿、有効署名数が1万7,098名となっておりますものを提出させていただきました。
 そのタイトルは、長崎市公会堂の解体中止と再使用に関する住民投票条例制定請求のことでございます。その条例を制定することになりましたいきさつ等、そして我々の趣旨を述べさせていただきます。
 ご承知のとおり、この長崎市公会堂は2015年3月をもちまして廃止となっておりますし、本年6月の市議会におきまして解体予算が可決されたことは承知しております。さらに、この9月の市議会におきまして、その解体予算執行についての議案が上がっていることも承知しております。また、この解体に伴って、その代替施設につきましては、市が現在県庁舎跡地に整備すべく県と協議中であることも聞き及んでおります。
 しかしながら、この県庁跡地における整備という問題につきましては、鋭意協議中であることは伺っておりますけれども、我々のところには、いつ、どのような形でなるかについての中身については全く不明であります。
 一般的に申しまして、県庁が今から2年先に移転完了、そしてその後、解体なり、あるいは解体に伴って考古学的な調査等がありますから、早くても平成32年に新しい施設の着手が可能となりますけれども、中身については先ほど申しましたとおり、まだ協議中ということで一切明らかにされておりませんし、どういうものであるか、予算はどうなるのか等々につきましても、全く調整の中でしか秘められた状態であります。
 一般的に考えまして、10年程度は普通はかかるんじゃないかと予想されますけれども、廃止されてからこの間、市当局にはさまざまなご配慮をいただいておりますけれども、残っておりますというか、現在稼働しております文化ホール的施設としましてブリックホール、そして市民会館の文化ホールの2つがございますが、もともと公会堂もそうでありましたけれども、いずれも約6割前後の稼働率でありましたから、当然3つが2つになったら稼働率がオーバーラップして、なかなか思ったような利用ができない状況、特に土日等のいい時間帯については実際に使っておられる方からお聞きしますと、約1年先でももう既に予約がとれない状況等になっている、そして新しい企画を考えられても、そのものを持ち込む機会がほとんどない、とれないという状況になっております。
 さらには、現実に公会堂で適したさまざまな演目等は、ブリックホール、市民会館の文化ホールのどちらにありましても大変使いにくい状況になっているということはご承知のとおりだと思います。そういうわけですから、せめて新施設が完全にでき上がり、オープンされ、そのときまで今建物として残っております公会堂を解体することを中止する、そして、その再使用を可能とするようにお願いしているところであります。
 この解体中止と再使用することへの賛否を問う住民投票を実施するための条例の制定を求めているということであります。これが趣旨でございます。
 これに関して、二、三私どもの考え方を追加説明させていただきたいと思います。
 公会堂そのものは、既に五十数年前に建てられたものでありますから、当然老朽化しておりますし現在の耐震基準を満たしていないことはご承知のとおりであります。しかし、少なくとも再使用するとなれば、その耐震補強そして設備の更新は最低必要かと思います。さらには、さまざまな文化ホールとしての不備、これはご指摘されているとおりであります。そのうちの100%とは申しませんけど、きちんと使える形にもっていくためには、概算でではありますが約25億円程度は必要となろうかと考えております。
 それにしましても、今、市が代替施設として考えられている施設の予算、既に発表されているところでは約30億円という話であります。これでは、とても現在の公会堂の持っているその機能の充実と匹敵するものを求めることは、まず無理だと考えます。少なくとも、45億円から50億円程度の建築費はかかるかと思います。ということは、公会堂を改修することのほうが明らかに新築するよりも、普通一般的に言いまして新築と比べて、6割程度前後なんですけれども、その程度の予算でほぼ同等の機能の文化ホールを得ることができるという点でございます。これが1点でございます。
 さらには、公会堂は、私どもこの運動を始めてまいりました中でより明らかになってきたところでありますけれども、思っている以上に大変立派な価値を持っている建物であるということが次第に明らかになってきたところであります。
 既に、市のほうにおいてもそのことは十分ご理解いただいているかと思いますけれども、二、三つけ加えさせていただきますと、例えば、歴史的価値の中で、当初、その当時の市長、田川市長でございましたけれども、これは市の単独予算で建てられたものであるという答弁をなさっていたわけですけれども、明らかになりましたのは、やはり国際文化都市建設構想に基づいた世界から集めた浄財の一部がこれにも投入されていることが新資料の出現によって明らかになったところ、要するにこれは世界中の方々からの支援によってできた文化施設、原爆復興のいわばシンボルであるということ、さらには、近代建築の調査、研究を進めている国際的な組織でありますDOCOMOMOというのの日本支部が、2003年でしたか、日本の近代建築100選というのを選んでおります。
 この100選に入っていること自身が大変名誉なことでありますけれども、最近の研究によりますと、この100選で全国にある文化ホールで、解体されたり、あるいはそれがなくなってしまったというものは1棟もない状況も明らかになってきています。ということは、仮に長崎市がこの公会堂を解体しますと、そのDOCOMOMO100選に選ばれた建築の解体第1号になるという大変不名誉な事態を招くことにもなりかねません。
 さらには、都市景観的価値、現在の公会堂のあのたたずまい、あるいはその前面にある公会堂前広場、これの廃止措置はまだとられていないと思いますけれども、これの持っている価値にかわって、あそこにほぼ敷地いっぱいに13階ないし14階建ての新市役所の庁舎が建つとすれば、どんな状況になるかということはご想像いただければと思います。これはむしろ、市が本当の意味で都市計画的な広場を廃止されるのであれば、そのかわりの状態を示して市民に問うべきじゃないかと私は考えております。
 そのようなことから、決してこの段階で解体を中止することは恥ずかしいことでも何でもなくて、むしろ私のほうからすれば、本当の意味でのまちづくりの正道に戻ることではないかと、そういう機会ではないかと考えております。
 その意味で市議会におきまして、我々は別紙条例案を示しておりますけれども、それには当然素人ですから不備があるかもしれません。その点は再使用につきましては市議会におきまして協議され、決定されることかと思いますけれども、意を酌んで、ぜひこの署名に応じてくださった1万7,000人余り、これは1カ月間という与えられた期間ではこの市議会に間に合わないということで、実質3週間の署名活動で集めた数でございます。その重みを実感していただきまして、いい結論を導かれることをお願い申し上げたいと思います。
 意見陳述は以上でございます。

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堤 勝彦委員長 以上で、本件に係る請求代表者の意見陳述は終了いたしました。
 それでは、午後1時から再開し、参考人に対する質疑を行いたいと思います。
 請求代表者退席のため、暫時休憩いたします。
          =休憩 午前11時32分=
          =再開 午後0時59分=

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堤 勝彦委員長 委員会を再開します。
 委員外議員の皆様にお知らせいたします。委員外議員の発言の取り扱いについては、委員外議員の発言は、同一議員につき、同一議題について2回を超えることができないという申し合わせになっております。
 これから行う参考人への質疑だけではなく、その後予定されている理事者への質疑も含めて合計で2回までとなりますので、よろしくお願いします。また、質疑等がある場合には、環境経済委員の質疑が終了してから申し出ていただくことになりますので、ご理解、ご協力いただきますようお願いいたします。なお、環境経済委員の質疑と重複する質疑はお控えくださいますようあわせてお願いします。
 それでは、第123号議案に係る参考人に対する質疑を行います。
 本日は、長崎市公会堂の解体中止と再使用に関する住民投票条例について、請求代表者及び関係者に対し、当委員会で質疑を行うことと決定いたしましたので、出席をお願いしたものでございます。
 参考人におかれましては、委員長の許可を得て、マイクを使って発言をお願いいたします。また、委員に対しては質問をすることができないこととなっておりますので、ご了承をお願いします。
 まず、請求代表者以外のお二方の自己紹介をお願いします。

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中村参考人 公会堂の未来活用を問う会の副代表をしております中村享一といいます。よろしくお願いします。

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加藤参考人 かとうフィーリングアートバレエの代表の加藤眞知でございます。よろしくお願いいたします。

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堤 勝彦委員長 それでは、これより参考人に対する質疑に入ります。
 何かございませんか。

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板坂博之委員 まず、基本的なことからお聞きをしたいのですが、1万7,000人以上の署名をお集めになられて大変ご苦労されたと思うのですが、どういう資料を出して、どういう方法でこの署名を集められたのか、どういう資料を出して署名をしていただいたのか、そこのところをちょっとお尋ねをいたします。

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林参考人 ご承知のとおり、署名簿という最初に条例制定請求書、そして条例案もついたものを持って署名活動に入らせていただきました。その際には、もっとわかりやすい説明といたしまして、こういうチラシをそれぞれの方に配布しておりました。
 さらには、より我々の意見を周知あるいはよく知っていただくために、テレビにおける広告も出していただきました。それぞれの受任者が知り合いを訪ねて説得をして、同意いただいた方に署名をいただいたり、さらには、街頭署名において通行されている方々に訴えかけをさせていただいて、賛同いただいた方に署名をいただいたということでございます。

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板坂博之委員 恐らく、この長崎市条例制定請求書、これが入っていたと思うんですが、この中を見せていただければ、まず3つに分けられるんですね、新しい公会堂ができるまで今の公会堂を解体せずに使わせてくれというのと、未来永劫と言いますか、私の言い方が悪かったら申しわけないのですが、解体せずにずっと使わせてくれと、それと今度は市役所の問題、市役所をどこに新築するかについては、現在地建て替えか、さもなければ県庁跡地と、こういう感じで署名を集められていらっしゃるんですけど、普通、住民投票というのは1つのテーマに対してイエスかノーか、マルかバツか、公会堂存続か公会堂解体か、私はこういうことで集められるのが普通だと思うとるんですよ。今言った3つの条件のうちの中の1つでも、新しい公会堂ができるまでとにかく使わせてくれという人がおったら、これ署名すると思いますよ。そして、先日から問題になりました県庁跡地に市役所を、これも3番目に書いてあります。自分はこれがよかけんと言うてした人もおると思いますよ。というのは、これはやはり住民投票になじむような署名の集め方じゃないと、私はそう思いますが、何かございましたら。

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林参考人 私どもの考えを素直にご理解いただいていないため誤解を与えているという側面もあったかなと大変反省しております。
 今、おっしゃっていただいた点につきましては、我々は公会堂が今、解体に直面しているという事態そのものに対して解体を中止する、そして再使用をお願いすると、それを目的とした住民投票でございます。
 今、おっしゃっていただいた3点、新しい公会堂ができるまでとは、本文中に、「せめて」と書いております。今、公会堂がなくなった状態に対して、新しい施設が市のほうで計画されているようですから、せめてそれができるまでということを申し上げているわけで、市民としましては、公会堂の存続を目指していることには変わりございません。
 そして、未来永劫の使用ということに対して、我々がこれを全て言えるかどうかは私は疑問と考えております。30年後の方たちが決めるべきものを我々が決めるわけにはいかない、我々は今、解体に瀕している、それを何とか救いたい、再使用したいというところだけでございまして、未来永劫の話そのものは自動的にそのときになって、それぞれの方々が考えられるべき問題だと考えています。そして、市役所の問題につきましては、これは我々の考え方を付記したまででありまして、市役所をどこにつくりなさいとか、そういう問題を今回住民投票して問うているわけでは全くございません。その辺、誤解いただかないようにお願い申し上げたいと思います。

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板坂博之委員 今、市役所の問題も言われましたけれど、やはり市役所の問題というのは決着がついとる問題なんですね。前回、住民投票条例の直接請求があって、否決をされて、それをまた持ち出してやっとる、私はこれをおかしいと思いますし、そして何回も言いますけど、新しい公会堂ができるまで使わせてくれと、そう思っている人もサインをしていると思いますし、ずっと今のDOCOMOMOの100選、それに選ばれとるから、何とか大改修してでも、あそこの公会堂を残してくれという人もサインしていると思う。いろんな方がいろんな思いで署名をされている、1万7,000幾ら、これをそのまま私どもに受けとめろというのは私は無理があるんじゃないかなと思っております。
 それと、公会堂が有する歴史・文化遺産的、建築的、都市景観的価値については情報不足もあって十分に認識されていたとは言えませんと、こういう文章がありますけど、公会堂等文化施設あり方検討委員会の中では、22名の委員がおられて、この中では結論として、「長崎国際文化センター建設計画の一環の中で建設され、DOCOMOMO近代建築100選に選定された近代建築物として評価されていますが、文化施設の価値としては現状で高くない状況にあり、老朽化、耐震結果を受けて、不足する機能を確保するためには、建て替えるべきとの方向で意見は一致しております」と。これは議会じゃないんですよ。市民の方とか学識経験者の方とか、いろんな方が入ってる22名の委員の皆さん方の結論がこういうことなんですよ。
 それを受けて、私どもは公会堂をどうするべきかというのを審議をして、いろんな経過を踏んできとるわけです。それで今、住民投票をという話ですが、私は長崎市条例制定請求書、この文章を見ますと、なかなか住民投票にはなじまないんじゃないかという感じがいたしております。それは意見は意見として、ほかの方も質問がおありでしょうから、これでやめますが、私としてはそういうふうに今現在は思っております。

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平野 剛委員 まず、林代表に何点かご質問させていただけたらと思います。
 今、板坂委員からも、歴史的価値、文化的、建築的価値等の話が出てきました。私たちも、市民の委員会のご意見等を踏まえて、平成26年の市議会にて廃止条例案というのを議論した際に、今、林代表はそのときにおられなかったかと思うんですが、同じ方々の陳情等によって、2月議会では継続審査にして十分な審議をしようということで、次の6月議会までかけて十二分にあらゆる角度から審議をした上で結論をつけていったかと思うんですね。
 その上で、今回、情報不足もあって十分に認識されてるとは言えませんということで断言されておりますが、もし私たちがまだ認識されていない部分、情報不足の部分があるんであれば新たな情報をぜひ教えていただければと思います。

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林参考人 午前中の意見陳述の時にも、今の質問に対して一部お答えしたところでございますけれども、重複するかもしれませんけれども、再度お答えさせていただきたいと思います。
 まずは、歴史・文化遺産的価値と申しますのはご承知のとおり、原爆復興によって国際文化都市建設構想というものに基づいてつくられたその施設であったり、さらにはそれの資金に、当時の認識としましては、長崎市単独の予算でつくられたという市長答弁がございましたように、そういう認識でございました。それはしかし、この建設当時の資料がそれ以降に発掘されて、復刊したことによって、そうではなくて、全世界から集められた浄財が投入されていたということが明らかになりました。ということは、市単独で決めてよい問題かどうかという新しい疑問が出てきているという状況でございます。
 さらには、その建築的価値というものにつきましては、DOCOMOMOJapanが100選に選んでいること、それ自身は十分ご認識いただいていると思うんですけれども、その後になりまして、それのうちの一部が、ことし6月ということになりますけれども、上野にございます国立近代美術館が世界遺産にもなるという状況が生まれております。
 さらには、他都市におきまして、この100選に選ばれている文化ホールというのは、ほぼ全部と言っていいくらいに再生の方向に向かって、既に実績を、実績といいますか、できあがっているものもございます。今治しかり、もちろん日比谷公会堂等々もそうであります。それがむしろ常識的な状況になったというのはこの最近のことであります。その研究の成果によりますと、まだ、その100選に選ばれたものをみずから潰すというふうにはなっていない状況が明らかになりました。
 そしてさらには、文化庁が国の登録有形文化財に登録されますと、これは3年ほど前からでありますけれども、従来なかった新しい制度、それは耐震補強の半額を補助するという制度をつくられて近代建築の保存に向けた国全体の方針を示されてきた、これは新しい状況だと思います。ということは、仮に長崎市がその方向で考えられれば、耐震補強に要する正確な金額は工法によって異なりますけれども、約6億円から7億円の半分の3.5億円程度は国からの補助もいただけるということになってきた、これが新しい点だと思います。
 さらには、都市景観的価値は午前中にも申し上げましたけれども、いかんせん先ほど板坂委員のほうからありましたけれども、我々は市役所の問題を本来は問題にしているわけじゃないんですけれども、現実には、あの土地に市役所を建てるという計画が既にあるがために現時点で公会堂を解体する方向になってきたと我々は認識しております。
 そのときに、当然、公会堂が現在あって、前に広場があって、その現在の状況と、あそこに新しい市庁舎が新築された状況を市民に対してどちらがいいですかという問いかけは本来なされるべきだと考えております。
 私どもの単純な予想によりますと、決してそれがいい方向に都市景観的に導かれるとは到底考えられない、むしろ大変窮屈な、長崎市のまちづくりというのは一体何をしているんだということに、私はなりかねないと思っております。
 以上でございます。

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平野 剛委員 ただいまご説明していただいたんですが、私たちは十分に長崎国際文化センター構想という件も、DOCOMOMO100選という件も認識もしておりますし、情報も十分持った上で審議してこのような結果に、経過を踏んでおりますので、認識不足というのが果たして言えるのかなというところが私は個人的には思ってます。
 例えば、長崎国際文化センター構想にしても、皆様方は世界から浄財が集まって、これはそれでできたんだということを大々的に掲げておるんですけれども、確かに世界の方々から浄財をいただいたということは、非常にその当時貴重なことだったかと思いますし、非常にありがたかったことかと思います。ただ、その際に6つの施設を、水族館、図書館、水泳プール、体育館、公会堂、美術博物館とつくっておりまして、合計で9億円建設事業費がかかっております。9億円の総建設事業費の中の世界から集まった浄財というのは約250万円なんです。250万円を6つの施設に分けてつくったというところにおいて、あたかも世界の浄財によって全てがつくられたのごとく、というわけでは決してないわけでございまして、その辺も打ち出し方が極端じゃなかろうかと思う部分も1点あり、もう1点が、4つの施設はもう既にございません。県立図書館がまだ残っております。県立図書館については、皆様方これは長崎国際文化センター構想でやっているんだからと、これは残すべきだという運動とかは特に聞いたことがなくて、なぜ公会堂ピンポイントなのかと。これまでも解体するときに全くそういった動きもなく、なんでまだ県立図書館はあるのに公会堂だけピンポイントでこのことで取り上げてくるのか、というのが質問の1点目、まずそこをお答えいただいていいですか。

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林参考人 何度も申し上げておりますけれども、全ての施設を我々残せということは申し上げておりません。先ほど平野委員がおっしゃったように、全ての施設に対して仮に平等にしても、それほど大量の金額が世界の浄財からつぎ込まれていないということは我々も承知しているところであります。
 しかし、なぜ公会堂にこだわっているのかというときに、既に解体された国際文化都市構想に基づく施設のうち、いわば最後の華みたいなものが公会堂であるという認識でございます。そのことを裏づけているのがDOCOMOMOの100選に入っているということでございます。ですから、県立図書館の現在を残せということを申し上げていないのは、そういう対象ではないということでございます。

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平野 剛委員 では、DOCOMOMO100選についてちょっとお尋ねしたいと思います。
 100選といっても、ちょうど100あるわけでは決してないかと思うんですが、中にはいろんなものがあるかと思います。それは世界遺産になるものもあれば、さまざまなことだと思います。午前中のご意見、先ほどのご意見も踏まえて、実は大阪の新歌舞伎座ですか、DOCOMOMO100選に選ばれた施設で、実は2009年に解体をされて、新しい場所に新しいものが既に建っております。
 解体の第1号ということをおっしゃっていましたけれども、これもちょっと当たらないんじゃないかなと思いますし、DOCOMOMO100選が全て世界遺産になるかのごとくと言うような、何でDOCOMOMO100選というのがどれだけの価値があるんだということは、私たち建築士ではないものですから、私自身はちょっとよくわかってないんです。
 DOCOMOMO100選だから残せということでおっしゃってらっしゃるのか、DOCOMOMO100選じゃなければ特にそこまでいってない話なのか、その辺を建築士の見解からお聞聞かせください。

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林参考人 何もDOCOMOMOだけが我々の主張の根拠でないということをご理解いただきたいんですけれども、例えばDOCOMOMO100選に入っているという言い方をしました。
 そして、歌舞伎座そのものは確かにおっしゃるとおりです。我々は今、新しい研究成果として持っているのは市ないしは自治体がお持ちの公共的な文化ホールを中心に申し上げておるわけで、その中で潰されたものはまだないということでございます。
 公会堂そのもののさまざま価値につきましては言い出すと切りがございませんけれども、建築の特にデザイン的な価値としまして、ご承知かと思いますけれども、これは武 基雄先生という、当時早稲田大学の新進の教授でございました。長崎市出身の教授です。この方がつくられた作品は、実はこの前の東日本大震災におきまして、ある公会堂の建物が無事残っております。それぐらい、構造的にもしっかりした計画をなさる方でした。その方が郷土長崎のためにつくられたデザインでございまして、そのことを含めてDOCOMOMOの委員でございます全国の建築の歴史研究者等々が集まったDOCOMOMOJapanにおきまして、たくさん推薦された中から、精選した100選を最初に選ばれました。現在では、150そして200とふえていることも確かでございます。一番最初に選ばれた100の中に入っている、そのこと自身は県内におきましては3件しかございません。その1つでもあります。1件は佐世保の親和銀行でございます。これは白井晟一という日本の近代建築家のトップ的な建築家の代表作でございます。そして、もう1つは長崎市内の駅前にあります西坂記念館、日本二十六聖人記念館でございます。そして、もう1つが公会堂と、これは、その意味では全国の近代建築に大変詳しい方々が、よりによって選んだ100選に入っていると、これは全てじゃ、錦の御旗ではございません。我々はそれ以外に実際に公会堂を使っている立場、あるいはそれを共有させていただいている立場から見て、公会堂自身のホールとしての機能性は言われるほど悪くない、むしろ九州内で最もいい、客席と舞台が一体化した形態のホールでもあろうかと、そういうことをいろいろ勘案した上で、公会堂というのは未来に残していい建物だと判断しております。
 以上でございます。

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平野 剛委員 一旦ちょっといろいろ皆さん方も意見があるでしょうから、林先生に最後の質問とさせていただきます。
 林先生みずから、実は県庁舎跡地活用検討懇話会の会長をされておられました。その際に、林先生がまとめられた提言に基づいて、県がホールを建てようとしておるところです。公会堂も建て替えんといかん、県もホールを建てようとしている、一方で長崎市は1つ、MICEというのもつくろうとしていると、そんなホールばっかりいらないんじゃないかと、県がホールと言っているんであれば、そのホールに公会堂の代替施設、機能を求めようということで、今動いている最中でございます。まさしく林会長が提言されたとおりの動きを県市一体となって、今やっているところです。
 ところが、林会長は公会堂を潰さずそのまま残せと、県にホールと言ったのは林会長なんですね、代表されて。考えによっては県庁舎跡地活用検討懇話会のそのものの提言をひっくり返すような、もとに戻すような話の展開ではなかろうかというところも思うわけなんですが、そこら辺の整合性といいますか、ご見解をお聞かせいただければと思います。

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林参考人 少し誤解があるようですので、その点だけは解いておきたいと思います。
 私自身、県庁舎跡地活用検討懇話会の途中から座長を務めさせていただきまして、おっしゃるとおり、現在3つの議論についてまとめた最終、一種の責任ではあります。
 しかし、そのときに言っている質の高い文化施設、文化ホールというものは、今長崎市が県に求められているこの公会堂のかわりとなる施設そのものでは実はございませんでした。その当時は、ブリックホールがあり、議論を始めたときには公会堂はまだ使用中でございました。ですから、さまざまな委員から出てきた最終的な意見は、それとむしろかぶらないようなホールをということでございました。500人規模の質の高い音楽を300人から400人規模の演劇を中心としたホール、それから、あとこまごまとした会議室等々、おもてなしの空間こういうものをひっくるめて一言で言えば文化ホールと申し上げているわけで、そのうちの1つのいわゆる文化ホールにつきまして、知事の発言のほうからは500人では採算性がとりにくい、できれば1,000人とあればいいんではないかというお話を議会のほうでされました。それに寄っかかってといいますか、市のほうはそれならば共同ですることが無駄遣いではないんじゃないか、ということでされているだけであって、実際には、県だって、そのことを最終的にまだもう一度、県庁舎跡地活用検討懇話会等々にお諮りして最終決定したわけでは全くないという点、これが誤解を1つ解いていただきたいということでございます。
 ですから私自身は何ら矛盾することなく、当初3つの機能で一番多い機能、そのうちの中心的な機能は実は広場でございます。県庁跡地にたくさんの建物を建て込むんじゃなくて、あそこを公開された空地、広場としてまず使いたい、しかしそれだけでは人は当然来にくいので、現在、市内あるいは県内に欠けている新しい施設として、もう1つ、2つをつけ加えているということでございます。

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井上重久委員 DOCOMOMOJapanの100選の関係、今お話をお聞きをしました。皆さん、建築学会で見る遺産としての価値あるいは私が思っている登録文化財としての価値観、ここら辺の価値観についてどのように見解を持たれているのか、そこら辺をまず1点お伺いをいたします。

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林参考人 DOCOMOMOJapanは建築学会の中に当初、日本支部を置いておりましたことは事実でございます。ですから、全国のその当時、代表は東京大学の教授でございましたけれども、建築士関係の特に近代建築を研究対象にされている方々、そして建築の意匠、歴史等の関連の方々がそれに関与されていたことも事実であります。
 しかし、現在は、学会とは一応外れて別の組織としてDOCOMOMOJapanはなされています。現在は京都工芸繊維大学の教授が会長を務めておられます。しかし、これは世界的な組織でありまして、その中の日本支部が日本における近代建築の100選をまず最初に選定され、その後もそれを拡充する形で150、200という形になってきているということでございます。
 それから、登録有形文化財というのは、何も近代建築に限りません。国の制度としまして、重要文化財あるいは有形重要文化財なんですけれども、その重要文化財にも建造物もあれば絵画もあれば、いろいろございます。さらには、それ以外に史跡あるいは伝統的建造物保存地区等々の文化財の範疇というのは非常に多岐にわたって現在あります。
 登録有形文化財と申しますのは、将来重要文化財に成り得るもの、そして今保存なり、その活用が急がれるものを主として文化庁が事前に登録していこうという制度でございます。ですから、これになったからといって、普通、重要文化財ですと、修理するときには国の補助金が5割以上もらえて、さらに県、市等々の補助をいただくということですから、所有者は平均して1割ぐらいの修理費を払えばできる話であります。登録有形文化財は、そこまでにまだなっておりません。ですから、制度的に言いますとまだ不十分な制度でございます。そのときの条件は50年以上たっていることが条件でございます。実際にはこれをさかのぼってといいますか、48年くらいでなった施設も実はありますけれども、一応50年を目安と、そして、それは重要文化財とちょっと違いまして、内部等々まで詳しく保存する方向ではなくて、その都市、あるいはその地域の景観にとって、大変大事なものだから残しましょうというほうが強いという状態でございます。

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井上重久委員 文化財とその学会で見る遺産の関係については、一定は理解するところですが、世界的遺産あるいは歴史的遺産と言うたら文化財のほうが、私はレベルが上かなと、当然その3年前の補助金のお話も私も承知はいたしております。その上に立ちながら、やはり、公会堂を残しなさいと2回陳情が出ている。それは平成26年2月、6月議会に出ている。もっと私が個人的に考えるには、以前に登録有形文化財なりの運動をすべきだと、私は思ったんです。そういう視点からお聞きをしたんですが、その点いかがですか。

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林参考人 すべきだったと、まさにそうかもしれません。ただし、50年以上という条件がございまして、今から4年前まではできないわけです。自動的にはねられるわけです。ですから、今、ほぼ我々が運動申し上げたところと同じ時期に初めて登録有形文化財の登録の申請ができる条件が整ってきたわけでございます。ですから、その点は当たらないと考えております。

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井上重久委員 陳情の関係あるいは私はやはり価値観があるならば、登録有形文化財の運動をもっともっと早くすべきだったと、今回は公会堂を残せという請求の趣旨でございます。
 ただ、平成23年2月に大型公共施設の整備方針が決定をされて、それからやはり何ら運動がなく今日に陳情に至って今回の住民投票条例の直接請求が出された、このブランクを私はどう考えればいいのかなと、自分で自問自答しているところなんですが、そこら辺どう思われてます。

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林参考人 ブランクと言われますと大変我々もつらいところがあります。
 1つには、この問題を全体として把握いたしましたのが、3年前の正月、長崎市長がこの全体を初めて一体的に発表されたことが最初でございました。要するに、公会堂の跡地に市役所を建設すると、その当時はMICEの問題も実はございませんでした。そのことを聞きまして、大変驚いた、これは間違った方向に進んでいるということで、それ以降に運動を始めていったということでございます。
 その間、おっしゃっていただいたような空隙があるということでは、我々はなかったつもりであります。その間もさまざまな形でシンポジウム等々開き、そしてまちづくりの意見交換会、さらにはワークショップ等々も開いてまいりまして、ご承知いただいてないかもしれませんけれども、決して運動を途絶えさせたつもりはございません。

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井上重久委員 最後にしますけれども、平成23年2月に大型公共施設の整備方針が、いわゆる現在の市庁舎がある場所から公会堂を含む一帯としますという方針が示されまして、先ほど林参考人のほうから言われましたように、平成25年1月に市庁舎の建設場所についての方針表明が公会堂より公会堂前公園敷地とすると、私は、平成23年2月時点、懇話会の中にはいろんな有識者メンバーが入っとるもんですから、当然林参考人も何らかの形で市民会とかいろんな形で入られていると思いますし、建築学会も当然入って論議をされてきたと思っていますんで、そういう意味ではもっと早目に運動をすべきじゃなかったんかというのを私はずっと個人的に思っていたもんですから、質問をさせていただきました。
 この関係については、私は以上です。

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五輪清隆委員 特に、議会としてもいろんな長崎市の大型公共施設については議論をさせていただきました。今回、いろんな形の中で、まず一方的に決まっていないことは理解いただきたいと思っています。
 特に、私も平成26年度はこの環境経済委員会におりましたから、いろんな陳情を聞いております。特に私自身一番思うのが、先ほど板坂委員からありましたように、平成23年に学識団体とか、いろんな各種団体の方が今後公会堂をどういう形になってやっていこうかということで議論がされております。
 その関係についても4回開催されまして、その中の結論として先ほど板坂委員からありましたように、文化施設を建設する必要があるということで結論が出ているわけですけど、この22名の委員の中には2年前の陳情された方もいらっしゃいます。多分、今回の運動に参画された方もいらっしゃいますけど、やはり、このあり方検討委員会というのはまさに議会、行政を除いた形の中で、いろんな方々の認識を共有しながらやって、取りまとめたということで思ってるわけですけど、この関係について、なぜこういうことを、新しいものをつくっていこうということに対して、議論がされたのかどうかも含めて、どうなんですか。多分、加藤参考人のお父さんやったですかね、そういう団体の方も陳情して、今回も入っていますけど、このあり方検討委員会の中でどのような議論がされて、今回このような形になったのか、これについてまず1点お伺いします。

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加藤参考人 そのあり方検討委員会に私は出席しておりませんで、私の亡くなりました主人が出席をしておりましたんですが、なかなかそういう建築関係とか、そういう皆様の詳しくいろんなことを知っていらっしゃる方々とは違いまして、芸術畑で自分たちが表現することばっかりを考えている人間が何人もいたと思います。その人たちに、そういう今のようなことを言われても、ほとんどわからないわけですね。ただ、もう公会堂は古いので新しい会館をつくってあげますよと、そういうお話ばっかりやったので、ああそうですかと、それはそうなんでしょうね、みたいな形の返事しかできてないと思います。
 そして、そこにもしも建て替えるのであれば、公会堂の跡地にそのままぜひ公会堂を復元して建ててほしいという気持ちがみんなすごくあったんですが、そういうところは全く無視されて、新しい会館をつくります、新しい会館をつくります、そればっかりで推されてるので、ほとんど詳しい内容もわからないままに、あやふやな返事をしたんだという感じを私は聞いております。

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五輪清隆委員 その、あり方検討委員会の関係について、もうこれ以上質問はしませんけど、一番あるのが、私自身も専門家じゃないのでわかりませんけど、コンクリートの建築の耐用年数というか、約65年ということで言われてますよね。そういう中で、今現在公会堂は54年、皆さん方が望んでいる耐震とか、そういうのをしたときに、あと何年くらいもつのかが1つと、平成26年の陳情のときも出てましたけど、皆さん方が試算した関係で、その当時は24億円プラスアルファということでされていましたけど、この中身についても、その当時言われたのが、今治がちょうど同じような年数がたっとって、約7,000万円で建設して、おおむね10倍くらいかかるだろうということで、ほかの件についても同じだろうということで言われて、概略計算で24億円ということで言われたんですけど、このことが本当に正解なのか、やはり、あくまでも金額を出すときっていうのは、専門的にわかりませんけど、いろんなこの工事について幾らかかる、そういう積み上げした試算というものがあるのか、まずこの点についてお伺いします。

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中村参考人 きょう資料を用意してきております、事務局のほうにちょっと渡した資料ですけど、24億円、今の金額のものに関してお渡しをいただけますでしょうか。

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堤 勝彦委員長 暫時休憩します。
          =休憩 午後1時42分=
          =再開 午後1時43分=

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堤 勝彦委員長 委員会を再開いたします。
 ただいま、中村参考人のほうから資料を皆様のお手元にお渡しされたかと思いますが、こちらについてご説明をお願いします。

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中村参考人 今回、資料を用意いたしましたのは、実は建設の概算の金額を出した資料を、明細をということでしたので用意いたしました。
 私は建築をやっております。設計をやっておりますので、どういう段階を経て要するに概算金額が出せるのかというのは、当然専門家でありますのでよく知っております。
 したがって、概算計画を行う場合は、既存のものに対して、どこをどういうふうに改造をするのかというプランニングがないと、要するに根拠というのが全く出てまいりません。
 したがいまして、その試算のための計画を行いました。このパネルを見ていただきますと、実は、赤く変更している部分が見ていただけますが、この部分は要するに構造補強をしながら新しい計画を行うと。要するに耐震補強に関しましては、ただ柱を入れるだけではなくて、柱とともにエレベーター等を入れて、要するに内部の骨を固めるという作業を併設をしながら、1,800席ある席数を1,300席に縮小していくという計画でございます。
 この明細を今のお手元の資料でいきますと、建築工事、構造補強工事、6億7,000万円、これは構造補強で出しております。これは、長崎市が平成21年度に耐震診断というのを市の発注で診断を行っておりまして、50センチメートル以上もあるような厚さの報告書が長崎市のほうへ担当した構造事務所から提出をされております。
 私どもは、毎日新聞社が情報公開請求で入手した資料を、適正な検査が行われているかどうかということの依頼を含めまして、その内容を細かく私は見せていただきました。
 その中で、耐震補強を行うとしたらということで、2つの計画案が提示されておりました。その2つの計画の提示案というものが金額が5億1,480万円で計画をされておりましたので、ここの平成21年度から30%ほどベースアップした金額は6億7,000万円ということで計上しております。ですから、構造は幾らぐらいかかりますというのは、長崎市の基準をベースにして行っております。その中で、楽屋は部屋数を4部屋から6部屋へ拡張ができる、それから多目的な小ホールは5階のところに確保ができるというプランニングで前提を確認しました。
 それから、問題になりました空調工事はいつとまるかわからないということで廃止されたわけですけれども、空調工事に関しましては、どういう機材を入れたらそれが再生可能なのかということに関しての基準を定めて数字を出しております。空調工事に関しましては、3億7,000万円ぐらいで概算が出せました。その根拠になる資料は、熱源機という要するに空調機械の室外機だとか室内機だとかという機材は全部リストアップしております。それに関しての金額を入れて、なお、ホールの床は冷え込んでおりますので、床暖房を1,000万円ほど入れた総額として、3億7,000万円で空調工事は行えるんじゃないかという試算をしております。
 それに付随しまして、給排水工事、電気工事、エレベーターの2基、それからリフトの工事を入れた金額を全部合わせましたところの金額が24億円、これが私どもが計画と数字をにらみまして概算の数字を出した根拠であります。
 コンクリートの耐用年数に関しまして、実は100年ほど前にできましたイタリアのフィアットの工場、ちょうど100年くらい前ですけれども、それが今、再生してコンベンションセンターに改造をされております。今、国内でやられている建物に関しても60年代というのは、償却資産だとか、要するに経営、経済的なものでの耐用年数ということで定められているものが主な理由で、構造補強をすること、それから中性化等の進行をとめるだとかという新たな技術がまた出てきておりますので、50年目のものを改修して、補強工事を行って、四、五十年はもつという方向性は既に出ておりまして、国土交通省あたりがほとんどの建物に関しまして、構造補強をやりながら要するに長期化させていくという工法は出し得ておりますので、今、100年もちますというのは確定できませんが、今の基準で耐震工事を行えば、今の建物よりも現在の耐震基準に合わせられた構造の耐震化が可能になります。
 平成21年の計画書におきましても、その基準で、Is値という構造基準を上げた場合の試算に基づいた構造補強費というのが計上されておりますので、寿命は少なくともあと40年というあたりのところに延びるということの前提で、その計画は進められていると判断ができると考えております。

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五輪清隆委員 特に、コンクリートの関係となると、なかなか難しい面があるんでしょうけど、当然既に54年経過する中で耐震をするわけですから、新築と違う意味でのやはり諸経費も含めて、営繕費を含めて、今後多くかかるわけですけど、そうなったときに確かに中村参考人から、100年とは言えないけど、40年くらいはもつだろうと言われているわけですけど、当然そのときについても、全面改装後に例えば毎年しなければいけないとか、5年後は定期的にしなければいけない項目が新築と違って多くあるわけですね。
 そうなったときに、年間の維持管理費を考えたときに、どれぐらいかかるのか、それで私は建築は全然わかりませんけど、例えば通常、民間の鉄筋コンクリートであれば、50年とか60年たったら老朽化によって建て替えをしているわけですけど、国内においてああいう施設というか、公共施設の中で全面補修してから100年経過したという建物があるんですか。

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中村参考人 設備の更新、構造の問題と設備の問題と分かれて解答をさせていただきたいと思います。
 先ほど言いましたように100年もっている建物はございます、構造的にですね、それが1つ。それから、設備に関しての寿命というのは本来、大型空調機でいえば、35年から40年くらいのところで、本来は総入れかえというのが普通でございます。長崎市公会堂の場合には、要するにその更新作業を怠ったと言わざるを得ません。
 中身の交換ではなくて、中身の総入れかえというのを行うのが普通、要するに長生きさせるときの維持管理者の行うべき役目だと考えます。給排水に関しても、それぞれの寿命が定められておりますので、そこの部分は入れかえて新しく更新をさせるという形で大規模改修の基準というのは既に国土交通省等で定められておりますので、今、50年たっているもの、現実にはほとんど手を入れられないで、わずかなパーツを入れかえながらやりかえられてきたことですから、これは新築の場合でも30年だったか40年やりかえれば、当然やりかえなければならないということですね。
 今、公会堂はやりかえても30年から40年は設備系に関しては同じような基準ですから、全く同じような寿命に設備機器は当然なるはずです。
 構造の問題に関しては、今現在あたりで考えられている寿命が要するに50年から40年あたり延びるだろう、ただ情報公開請求で入手した資料これはほんの一部でございますけれども、この資料の中に中性化という資料がありまして、コンクリートの強度を定めるためには、コンクリートの表面が要するに酸化しないで、鉄筋がさびないということが重要なので、これが理由に解体される現場はございますが、このデータを見る限り舞台の一部のところで非常に悪いデータのところがありますが、これは舞台の近くのところでドライアイスだとかという二酸化炭素系の発生しやすいものを使ったりだとかということで、原因がはっきりしてますので、そういうところは入れかえてしまえば中性化に関しましては、今の生コン車で打つコンクリートよりも、はるかに健全な状態で維持ができているという数値がこの中から確認ができますので、非常にいい状態にあるということで、手入れさえ怠らなければ十分にコンクリート系の寿命は維持できると考えられます。

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五輪清隆委員 請求の要旨の中で、25億円ということで強調されているわけですけど、2年前のこの環境経済委員会で、市役所から出された中で最低限の改修ということで約13億円くらいと言われておりました。皆さん方から出されている、どういうふうに示しているかわかりませんけど、(1)の中で最低限その設備工事は必要でということで書いてあるわけですけど、ある意味25億円じゃなくして、13億円でもできるのかなと私自身思ってるんですけど、このことについてまず1点お伺いします。
 それともう1つあるのが、議会として、先ほど平野委員からもありましたように、平成26年の2月、6月の中で公会堂関係の陳情をいただいて、廃止条例というかそういう関係で議論する中で、私たちもいろんな団体の方に配慮した形の中で、今現在の県庁跡地にホール機能を建てて、そのことを真剣になってやっていこうということで現在まだ決着はしとりませんけど、もし、例えば公会堂が全面改修をされたら、県庁跡地のホールについては必要ないということで理解してよろしいですか。

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林参考人 今のご質問のうち、2つ問題があります。
 1つは、後のほうから先にお答えしたいと思います。おっしゃるように県庁跡地の問題がきちんとして、現在の公会堂よりもはるかにいいものができれば、我々も公会堂そのものを残すこと自身には、別の意味からはあるんですけれども、おっしゃるような意味ではこだわらないということはあります。
 しかし、公会堂はそれ以上の価値があると、あるいは発見されてきたということでありまして、今おっしゃっているような意味だけではなかなか難しい。もう1つは、果たして現在の公会堂の持っている文化機能的価値を超えるものが一体幾らでできるのかについては、今どこにも資料も何も出されていない状況です。
 公会堂の持っている価値と同じものをつくろうとすれば、ごく概算でありますけれども、50億円は下らないと私は踏んでおります。ですから、それと比べてどちらが安価かということをお願いしたいという点、それからもう1点は、公会堂の永続性という問題について、これについては副代表にお願いしたいと思います。

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中村参考人 コンクリートの建築物というのは、おっしゃるように寿命があると我々も考えております。といいますのは、石造、そういうものが仮に1,000年、2,000年というようなものに、木材も要するに1,000年以上もつものが現実にあるとして、コンクリートというのは、要するに偽石化、石に近づけるような材料物でしかなくって、粉にそのうち戻る材料であります。
 ただ、長くもたせたら、150年くらいは頑張れるんじゃないのかと、ただ限界はそこいらにもあるんではないのかという話は鉄筋コンクリートに関しましてはあると思います。鉄筋というものの状態からいけば。ただ、100年はもたせられるであろうということは、我々、今の状態がよければ100年以上もつであろうということはほとんど業界の中では常識的なことになってきていると思います。

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五輪清隆委員 私は、ブリックホールができたときは議員じゃなかったからわかりませんけど、その当時、ブリックホールを建設するに当たっては、やはり長崎市内に文化施設は2ついらないだろう、それでブリックホールの建設に当たっては、公会堂については使用できる範囲の中で使用していこうということで今現在なっているわけですけど、このことについて先ほど参考人から言われました、当然いろんな設備についても、当然その前提で解体するようであれば、設備を更新しないのが私も民間であればそうします。ですから、このことについては、やはり理解していただきたいということを思っています。
 そしてやはり一番私が聞きたいのは、公会堂を全面改修して、そしたら今現在協議している県庁跡地のほうはどうするんだ、このことは、やはり参考人として全面改修するようであれば、県庁跡地はいらないとか、そこらあたりの見解は出していただきたいなと思うんですけど、そこだけ再度質問します。

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林参考人 県庁跡地に今、県に協議をされている件でございますけれども、一定の見通しがあれば正確な形でのお答えができますけれども、今、我々はもともと言いますのは、現時点においてそのことが明確でない以上、現在の公会堂の解体中止と再使用をまずは求めております。だけれども、今おっしゃっていただいた点でいきますと、仮に、先ほどおっしゃっていただきました最低限の13億円程度ですと、公会堂の不備は解消するとは思えません。我々が25億円という、概算の数字を出していますのは、さまざまなクレームが寄せられていることを100%とは言いませんけれども、80%程度するには25億円。25億円で改修されたものは新しく県庁跡地に考えられるものはなくてもいいというのが本音でございます。

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中村参考人 先ほどの、五輪委員からの質問の回答を1つしてなかったメンテナンスに関してのことでございますが、仮に建築の寿命が100年あるとした場合には、設備更新というのは、3回のローテーションがなきゃいけないということになります。
 ただ、これは新築のビルと何ら変わりはないというように、新築の場合には新設、第2回目の工事のときには一部解体工事がありますけど、でも結局新しいものを入れかえるということになりますので、そこのランニングコストが大きく変わるといっても、要するに2回目の解体以降は、ランニングは設備機器に関してはほとんど変わらない状態で維持されるということであろうかと思われます。
 維持費に関して影響を与えるものは空調設備機がほとんど一番大きい、それから、電気の要するに電源工事ですが、これは当然、今回公会堂を改修をするとした場合には、今の最も新しい基準のものにかえることができますので、今までの50年のものよりもはるかに安いランニングコストの維持費ということになります。きょう資料を提出しました空調機能、熱源機、屋外機、番号まで書いておりますが、これは最も最新の方法によってつくられた機材のものを書いております。こういうものを使うことによって、経費というのはかなり下げることができる。私の経験によりますと、あるホテルの改修工事をやった場合、電気代は半分に下がってしまいました。それから、ここに書いてあります1階のホールの床の部分に関しては、床暖房工事というのを入れましたけど、初期に、要するにエネルギーをものすごく使うような状態を軽減させるさせるようなことを日常的にやることで、負荷というのは下げてくることができますので、ランニングコストに関しまして、電気、そういうものに関しては以前より下がることは明らかなことであります。

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加藤参考人 先ほど公会堂を残したら、県庁跡地の会館はいらないのかというご質問でしたけど、ブリックホールをつくってくださったから公会堂はいらないのかと。全然それあり得なかったですよね。ブリックホール、すばらしく大きな会館をつくってくださいましたけど、市民レベルで使えるような会館ではございませんでしたし、いろんな意味で本当に使い勝手の悪い会館でしたので、みんな公会堂のほうに戻りました。
 一時、できましたときにはちょっと新しいのできたから、行ってみようかみたいな感じでブリックホールを使った方たちもいらっしゃいますが、ほとんどが公会堂のほうに戻りました。
 それだけ、公会堂は市民に親しまれて使いやすい会館であったということなんです。ですから、例えば、県庁跡地に何か会館をつくってくださったとしても、だから公会堂はいらないのかということには絶対なりませんし、それはその会館なりの使い勝手というのがありまして、いろんな催しがございますから、その会館にふさわしい、いろんな使い勝手があると思うんです。公会堂は公会堂でなければならない使い勝手というのがございますので、これはもう、私たちにとっては絶対でございます。

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平野 剛委員 すみません、ちょっと関連で質問させていただきます。せっかく工事の概算の費用を出していただいていますので、ちょっと中身についてお聞きしたいと思います。
 概算で24億円という数字を出していただきました。公会堂が現在抱えるさまざまな課題というのは、もちろんご承知であるかと思います。そこの課題に対して、この24億円の改修によってどの程度課題が解決できるのか、解消できるのか、それをちょっと教えていただいてよろしいですか。

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中村参考人 よく言われている問題、実はこの計画をつくるに当たりましては、ワークショップを行いました。そのワークショップでは2つの案が考えられて提案をしました。そのうちの1つでありますが、楽屋の数が少ないと、この問題がありました。それから、便所が不便であるだとかという問題がありました。楽屋に関しては、舞台へのリフトと絡めますと、4つの楽屋が6個までふやすことが可能です。それから、便所の位置も今の階段の下に持ってくることによって個数をふやすことができます。バックヤードの整備というのはかなり進むと思われます。それから、一般のところにある便所数も、今の1,800席に対して用意されている便所の数がありますけれども、実はホールのスロープの下のところに空間がございますので、さらに便所の数をふやすことは可能であります。
 それから、もう1つ大きな問題、練習場がないという話がございました。実は、1,800席を1,400席規模に縮小すると、最後部のところが前に、舞台のほうによることになりますが、その最上階の5階の部分というのはかなり大きなスペースになってきますので、ここでは練習場、それから小ホールのようなものが設置が可能となります。舞台の控室と練習場というのは、エレベーターで直結できる地下通路が現在のものを利用できるということになりますので、楽屋をふやすことはできます。小ホールが増設できます。それから、便所はかなり数をふやすことができます。それから、楽屋も5割アップすることができます。舞台のところのリフトアップも可能になりますし、一般入場者のためのエレベーターを2基設置することが可能となります。
 こういう内容の改修を踏まえたところを含めて、二十四、五億円という数字を概算で出させていただいております。

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平野 剛委員 林代表からの午前中の冒頭の説明ですとか、こちらの請求を見ていると、市が言ってる案の十分な機能を満たす、確保するためには40億円は下らないという試算をされておられました。私たちは、せっかく建てるんであれば、機能面でしっかり後世に残していく、ちゃんとしたした施設をつくろうということでつくろうとしている方向なんで、40億円は下らないという試算をされていましたけれども、片一方で24億円というのが出ています。
 この40億円で十分な確保ができる施設と、24億円で改修する施設、その違い、中身、機能としてどの程度差が出るのかというところを今ちょっと具体的に言われましたけれども、倍近く試算と違うわけですよね。40数億円と言われましたので、そこの中身をもうちょっと比較して教えていただいてよろしいですか。

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林参考人 午前中等々に申し上げましたのは、私は40数億円、私は50億円程度と思っておりますけれども、これは、今、新築した場合の話であります。その新築の中身、例えば500人ホールをつくるとかいう話ではないんです。少なくとも、現在の公会堂よりは小さいけれども、1,000人以上のホールを要望されていますよね。
 1,000人規模のホールで、今公会堂が持っているさまざまなそれ以外の施設といいますか、スペース、そして公会堂を改修したときにできるであろう空調設備がいいとか、あるいはトイレがよくなったとか、そういうものを全部加味して新築するとすれば、今公会堂は躯体そのものはあるわけですね。ですから、新築すればその躯体をつくらなくちゃいけません。普通でいけば、これは四、五十億円はかかるだろうということを申し上げているわけです。ですから、公会堂と同等でないものを仮に20億円でつくれと、それこそ掘っ立て小屋みたいなものになるかもしれませんね。それが、果たして市民に対する答えかということだろうと思います。

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山崎 猛委員 私は、当初残したほうがいいのかなという考えだったんですけど、きょうお話しを伺っていて、あれと思うことがあったのでちょっと確認の意味でお聞きしたいんですけれども、公会堂がそういう世界的なもので歴史的に価値が出てくるから残したほうがいいんだよということであるにもかかわらず、150年ぐらいしかコンクリートはもたないので、ということは、あと100年ぐらいでは壊す時期が来ると。林参考人においては、板坂委員の質問に答えて、未来永劫ではないと、30年後のことは30年後にと、要するに今、我々のときはこうやって反対して残すけれども、30年後は壊すこともあり得るんだよということも認めてらっしゃるのかなと。
 ヨーロッパのほうにいきますと、もちろんコンクリートじゃなくて石の文化ですから、本当に100年、200年とかという建物があるわけですよね。ああいうのは、観光にもなるしすごく残っていくんで、私はそういうイメージを持ってたんです。公会堂をそういうふうにして、今から手を入れれば、ずっと未来永劫そういうふうに残っていくと。そうすると今から歴史的な価値も出て、世界遺産になるかどうか分かりませんけれども、そういうこともあり得るんだよということを言ってらっしゃるのかなと思ったんだけれども、何かきょうの話を聞いていると、そうじゃなくて、あるときが来たら、自分たちが生きてる間はあれだけれども、後は後の人が決めればいいという声にも聞こえなくもなかったんです。
 それと、一番最初の林先生の説明のときに、一番のポイントは新施設がオープンするまでの間の解体中止と再利用という、それが一番私はあれと、保存じゃなかったのかなと思ったんですけれども、そういうことを考えると、私自身、一番問題なのはやはり役所が解体を決めて、予算を出して壊さなかったことが一番問題だと思うんですけど、このスピードのなさが問題だと思うんですけれども、やはり一番市民が困っているのは今使えないということが一番困っていると思うんです。
 また、きょうの話の中でも、例えば8年から10年くらい、どこにできるかわかりませんけど、でもまだその間使えないというが、私は一番の論点なのかなと思ったんですけど、それならば、この住民投票はちょっと趣旨が変わってきたのかなと思って、住民投票じゃなくて別の方法で出されたほうがよかったのかなと私はきょうの話の中で自分の考えがそういうふうに思ったんですけど、そのことに関してもしご意見があれば。

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林参考人 30年後について、我々が責任を持った回答をできないということを申し上げておりましたけれども、それは何も建物が30年後に解体してもいいという意味では全くございません。我々が、30年先のことを決めることはできないと申し上げただけです。
 それから、残念なことに近代建築が、現代の工法でもって500年もつ建物というのは世界にないということは事実であります。
 最近、ずんずん長寿命化を目指して、従来の鉄筋コンクリート等においても、できるだけ外側に鉄筋が出ないように、あるいは打ちっ放しコンクリートを避けて、中性化をさせないような工夫がされてきまして、現在の試算では150年から200年は鉄筋コンクリートは普通に建ててももつような形はできておることは確かであります。ですから、今後また進歩いたします。
 鉄筋コンクリート、例えばですけれども、広島にピースセンターというのがございます。これは、公会堂よりも約10年ほど前に建てられた建物、これを改修いたしまして、国としては登録文化財においてほぼ永久的に保存することに決定しております。当然ですから、若干その間でメンテナンスかかりますけれども、保存することの技術はまだまだ伸びてきますので、今50年は大丈夫だろうと申し上げましたけれども、数年たてば、あるいは10年たてば、それが60年、80年と伸びる可能性はありますけれども、それはわかりません。
 それから、もう1点、違った方法での訴え方があったんじゃないか、あるいは新施設ができるまでというお話ございましたけれども、我々ももちろんそのことも若干は考えましたけれども、しょせんは素人でございます。差し迫って、この議会におきまして、解体予算の執行の承認ということが出ているということをお伺いしたわけでして、それに対抗する、対抗と言うのは変ですね、何とかその解体予算の執行だけは停止していただきたいという思いから、住民投票という方法をとらせていただきました。
 しかし、その真意は先ほどからお尋ねいただいておりますように、我々としてはますます価値が出てくる、しかも大変長崎にとっても重要な宝であるものを、いわば未来永劫に使える形にしていくのが我々現在の生きているものの責務じゃないかと考えていることには違いはございません。しかし、そのことを十分に市民の方が全部ご理解いただけるとは思っておりませんので、とりあえずは解体中止と再使用に関してお願いする、その住民投票をぜひ実現していただきたいという思いでございました。

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山崎 猛委員 私も県庁跡地のことをしましたので、気持ちはよくわかります。
 もう1つ、DOCOMOMOの100選に選ばれているほかの日本二十六聖人記念館と親和銀行のことは、私も調べさせてもらいました。そしたら、ほかの2つは、今でも言ってもらえればすぐ文化財になるというぐらい価値があるということだったんですけれども、公会堂はしてもなりませんよという回答をいただきました。そのくらい、ちょっと皆さんとこっち側の価値観が違うのかなという、私はよくわかりませんけれども、調べた結果ですね。その辺も少し問題なのかなとも思うんですけれども。
 もう1つ、先ほどから中村参考人が言われていることを見ると、やはりほとんどがもう改修しないとある意味だめだと思うんです。もっといいものに残すということで。外観を残すということで言われてるんで、中のことを言われてると思うんですけど、中はほとんど入れ替えということだと思うんです。そうなると、今よくほかでもされてますけれども、外側だけ残して、後ろに新しい歌舞伎座とか、駅なんかも神戸駅ですかね、何か前を残してるとかいうそのメモリアルと、新という。やはりそれは、我々が後世の人たちによりいいものを残すということで考えると、さっき多分平野委員が言われたこともそうだと思うんですけれども、それだけの価値をかけて、どっちが本当に金額だけじゃなくて、長い目で見たときに価値があるのかということを聞いたと思うんですけれども、私もそう思うんです。歴史的なものを残すというのも、この長崎の地の役目だと思うんですけど、やはり我々大人が後世の人たちに、言葉尻をつかまえるわけではないんですけれども、50年後、またこういう思いを後世の人たちにさせるわけではなくて、またいいものを残していくと、施設の観点からいって、例えば眼鏡橋とか平和祈念像みたいに見て残るものではなくて、この公会堂というのは中でするものがいかに高いレベルでできるかというものが求められている建物だと思うんですね。体育館なり、こういう音楽施設というのはですね。
 だから、ちょっと用途が違うのかなという感じもしたんで、その辺ちょっとあったら。

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加藤参考人 中村さんたち建築家さんの立場から考えられると、こういうふうに公会堂をうまくこういうふうにすると、こういうふうな感じでこれくらいの予算でっていうふうにいろんな形を考えてくださっていると思います。
 ただ、使っている私たち側から言わせていただくと、どんなに古くてもどんなに使い勝手が悪くても、空調さえちゃんと直してくだされば今のままでも全然結構です。そのままでいいですから、とにかく使わせてくださいというのが私たち使っている側の意見です。それは、いろんな立場の方のいろんなお考えがあるので、いろんな観点から言ってくださってますが、使う私たちはただひたすら、そのままで全然結構です。
 ただ、空調が壊れると、お客様にも迷惑をかけますので、これだけは直してくだされば、私たちはそれ以上のことは何も望んでおりません。残してくださることだけを望んでおります。

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林参考人 3つくらいご質問いただいております。
 1つは、3つの県内にありますDOCOMOMOの、日本の近代建築100選に選ばれているうち残り2つはすぐにでも文化財指定と、しかしこれは、どこからそういう回答をいただいているのか私は存じ上げておりませんけれども、公会堂だって今すぐ、これは所有者が申請しないとだめなんです。ですから長崎市が文化庁に対して、登録有形文化財の登録をお願いしますと出されれば、多分ですけれども、私は審査できませんから、文化審議会において反対する意見はないと思います。ほとんどの方はDOCOMOMO100選のことはご存じですし、同様にして親和銀行、日本二十六聖人記念館も申請されれば通ると思います。
 ただ、残念なことに日本の近代建築、特に戦後建築につきましては、まだ重要文化財に指定されているものは全国に3棟くらいしかございません。これに続いてこれがなり得るかと、公会堂がなり得るかと、これはちょっと難しいです。文化庁は、一応50年以上ということを言っておりますけれども、重要文化財については相当慎重でございます。ですから、現在、今度、先ほど申しました世界遺産になりました上野の近代美術館と、それから広島にありますピースセンター、そして同じく広島にあります平和記念聖堂、この3つが戦後の近代建築で重要文化財に指定されているもんです。ですから、親和銀行が今出したからといって、重要文化財になるかと、ちょっと難しいと私は思っています。
 それから、改修の場合に、外観を主として残しながらということを申し上げているわけですけれども、内部については相当大幅な改修は当然だと考えております。今あるものを全てそのまま残せなんていうことは全く考えておりません。むしろ、使い勝手をできるだけ上げるためには、エレベーターもつけるべきだし、そして今の貧相な床の下の座席のコンクリートむき出しの通路なんちゅうのは、ちょっと現代にありませんから、じゅうたん等々も要ります。内装の傷みもありますから、それを新しくする当然のことだろうと思います。そして、公会堂の価値は使ってのものじゃないかと、確かにおっしゃるとおりです。しかし、公会堂の場合に両方の価値があって、あのいい感じがあるとむしろご理解いただければと思います。
 我々建築屋はどちらかというと外からの見ばえのことを言いますけれども、実際には公会堂は私たち自身も、あの舞台から見る客席の感じが九州でほかにあるかなというくらい立派なホールですよ。それは出演された方はほとんどの方がおっしゃってます。かなり有名な方もおっしゃってます。ですから、決して卑下するものではありません。
 そして、当時の平和復興にかける原爆からの復興にかける、その当時のさまざまな人のエネルギーが詰まった建物であると、これは設計者だけじゃないと思います。その当時、それを施工された方々皆さん懐古しておっしゃる、本当に心骨を注ぎ込んでつくられた建物であります。公会堂のロビーの入り口のところに、長崎市公会堂は最初、築町にあったんですね、そのときの記念の像が残っております。それも含めて戦後、焼け野原になった跡にあの建物をつくろうとされた、その方々の思いが詰まっている建物であって、その思いを新しい建物に継承すると、私は建築的に見て、それがそんなに簡単にできるものではないと。文字では書けますよ、市内にあります何とかの碑、何とかの跡、これはできますけれども、建物で本当にそのことを引き継いでいくというのは、相当すごい建築家を連れてこないとできませんし、50億円程度の予算をつけないととてもできないと考えております。
 以上でございます。

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福澤照充委員 ちょっと議論が重複するかもしれませんが、確認の意味で質問させていただきます。
 この請求書の中で言われていますが、もし公会堂の再使用が永続的にできないときは、新しいものができるまでは再使用というお話がありますが、この再使用のときは、今お話があった24億円投じないと、再使用には向かないということでよろしいでしょうか。まず1点です。

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林参考人 既に公会堂を廃止されてから、不使用状態が1年数カ月あるいは1年半になっておりますから、今きょう開けて使えるかと言えばこれは無理であります。そして、現在の耐震基準は既にして変わっておりますから、継続使用している場合は、既存不適格という形で市のほうが責任逃れできるかもしれませんが、一旦閉じたものを再び市民を迎えるためには耐震補強も必要でしょう。そして、設備は1年半もほったらかしにしますと当然がたがたになっておりますから、新しくリニューアルしないといけないと。最低限再使用するために、市が既に試算されておりますように、13億円から14億円程度あれば再使用は可能です。
 しかし、公会堂に対しては五十数年前の建物ですから、市民の方々からさまざまなご意見をいただいていることも、また事実ですよね。
それにできるだけ答える形で再出発するのがいいんじゃないかということで積み上げた結果が24億円ないし25億円ということでありますから、今25億円を投じますと、現実には40年先までいいホールとして使えることになるということは自信を持って言えると思います。

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福澤照充委員 とりあえずは、もし開けるとしたら13億円から14億円で暫定使用ができるという考え方でよろしいでしょうか。
 それともう1つ、50億円という話が新しいホールをつくったときかかるんじゃないかとおっしゃっていましたが、私も建築の専門家ではないので、根拠といいますか、大体事例があれば教えていただけないでしょうか。

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林参考人 現在の公会堂を普通の程度に使えるようにするのに二十四、五億円です。世の中に建っている建物で同じような再生、再改修、大改修をして再生をした例が、大体新築で予想される金額の6割前後なんです。ですから、50億円というのはその程度の話です。多くは、公会堂と同等規模の同等機能のものを想定しております。想定が変われば、箱物でいい、ただのサーカス小屋でいいと言われるかもしれませんよね。それは公会堂じゃないですよね。そういうことです。

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福澤照充委員 これ確認ですが、そうしますと今出されているこの24億円から逆算して大体50億円になるという考えでよろしいですか。〔「はい」と言う者あり〕ありがとうございます。そうしますと、仮に再使用を始めて、文化ホールがもし建つということになれば、やはり結構な負担が、再使用プラス新築ということでかかる可能性が確かにあるので1つにということもあると思うんですが、一方で、市役所をやはり早く建てないといけないという長崎市としての、特に今回熊本の震災もありましたので、一刻も早くこの古い市庁舎を建て直さなければいけないという事情もあるんですが、その辺については何かご意見とかあられたら教えていただけますか。

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林参考人 その問題は、我々が答えるというのはちょっと変ですよね。ですけれども、ごく個人的に申し上げてよろしければ考えておりますことを申し上げたいと思います。
 私自身は、もともと市役所自身は、現地建て替えでよろしいと考えております。今でもそうです。確かに、状況自体は、市役所を現地建て替えするとすれば、さまざまな引っ越し等々の費用、あるいはその間の期間等々要することは重々承知した上でありますけれども、幸いなことに県庁は2年先には建物としては残ります。
 こんなめったな機会はないわけでして、それをあと2年間、市役所建て替えのためにお借りするということはある意味で幸せなことだと考えておりますから、引っ越しが2回もかかるのかという不便さ、お金がかかるということもありますけれども、そのことはいいほうに解釈されればいいんじゃないかと考えております。

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福澤照充委員 私としては、市役所のやはり迅速な建て替えとこの文化の面で今、実際ホールがないというところで新しいホールが必要かというところのバランスを考えたときには、やはり公会堂については現地というよりかは新しいホールができますので、そちらのほうに機能を1つに集約して新たな市役所を、今公会堂の跡地に建てるというのがやはり、今この災害の拠点をいち早く整備するという意味では必要かと思っております。
 以上です。

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林 広文委員 午前中に市長から、今回意見書の表明がありましたけれども、その中でもあったんですが、今回の条例案にはいわゆる投票率、それと得票率の設定というのがありませんけれども、これについて何か、なぜ入れていらっしゃらないのか、この辺のお考え、仮のお話ですけれども、例えばこの委員会もしくは議会の中の修正で、そういう投票率、得票率、投票率によっては開示しないとか、そういう修正があった場合には、これを受け入れるような考えがあるのかどうか、まずこの点をお尋ねします。

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林参考人 まさに、我々素人のところでございまして、そういうところも含めて提案しなくちゃいけなかったかなあと反省しております。そのことにつきまして、どのように市議会において修正等々されても、我々に異存はございません。

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林 広文委員 あと、もう1点なんですけれども、きょうの市長の意見書の中では、いわゆる、この文化芸術活動、芸術鑑賞に必要な機能をもう既に備えてないし、改修によっても根本的な改善にはつながらないのではないかという形の表明がありました。
 また、市民の中には公会堂の使命は一定終えていると、そして特に舞台の専門家の方、舞台を扱う専門家の方からも今の公会堂は、機能的に非常に使い勝手が悪くて、一定整理するべきだという意見も出てます。これは新聞報道にも、新聞の市民の声の欄にもありましたけれども、これについての反論があればお聞かせください。

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加藤参考人 実際に、文化活動として公会堂を何十年と本当に公会堂ができたときから使い続けていらっしゃる団体の皆さん方、本当に皆さん公会堂をそのまま使わせてくださいとただただ願っておられます。今おっしゃったようなご意見は、実際に公会堂に立たれていろんな文化活動をしていらっしゃる方のお言葉とは、とても思えません。
 私たちは、ブリックホールも使わせていただきました。市民会館も使わせていただきました。何と大変で使い勝手が悪かったことか、公会堂を使わせてほしいほしいほしいと、みんなただひたすらそれだけ願っております。それぐらい、公会堂は市民に愛されて、使いやすい会館なんです。それを、やはり余りご存じでない方のご意見を重要に考えられるのはどうかと思います。私たち文化人の意見が一番素直なんじゃないでしょうか。

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林参考人 つけ足しになりますけれども、公会堂自身の評価というところに、使い勝手、あるいは機能性に対する評価、これはもう一度、客観的にやはりしてはいいんじゃないかと私自身も考えております。決して悪くないと私は直感しております。まず、舞台として一番大事な形態、これはあの舞台に立ってなさった方が全て客席とあんなに近い関係、ブリックホールでは絶対に味わえない関係をおっしゃいました。
 そして、音響についてよく悪い悪いとおっしゃいますけれども、決してそんなに悪くないですよ。それは東京サントリーホールのような音楽専用ホールに比べれば、音楽家から見れば、それほどでないということは確かです。それは、公会堂という多目的ホールですからやむを得ないところでございます。
 それ以外の、さまざまな機能性の不備あるいは欠陥、これについては今回提案させていただきます大規模改修を実施していただけるならば、ほぼ80%の方は満足いただける形に、まっさらな形で提供できることになるということを確信しております。

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林 広文委員 よくわかりました。公会堂としても、当然市の公共施設でありますので特定の団体の方のみが使う施設ではありません。
 もちろん、公会堂を1回も使っていない全ての長崎の市民の方のホールという視点を、私はこれは忘れてはいけないと思いますので、最後に私の意見とします。

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平野 剛委員 いろいろ各種、建築物の価値について議論なされたところであるんですが、私は美術的センスを持ち合わせてない人間かと自分で思っておりまして、外側の話をなんぼされても、公会堂はオブジェじゃないんだから、中身の機能としての価値がどれほどあるのかというところを重視したいなと思っている一人です。
 そういった点において、加藤参考人がお越しなんで、1つ加藤参考人にお聞きしたいと思います。先ほど空調設備だけ直してもらえれば、そのまま我慢して使うんだとか、ブリックホールだとか市民会館は使い勝手が悪いから、そのまま公会堂でいいんだということをおっしゃってらっしゃいました。それは、今現在の状況が非常に不便な状況になっていると、練習、リハーサル等がとれないとか、年に二、三回公演をしておったものが、一、二回に減っておるだとか、非常になんかこう、ふびんな思いをされていらっしゃるかと思います。
 なので、せっかくお越しなので、廃止になられて1年数カ月たってます。どのような状況であるのかというのを1点お聞かせいただくのと、もう1点、私たちは、もし仮に新しく解体してつくるんであれば、ブリックホール、市民会館よりも公会堂のほうがいいんだとおっしゃられている公会堂以上のものを今後の世代のためにつくろうという思いがあります。なので、最低、今の公会堂よりいいものをつくろうと思っています。機能の面で今の公会堂をちょこちょこ改修して、将来50年、100年残すよりも、それはやはり、そういったふうなものの中、きっちりしたホールをつくっていただけるんだったら、それはそれでありがたいんだと、でも、それができる期間の間、不便しているので、その間はせめて使わせてくれという思いで署名活動されておるのか。いやいや、そんなものは要らないんだと、公会堂を改修してくれれば新しいそんなホールなんかいらないんだという、それはどちらのお考えなのかというのをあわせてお聞かせいただければと思います。

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加藤参考人 ちょっとブリックホールと市民会館の使い勝手が悪いのは後ほどご説明させていただきますが、公会堂に匹敵するような会館をつくってあげようかとおっしゃっておりますが、県が複合施設の中にホールをつくってあげるよという意見で、じゃ、県がつくってくれるからそれでいいじゃないかと皆さんがお答えになっている。それだったら公会堂よりもすばらしい会館ができるという希望は、私たちの中には一度も生まれたことがございません。
 今まで一度も、ここに、こういうふうなホールができますとか、こういうふうな計画がありますとかいうお話を聞いたことがございませんし、県がつくるって言ってるんだからそれでいいじゃないかというお話ばかりが私たちの耳には入ってきております。そこに公会堂を超えるような会館ができるなんて、そんなお話があるわけないじゃないですか。そういうことを私たちははなから信じておりません。
 そして、ブリックホールをつくられたときにも、長崎にすばらしいホールをつくりましたとおっしゃってました。ですけど、こんなに使い勝手が悪い会館はないんです。私たち主催者が荷物を運び込むにも車を置くところがございません。荷物を全部道路に置いて車を一旦よそに置きに行って、それからまた荷物を運び込んで、終わりもそうです、時間が限られている中で、全部楽屋からものすごい荷物を運び出すわけですが、それを通路に全部置いてわざわざ車をよそに取りに行って乗せてくる、こんなばかな話ありますか。出演者が何百人いたとしても、みんながそれをやらなければいけないわけです。大混乱です。とんでもないです。そして、おかしなことをおっしゃるのは、夜の7時に使用料を払いに来てくださいとおっしゃる。夜の7時は公演の真っ最中です。みんな舞台に出て踊っております。その中でどうやってそこの4階までお金を払いに行くんですか。そういうふうなおかしなことばっかりあります。そして、複合施設になっておりますので、いろんな方が会館の中をうろうろされます。楽屋もどうしても足りないですから、上のお部屋を借りたりしますと、そこに部外者の方が入らないようにということでいろんなところに警備の方に立っていただかないといけない、それにも大変な費用がかかります。もう、いろんなところにすっごく神経使ってへとへとになるんですね。
 市民会館に至っては、会館ではございませんから、舞台装置が使えないという最低です。それと、舞台装置を搬入するというあの細い通路を裏方の方たちは大変苦労をして、トラックをバックして、最低の荷物を入れてくださって、それこそ大変。しかも、駐車場も閉まりますと、舞台の催しが終わって何分後には閉まりますと、もうそれこそ衣装を着がえる暇もなく、荷物を車に積み込んで、車をとにかくまずは外に出さなきゃと、そんな話がありますか。
 そういうことで何の活動ができるんでしょうと。そういう会館しか、長崎に今残ってないわけです。でも、それも、その2つしかないので、みんな必死で1年以上先から一生懸命申し込んでとろうとしております。それでもなかなか思うようにはとれませんので、今までやってらした先生たちも季節を変えたり、もうここしかとれなかったから、もうしょうがないよと泣きながら頑張っておられる方、いっぱいいらっしゃいます。
 本当に本当に大変な思いをしておりますので、公会堂このまま使わせてくださいというのは私たちの本当に正直な気持ちなんです。よろしいでしょうか。

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中村参考人 DOCOMOMOの話が随分出ておりましたが、私DOCOMOMOJapanの会員でございまして、DOCOMOMOに対する理解というものの中に、登録有形文化財よりも、DOCOMOMOというのは大して差がないように聞こえてくるんですけれども、DOCOMOMOで国内で選ばれたやつは、百五、六十しかないんです。登録有形文化財とは、桁が2つほど違います。それぐらいDOCOMOMOの価値があるということと、それとDOCOMOMOは、市長がこれを解体すると発表した1カ月後に、DOCOMOMOの代表がこれを残してくれという要望書を出しているということを皆様のお手元にちゃんと届いているのかどうか、そこの中にはぜひDOCOMOMOの委員長として、公会堂はすぐれた建物であるから、これはぜひ残してほしいということの要望書が、市長が解体をするという直後に長崎市のほうに届いておるということをご記憶いただければと思います。

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堤 勝彦委員長 ほかにありませんか。
 それでは、以上をもって参考人に対する質疑を終わります。
 参考人の方におかれましては、大変お疲れさまでした。
 参考人退席のため、暫時休憩いたします。
          =休憩 午後2時43分=
          =再開 午後2時59分=

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堤 勝彦委員長 委員会を再開します。
 それでは、理事者の説明を求めます。

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外園文化観光部長 第123号議案「長崎市公会堂の解体中止と再使用に関する住民投票条例について」ご説明いたします。
 議案書の1ページをごらんいただきたいと思います。
 本条例は、地方自治法第74条第1項の規定によりまして、長崎市公会堂の解体中止と再使用に関する住民投票条例制定の請求が行われ、同条第3項の規定によりまして、市長の意見を付して付議するものでございます。
 なお、議案書の2ページから6ページは本条例を、7ページから18ページには市長が本日本会議において申し述べました意見書を掲載しております。また、参考といたしまして、19ページから21ページには請求代表者から提出されました長崎市条例制定請求書を掲載しておりますので、ご参照いただければと思います。
 それでは、文化観光部、企画財政部及び総務部提出の委員会資料に基づきましてご説明をさせていただきます。
 委員会資料の1ページをお開きいただきたいと思います。
 1.住民投票条例制定の直接請求についてのうち、(1)請求代表者につきましては、記載のとおりでございます。
 次に、(2)請求の要旨でございますが、ア.請求内容につきましては、旧公会堂の解体中止と再使用することへの賛否を問う住民投票を実施するための条例の制定を求めるものでございます。
 イ.請求理由でございますが、(ア)旧公会堂の代替施設については、県庁舎跡地に整備すべく県と協議中であるが、この計画はまだ正式な合意に至っておらず、仮に計画が順調に進んだとしても新施設の完成までには10年前後の時間を要すること、(イ)既に従来から旧公会堂を利用してきた市民の多様な文化活動や芸術鑑賞機会に著しい支障、停滞が生じているのは明白な事実であることなどが述べられ、(ウ)に記載のとおり、せめて新しい代替施設が実現するまで旧公会堂の解体を中止し、再使用を可能とする方策を講じることは、市行政をあずかる当局にとって当然の責務と考えるとされております。
 なお、下欄には、参考といたまして、これまでの主な経過を掲載しておりますのでご参照いただきたいと思います。
 続きまして、資料の2ページをお開きください。
 2.請求に対する考えについてですが、上段に記載のとおり、本条例の制定につきましては反対とさせていただきます。
 その理由でございますが、大きく3点ございます。
 まず1点目の理由は、ア.旧公会堂は、大規模改修を施しても文化施設として必要な機能を確保できないことから廃止した施設であることでございます。旧公会堂につきましては、耐震診断の結果、大規模な地震に対する耐震性能が不足している、施設や設備機器の老朽化が著しく、安定的な運営が難しい、文化施設としての構造的な問題点を多数抱えているという状況にありました。
 仮に、外観を残したまま耐震補強を含む大規模改修を行っても、敷地の制約や建物の構造上の問題から課題を解決することができないため、廃止しております。なお、全面改修による課題の改善可能性を検証した結果につきましては、資料の9ページに記載をいたしておりますので、ご参照いただければと思います。
 また戻りまして、2点目の理由といたしましては、イ.市議会や市民の意見を踏まえ、旧公会堂を解体し、新たな文化施設を整備する方針を決定したことでございます。これまでの経過といたしましては、公会堂等文化施設あり方検討委員会などの懇話会や市議会の特別委員会及び市民アンケートでのご意見などを踏まえまして、市としての方針を決定し、旧公会堂の廃止及び解体工事を含む関連予算につきましては、市議会におきまして丁寧にご審議をいただき、可決されております。
 また、旧公会堂廃止についての市議会での審査の過程では、請求代表者が代表を務める団体から2度にわたる陳情があり、その際には、本条例制定請求と同趣旨の意見が述べられ、質疑が行われています。
 さらに、請求代表者が代表を務める団体からは、平成27年2月市議会におきましても、同年3月末の旧公会堂の廃止を撤回することと、旧公会堂の継続使用及び解体停止を求める陳情があり審査が行われました。
 これらの経緯につきましては、資料の7ページに記載をいたしておりますので、ご参照いただきたいと思います。
 最後に、3点目の理由といたしましては、ウ.公共ホールのあり方として、旧公会堂の存続と、新たな文化施設の建設の両立はあり得ないことでございます。つまり、旧公会堂を永続的に長期にわたり使用しながら、並行して新たな文化施設の建設を行うということはあり得ません。旧公会堂を再使用するには、市庁舎建設、建て替えなどのさまざまなまちづくりの取り組みに支障をもたらします。
 さらに、県庁舎跡地活用に関する計画につきましては、県が示した質の高い文化芸術ホールを含めた整備方針の取りまとめについて、県市で協議を行っておりますが、この計画にも影響を及ぼします。
 以上のように、旧公会堂につきましては、大規模改修を施しても、文化施設として必要な機能を確保できない状況にあること、市議会や市民の皆様のさまざまなご意見を踏まえ、旧公会堂を解体し、新たな文化施設を整備するという市の方針を決定し、関連する条例や予算につきましても、市議会において可決されていること、さらに、旧公会堂を存続することは、今後のまちづくりに大きな影響を及ぼすことを考慮いたしますと、旧公会堂の解体中止と再使用を行うべきではないと考えております。
 次に、請求の要旨及び本条例に対する考えにつきましては、引き続き、濱口文化振興課長からご説明をさせていただきます。

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濱口文化振興課長 資料の3ページをお開きください。
 (2)請求の要旨に対する考えについてご説明をいたします。なお、表の左側には請求者の請求の概要を、右側にはこれに対する長崎市の考えをそれぞれ掲載いたしております。
 まず、アの請求本文についてでございますが、請求には、「新施設の完成までには10年前後の時間を要すると思われる」との記載がございます。これにつきましては、県庁舎跡地活用について県は平成32年度の工事着手が目標との考えを示しており、現在、整備方針の策定に向けて県市の協議を進めているところです。
 次に、「市民の多様な文化活動や芸術鑑賞機会に著しい支障、停滞が生じている」との記載につきましては、文化団体や市民の皆様にはご不便をお掛けしていますが、ブリックホール大ホールの市民優先日の設定や減免制度の拡充等の方策を実施しているところでございます。
 続いて、「新しい代替施設が実現するまで、公会堂の解体を中止し、再使用を可能とすることは当然の責務である」との記載につきましては、文化施設の運営においては、芸術文化活動や芸術鑑賞に必要な快適な環境を提供し、安全安心かつ安定的な運営を行うという市としての責務があります。
 しかしながら、旧公会堂では、その実現が困難なため廃止し、新たな文化施設を整備するという方針を決定しております。また、仮に、新たな文化施設が整備されるまで旧公会堂を一時的に使用する場合には、閉館理由となった事由を一定解消するための最低限の改修が必要であり、改修後に再使用できる期間は県との協議にもよりますが3年程度と見込んでいます。さらに、旧公会堂の再使用を求める期間について、一時的なのか、永続的に長期にわたるものなのかが明確に示されておりません。
 資料の4ページをお開きください。
 次に、イの請求の要旨の(1)についてでございますが、請求では、「公会堂を再使用するためには、最低限その設備更新は必要で、あわせて耐震補強と現状の不備を補う大規模改修が望ましい」との記載がございます。
 これにつきましては、旧公会堂の外観を残したままの改修では、敷地の制約や建物の構造上の問題があり、文化施設としての課題を解消することはできません。
 続いて、「このためには25億円程度を要するが、新施設の整備より安価となることは確実である」との記載につきましては、この請求書上では、改修費の25億円の根拠が示されておらず、旧公会堂の課題が全て解消できるかどうかも不明であることから、論拠に乏しいと考えております。
 次に、ウの請求の要旨(2)については、「長崎市公会堂を解体することは、元来、その敷地に市役所を新築するためであった」との記載がございます。
 これにつきましては、公会堂等の文化施設のあり方及び市庁舎の建て替えの検討につきましては、それぞれに並行して審議を行っており、平成23年度に設置した2つの懇話会からそれぞれの意見、さらには議会でのご議論を踏まえ、長崎市の将来のまちづくりの考え方や限られた財源などを考慮して方針を決定していることから、請求代表者の主張は事実と相違があります。
 また、「この検討過程では、公会堂が有する歴史・文化遺産的、建築的、都市景観的価値について、情報不足もあって十分に認識されていたとはいえない」との記載につきまして、長崎市としましては、旧公会堂に関するさまざまな価値について認識はしていますが、最も重要なのは文化施設としての機能であると考えており、旧公会堂は必要な機能を満たしておりません。また、請求代表者が訴える価値につきましては、懇話会や議会審査においても、十分に認識された上で議論がなされたと考えております。
 なお、先ほど文化観光部長がご説明しましたとおり、請求代表者が代表を務める団体からは、計3度にわたる同様の趣旨の議会陳情が行われているところであります。
 さらに、旧公会堂建設の礎となった長崎国際文化センター構想の精神は、個性輝く世界都市、希望あふれる人間都市という長崎市第四次総合計画で目指す将来の都市像に引き継がれており、新たな文化施設にもその精神は継承してまいります。
 次に、資料の5ページをごらんください。
 エの請求の要旨の(3)についてでございます。
 「市庁舎については、現在地建替えか、県庁舎跡地に再挑戦するのも一法である」との記載がございます。
 これにつきましては、市庁舎の建て替え場所は、将来に向けたまちづくりの考え方を基本に、多面的な評価、検討を行い、市議会や市民の皆様の意見を踏まえて決定した経過がございます。また、現在地建て替えとする場合は、完成まで期間を要するとともに、事業費も増大します。
 一方、県庁舎跡地活用については、県が設置した懇話会において、行政機能を置くべきではないとする提言が取りまとめられており、懇話会と県議会での議論を経て、県から3つの基本的な考え方が示され、この方針をもとに県市で現在検討を進めているところでございます。
 次に、「計画時点での必要面積の算定や整備スケジュールも、最近の時代情勢の推移に鑑みて早急に見直すべき時期に至っている」との記載がございます。これにつきましては、新市庁舎の面積は機能ごとに必要となる面積を積算しており、他自治体の庁舎建設事例に照らしても妥当であると考えております。また、防災拠点となる市庁舎の建て替えについては早急に取り組む必要がございます。
 次に、資料の6ページをお開きください。
 (3)本条例に対する考えについてご説明いたします。
 なお、表の左側にはその条例の条項の内容を、右側にはその規定に対する長崎市の考えを、それぞれ記載しております。
 まず、ア.第1条目的及び第2条住民投票でございますが、本条例の目的としまして、第1条に公会堂の解体中止と再使用について、住民の意思を確認するとの規定が設けられております。また、第2条には、その意思を確認するための選択肢が規定されており、公会堂の解体中止と再使用することに賛成か反対かを選択するという内容になっております。
 しかしながら、請求代表者の主張において、市民の文化活動等に著しい支障が生じているとの理由から、せめて新しい代替施設が実現するまでと旧公会堂の一時的な使用を求める一方で、再使用に当たっては、耐震補強と大規模改修が望ましいと主張し全面改修を提案したり、市庁舎の建て替え場所についても言及し、あわせて公会堂が有する歴史・文化遺産的価値などについて明らかになってきたことも理由として、旧公会堂の永続的に長期にわたる使用を想定するような記述をするなど、再使用に至る理由にも違いがあり、旧公会堂を再使用する期間の考え方について、新たな文化施設が完成するまでの一時的な使用なのか、永続的な長期にわたる使用なのかが明確に示されておりません。したがいまして、この選択肢では住民の正確な意思は反映されないものと考えております。
 次に、イ.第15条投票結果の取り扱いにつきましてでございます。市長及び市議会は、住民投票の結果を尊重するとの規定が設けられておりますが、この住民投票が旧公会堂の解体中止と、再使用についての住民の意思を確認するということであることから、これはやはり一定の投票率と得票率を満たさなければ、正確な住民の意思が反映されたとは言えないと考えております。このことから、投票率と得票率の規定を設ける必要があると考えております。
 続きまして、(4)総括でございますが、これまでご説明しましたように、旧公会堂は外観を残したままの大規模改修では、文化施設としての課題を解消することができません。また、旧公会堂の廃止及び解体は、市民のご意見や市議会でのご論議を踏まえ決定した経過があり、既に旧公会堂は廃止され、解体予算も可決されております。さらに、公共ホールのあり方としまして、旧公会堂の存続と新たな文化施設の両立ということはあり得ません。このような経過及び状況を踏まえて総合的に判断しますと、旧公会堂の解体中止と再使用は認められないことから、本条例制定は行うべきではないと考えております。
 なお、参考資料としまして、7ページから10ページには、旧公会堂に係るこれまでの経緯及び改修等の施設整備に関する資料を、11ページには、新市庁舎建設に係るこれまでの経緯を、12ページには、県庁舎跡地活用に係るこれまでの経緯をそれぞれ掲載しております。
 このうち、長崎市が想定する旧公会堂の改修等に係る整備費比較について、ご説明をいたします。
 資料10ページをごらんください。
 上段の表は、平成26年6月市議会定例会環境経済委員会提出資料より抜粋したものでございます。表の左から、最低限の改修、全面改修、建て替えの整備費を記載しております。まず、最低限の改修につきましては、13億1,600万円となっております。次に、全面改修につきましては、30億8,000万円となっております。次に、建て替えについてですが、他都市類似事例における文化ホールの建設単価と1,000席程度の公共ホール4施設の平均の延べ面積をもとに算出しており、30億円となっております。
 次に表の下段につきましては、平成26年6月に資料を提出した時点から、資材・労務単価が上昇したことから、現時点での整備費の見込み額をお示ししております。なお、これにつきましては、今後の熊本地震の影響による上昇分も見込んでおります。最低限の改修、全面改修の増額につきましては、平成26年時点で、内容を再精査しておりましたので、平成26年からの資材・労務単価の上昇率と熊本地震による影響を考慮した上昇率を見込んだ金額としております。
 建て替えにつきましては、平成26年6月にお示しした金額が、平成23年に調査した資料をもとに算出したものとなっておりましたが、資材・労務単価が急激に増加したことから、直近の公共ホールの平方メートルの単価を調査したところ、約21%上昇しておりましたので、その上昇分と熊本地震による影響を見込んで38億2,000万円としております。
 私からの説明は以上でございます。
 よろしくご審議くださいますようお願い申し上げます。

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堤 勝彦委員長 これより質疑に入ります。

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板坂博之委員 また、あなたたちは上手に反対意見ばっかり、行政はさすがですな。
 例えば、3ページの新施設の完成までには10年前後の時間を要すると思われますということで、県は平成32年度の工事着工を目標とする、その考え方を示しており、現在整備方針の作成に向けて県市の協議を進めている、これは何ですか。こんな状態になったのは行政が一番悪い。あなたたちが悪いからですよ。考えてみんですか。廃止条例を決めてから、もう2年3カ月たってる、そうでしょう。公会堂を廃止してから1年6カ月たっとる。それでそのままでしょう。1年半も幾らもね、あそこにあのままあるんであれば使わせていいじゃないですか。あなたたちは、さもすぐ解体するような話だったからこれはやむを得んのかなということで、そのとき私は当然環境経済委員会におりませんでしたから、よくわかりませんが、恐らく当時の委員さんは、そういうことで私はやっとると思いますよ。平成32年度の工事着手を目標とするって、これはざっとした話じゃない。あなたたちはどういう交渉ごとをやっとるんですか。おかしな話ね。
 まず、あなたたちがこの廃止条例を決めるときに言うたのは、平成27年の3月までには結論が出ますと、これ平成26年やったでしょう。平成27年の3月までには結論が出ますとこう言うたんですよ。その次には、9月までには何とか結論出してもらいますと。ずっと議会をだましてきとるじゃないですか。だから、さっきの私、参考人の女性の方の意見聞いて、いやもっともだなと思いましたよ。1年半そのままほっておくとやけん。使わせて何もおかしいことないじゃないですか。反対意見ばっかり上手に上手に書いとる。そりゃそうでしょう、長崎市のエリートですから、あなたたちは。まあ、こんな上手によう書ききれるなと思うぐらい書いとる。議会をずっとだましてきて、本当に話ならん。
 それともう1つ、県との話がどういうふうになっとるのか、そして今から長崎市としてはどういう方針でやっていくのか、これはさっき参考人の方が、県がつくってくれるという話やったけど、県がつくるんじゃないんでしょう。長崎市は、当然応分の負担をしながら一緒にやるわけでしょ。土地は県の土地ですけど。そうでしょう。
 だから、市民の方が、参考人の方がああ言うということは、市民の方は、ああ県がつくってくれるまで待つんやなとしか思うとらん。私はそう思いますよ。だから、今の交渉過程と、そして今後どういうふうにするのか、時間を期限を切って話をするべきじゃないですか。あなたたちは交渉じゃない。話を聞きに行きよるだけ、雑談しに行きよっとやろ、雑談しに。
 それともう1つ、この4ページの25億円程度を要する整備費、これと長崎市の試算では、たしか10億円くらい違うはずですよ。これ、まちづくり部が来とっとやろ。この違いをちょっと説明してください。何でこんな違うのか。役所が積算したらこんな高くなるんですか。

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山北まちづくり部次長 まず、最後の質問に答えさせていただきたいと思います。
 資料10ページをおあけいただいてよろしいでしょうか。
 まず、上の表でご説明をいたします。金額の詳細というか分け方を書いておりますので、これでご説明さしあげます。耐震補強費、私どもが見ているのは6億5,500万円、この中に一部天井の補修などがございます。それから、仕上げの改修費の11億円の中なんですが、今、多分こちら24億円のほうには入っていないと思いますが、つりもの機構、要は舞台機構ですね、つりものであったり、音響調整板であったりとか、そういう、いろんなものをつるす部分、現場を見ていただいたと思うんですが、なかなか重いものがつれないという状況でして、つりものとも手作業でやっているような状態なんですが、それを改善するために約4億6,000万円くらい、つりもの機構と大せり、そういう機構の改修のために4億6,000万円くらい必要じゃないかと考えております。それがちょっと違うところかなとまず思っております。
 それから、電気設備改修費なんですが、これについては6億6,900万円の中に、舞台照明とか、舞台音響、今音響機器も悪うございます。応急的な処置であれば5,000万円程度で終わると考えておりますが、今回、大規模な改善の中では取りかえるべきと考えておりますので、舞台の音響、あわせて舞台の照明等の機器に要する費用が約4億円と考えております。
 その他、設計委託費が1億2,400万円計上しておりますが、1億円程度はかかると考えておりますので、それを積み上げると約10億円くらいの差ではないかと考えております。ほかの中身については、仕上げがあったり、電気工事、管工事があったりとかいう部分では、ほぼ変わらないものと考えております。
 以上でございます。

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野瀬企画財政部長 板坂委員のほうからご指摘のとおり、平成26年6月に旧公会堂の廃止条例を可決していただいて約2年、それから公会堂が昨年3月に閉館してから1年半が既に経過をいたしております。先ほど請求代表者の方の意見陳述を聞きながら、私どもとして、この貴重な時間を費やしながら市として、新たな文化施設としての整備場所の建設計画ができていないことについて、非常に私どもとして、担当として申しわけなく思っております。
 この県庁跡地の活用につきましては、平成26年の4月に、県の県庁舎跡地活用検討懇話会から知事に提言が出され、広場、あるいは情報発信機能、ホール機能とこういったものを主要機能候補としての考え方が知事に提言をなされました。このことを受けて、長崎市といたしましては、平成26年の7月に長崎市から、跡地活用に関する機能の提案として1,000席から1,200席程度で音楽や演劇に高いレベルで対応できるホールというものを一緒に連携してつくっていきたいと申し入れをしたところでございます。当然に、こういった申し入れをする中では、県につくってくださいということではなくて、市が応分の負担をして、ともにホール、こういった機能を持つ新たな文化施設を、県庁跡地の中でぜひ建設をしていきたいということで県市一体となって取り組んでいくということを、今協議をしているところでございます。
 しかし、県庁跡地につきましては、本年の2月の議会の中で、県としての基本的な考え方、また、あわせてスケジュールが示されております。このスケジュールにおいては、本年中に建設に係る基本的な方針を策定をし、平成29年度に基本構想、平成30年度に基本設計、平成31年度に実施設計、それから平成32年度には建設に着手をするというスケジュールがあわせて示されております。
 私どもとしては、この方針をもとに活用の方向性の骨格となる整備方針の今年度中の策定に向けて、県市で協議を進めておるところでございますので、今後とも精力的に取り組んでいくことにしたいと考えております。
 以上でございます。

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板坂博之委員 あなたたちは、そんな言うてずっと議会をだましてきとる。私はそうしか思えんとさ。期限を切らんですか、期限を。
 そして、例えば、来年の3月までに結論が出んようであれば、最初はここの庁舎、庁舎が念頭やったでしょうが。市庁舎の跡が。そうでしょう。そこにやりますよと、そのくらい言うて交渉をせんと。
 今のままでは、これはまたずるずるずるずるいくだけですよ。そう思いませんか。今、交渉中ですから言えませんよとか、それはちょっと答弁できませんとか、そんな言葉ばっかりしかないじゃない。頼みごとだけはようしてくるけど。本当ですよ。ずっとだまされとる。
 住民投票も年に2回も出よる。いや、おかしい。そして、何でもこれもだめです、あれもだめです。ちょっと、上と、副市長とか市長と話をして、ちゃんとした方針を出して、きょう呼ぶかあした呼ぶか、私は副市長から話を聞きたい。どういうふうにするのか。担当は誰、三藤副市長、ちょっと委員長、後から結構ですから、最後にちょっと決意のほどお聞きしたいと思います。よろしくお取り計らいお願いします。
 ちょっと待ってください、まだ言います。24億円という参考人からの数字が出ました。長崎市は約34億円ですよね。本当にこれだけ、やはりかかるんですか。余りにもちょっと10億円と言うたら差が大き過ぎるけど。

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山北まちづくり部次長 先ほどご説明したんですが、当然公会堂の改修ですので、演劇、要は舞台の機構というのは重要だと思ってます。その中で、つりもの機構とか、そういう部分の、要は舞台にかかわる部分で、先ほど言ったように4億6,000万円くらいかかります。
 それともう1つは、音響と照明も当然悪いと言われてるというか、当然変えてきてないので、今回全面改修する場合にはかえるべきだと思っておりますが、それを加えた金額が約4億円くらいやはりかかりますので、これはブリックホール等の実績を踏まえて積算をしております。
 このような金額がかかりますので、やはり、今のところ私どもとしては、物価上昇分の震災分を見ている部分がございますが、妥当な金額ではないかと考えております。
 以上でございます。

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板坂博之委員 ブリックホールとか、市民会館とか、さっきからむちゃくちゃ言われよったんですよ。あんな最低の施設はないですよと。それを参考にしたらだめさ。最低の施設を参考にしたら。
 ちょっと、住民投票の件とは、ずっと話がずれておりますけど、私はやはり行政がもう少ししっかりせんと住民投票をするかせんかは、恐らく後から皆さん方でまた会派に帰って相談をしながらせんといかんでしょうけど、一番考えとっていただかないといけないのは、この原因をつくったのは行政ですよ。全然わかってないもん、あなたたちは。
 1年半黙ってほっておくんであれば、空調さえやってくれたらそのまま使わせてもらっていいですよと言いよったんやけん、何でそんくらいしてやらんとですか。黙ってほっとくならですよ。黙ってほっといたでしょうが、今。おかしい、あなたたちは。こういう委員会に来て、黙って頭下げとけばそれで終わり、後は知らんふり。それが、今までずっと続いてきとるじゃないですか。弁解ばかし。前向きな答弁というのは1回もない。これもだめです、あれもだめですて。それはないでしょう。
 ほかの人もいろいろ意見があるでしょうから、私はこれ以上言いよったらまだ言い出すけん、もうやめますけどね。とにかくお願いしますよ、ちゃんとしてくださいよ、決まったことは。

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堤 勝彦委員長 先ほど板坂委員より、三藤副市長の出席説明の要求についてご意見がありました。このことにつきまして、今皆さんからご意見をいただきたいと思いますが。

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五輪清隆委員 平成26年度は、私も環境経済委員会、今の議長も環境経済委員会でありました。その中で、6月のこの条例を決めるときに、三藤副市長に来ていただいて、三藤副市長はこういうことで早急に取り組みますということで言ったんですよ。
 その後についても、やはり本会議での質問でも、市長はしかるべき時期とか、そこの言葉ばっかりじゃなかったですか。今回、住民投票が出たのは、まさに板坂委員が言われたように、この2年3カ月何もしなかったからやはりこういう問題が起きてるんですよ。
 今回、こういう機会ですから、先ほどありましたように、いつまでに確実に決めますとか、そこを明言できるように再度、三藤副市長に来ていただくなり、市長でも結構ですけど、そこをしっかり明言をしていただきたいと思っています。三藤副市長の出席をお願いします。

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堤 勝彦委員長 ただいま、五輪委員よりも同趣旨のお話がありました。担当の三藤副市長に来ていただいたらどうかと、委員長としては思いますが、委員会として、三藤副市長の出席を求めるのでご異議はありませんでしょうか。
    〔「異議なし」と言う者あり〕

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堤 勝彦委員長 ご異議がないようですので、そのように決定いたします。なお、本市議会におきましては、委員会に三藤副市長の出席説明を要求する場合には、委員長からその旨議長に報告し、議長の了承を得て要求することを例としておりますので、ただいまから議長に報告したいと思いますので、暫時休憩いたします。
          =休憩 午後3時37分=
          =再開 午後3時58分=

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堤 勝彦委員長 それでは委員会を再開いたします。ただいま、正副委員長におきまして、正副議長に報告、相談に行ってまいりました。その中で、副市長の出席要請につきましては、時間をとっていただくことになりました。
 しかし、今のところ、板坂委員だけの質疑がありましたので、少し皆さんのお話も聞いてみたらどうかということもありましたので、そのまま質疑を続けていきたいと思います。副市長の出席要請ですが、きょうもあけておりますが、また時間的にもありますので、後ほどまたお諮りしたいと思います。

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板坂博之委員 総務部長、住民投票をやるとして、まだ結論出てませんけど、仮定の話で申しわけないけど、やるとして費用は幾らかかるんですか。

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橋田総務部長 仮に、今回の住民投票、請求があったら住民投票をやるという場合に、一番参考になる経費としては、一つの選挙、投票ということになりますので、県議会議員選挙あたりが参考になるかと思いますが、その経費をもとに試算をしますと、例えばポスター掲示場が不要であったりとかいうことがあります。それから、今回の条例案では、1週間前までに告示という内容になっておりますので、その後、期日前投票等を行うということになりますと、それらの経費を差し引きますと、およそ1億円程度の経費がかかるのではないかと見込んでいるところであります。
 以上です。

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板坂博之委員 確かに、住民投票は市民の権利ですよね。それは十分わかるんですが、こんな年に2回も住民投票条例案が出るような状態になっとるわけですよ。権利は権利で結構ですが、義務はないんですか。例えば裁判所なんて、裁判に負けたほうが費用は全部持ちなさいとか、そういう話があるじゃないですか。そういうことはできんのですか。

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橋田総務部長 委員ご指摘のとおり、今回の住民投票は、法の規定に基づいて保障された、いわば住民の皆さんの権利ということでございますので、例えば請求者のほうに経費の負担をさせるということは、一定その権利を妨げることにもつながるということが可能性としてありますので、それから法律に負担を求める根拠等がございませんので、これについては基本的にできないと考えております。
 裁判の事例も出されましたけれども、裁判に関してはそれぞれ訴えの中で、その経費の負担を求めるということを裁判所に求めた上で、裁判所が判断をするということでございますので、若干、今回の住民投票とは違うものではないかと考えております。
 以上でございます。

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板坂博之委員 当然そうおっしゃるやろうと思って聞いたんですが、余りにもそれと今回の場合は論点がないんですよ、論点が。あなたに聞いていいのかどうかわかりませんけど、普通住民投票というのは1つのテーマで、イエスかノーか、マルかバツか、これが私は住民投票と思っとるんですよ。これ、選ぶのが3つあるんですよ。A、B、C。そうでしょう。
 新しい文化ホールができるまで使わせてください。それと、未来永劫といいますか、40年か50年ぐらい使わせてください。それともう1つ、1回決着をしている市役所の市庁舎の問題まで出とる。例えばこのA、B、Cて3つ書いて、3つを住民投票できるんですか、こういうのは。

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橋田総務部長 基本的に住民投票の選択というのは、1つではないかと思っています。その点については、ご指摘のとおり、市長の意見書の中でも、特に使用する時期について、先ほどの参考人の質疑の中でもございましたけれども、新たな文化施設が完成するまでの一時的なものなのか、あるいは永続的なのかというのは、明確ではないということから、住民の意思が正確に反映できないのではないかということを市長からも意見を述べさせていただいています。
 したがいまして、そこは仮に住民投票を実施するとなると、論点といいますか、明確にする必要があるのではないかと考えております。
 以上です。

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板坂博之委員 確かに総務部長、そう言われますけれども、新しい文化ホールができるまで使わせてくれ、40年も50年も使わせてくれ、それと県庁跡地にまた市役所を、それも考えてくれ、これどれか当てはまれば署名してますよ。これは1つじゃないもん。そうなったら、どれで住民投票するのか、わからなんじゃないですか。これは署名をやり直さんといかん。私はそう思いますが。これは論点がないもん。
 これは答えにくかでしょうから、意見だけにしておきます。

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平野 剛委員 私は、請求人が出してきた24億円という改修、これはもう2年ほど前から言っておられたかと思うんですが、その辺の改修するのみでは、今与えられた課題が解決できないと、だから新しく建て替えるんだということを課題の解決ということと、ちゃんとしたホールを残すという理解のもと、廃止し、解体し、新しいものをつくるという流れに賛成しておるところです。
 ところが、先ほど参考人の加藤先生にちょっとご質問したところ、県がつくるものだとか、長崎市がほとんどかかわらず県がつくってもらうような見解を述べておられたり、市がつくるっていっても、ブリックホールの例もあるし、公会堂よりもいいものができるとは思えませんと、信用できませんというようなご意見もありました。はっきり県庁跡地に公会堂という施設を求めているわけですが、これは市がきちんと責任を持って、今の公会堂よりもいい施設をつくろうしているんだというところはどうなのかというのを、はっきり明確に示していただければとまず思います。

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柴原企画財政部政策監 県庁舎跡地の活用につきましては、先ほど部長からも答弁させていただきましたように、ことしの2月に県のほうから3つの方針が示されまして、その中にホールの機能というのもありましたので、長崎市が提案申し上げたものと同じということから、協議を今進めているところでございます。
 中身につきましては、県のほうも質の高いホールということを言っておられますし、長崎市のほうとしてもそういったことを申し入れた経緯がありますので、市民の皆さんにとって使いやすい、それから専門性のある音楽あるいは演劇、そういったものの専門性に適応できるようなホールをつくりたいという意思を持って、今話をしております。
 今整備方針というものを、何とか今年度中に取りまとめたいと思っておりますけれども、役割分担とか費用負担、そういったものについては、これから具体的な協議を進めることとしておりますけれども、いずれにしても県と連携をして何とかことしじゅうに、設計段階にならないと具体的な中身は見えてこないと思っておりますけれども、要望にお答えできるような質の高いものをつくっていきたいと決意を持っているところでございます。
 以上でございます。

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平野 剛委員 その中身は本当にそのような協議をされていますか。
 県と若干、ちょっとニュアンスが違ったりとか、中身の問題を本当に県とそこまで協議ができるのかというところも不明確ですし、ややもすれば私たちが望んでいる、市が望んでいる施設じゃないところも県は考えているかもしれないですし、本当に私たちが望んでいるような施設というのはそこで達成可能なんですか。

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柴原企画財政部政策監 具体的な長崎市が求めるホール、中身、例えば先ほども請求者の方からのお話があっておりましたけれども、客席と舞台との距離感が近いとか、それから舞台の面積の広さ、舞台機構が使えないとか、そういったことがない、今の段階で長崎市が考えるようなスペックをお示ししておりますし、7月末には類似した最近できたホールの視察を県のほうとも行っておりまして、基本的には今一定そういった部分の認識というのは、ある程度の統一というのを図られておると、事務レベルの協議においては、そういった段階だと思っております。
 以上でございます。

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平野 剛委員 時期の明確化というのももちろんなんですけれども、お金だけ出して市民がさまざまな形で要望する施設が、方向がずれるということがないように、もしお金だけ出して市がコントロールできるような施設の要望ができないと言うんであれば、時期の話もそうですし、中身の話もそうですし、いっそのこと市庁舎の跡地に、公会堂を市の責任においてつくったほうがましじゃないですか。市が全てコントロールできるんですから。
 あんまり県との協議で県庁跡地につくったほうが若干時期が早くなるというのと、この土地があくというのはわかりますけれども、もっと大事なことがあるんじゃなかろうかと私は思うところで、それも明確にしていただければと思うんですが、後ほど副市長の出席要請もありますので、それのお答えもあわせてしていただければなということをお願い申し上げておきます。
 次の質問で、先ほど同じ流れの中で、加藤先生のほうから、さまざまな今のブリックホール、市民会館等のお話が出てきました。きょう、行政側から出た資料の3ページ、請求本文中段の真ん中に、公会堂がなくなった上で市民に不便をかけないようにということは、議会もたびたびお願いしておったところです。そこに対して、市民優先日の設定や減免制度の拡充などの方策を実施していると堂々と書かれておりますが、先ほどのお話を聞くと不満だらけじゃないですか。できる努力もしてない部分もあるかと思います。できることもあるかと思います。一体その辺どうなっているんですか。ちゃんと、お声聞きながら、解消していこうという姿勢は持ってらっしゃるんですか。

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外園文化観光部長 公会堂が廃止されました間につきましては、市民の皆様に一定のご不便をかけていることをまずおわびをしたいと思います。その解消のために、先ほどご指摘がありました市民優先日の設定、減免制度の拡充などをしっかりやっているところでございます。
 しかし、先ほどのお話がありました駐車場の時間の問題、納付金等の問題、個別案件についての課題等もそれぞれの団体のご事情等も当然あると思いますので、そういうものをしっかりお聞きし、ケースバイケースでしっかり対応させていただきたいと思います。
 そういった市民団体の皆様の文化振興の停滞がないよう、しっかりご意見を聴取しながら進めさせていただきたいと思います。

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平野 剛委員 さまざま先ほど意見を言われましたので、当然議事録にも残りましたので、メモられたかと思うんで、決して加藤参考人のところだけでもないかと思いますし、ブリックホールの駐車場あたりなんか、議会からもたびたび、あれは使い勝手が悪いという指摘がある中ずっとそのままです。
 こういった住民投票が上がっても、なおかつそれに反対している市は、きちんとこの辺の問題を速やかに解消する責務というのは必ずあるはずですので、先ほど部長一回答弁されましたけれども、お声をさまざまな団体にお聞きしながら、公会堂がない間、ブリックホールなり、市民会館なりできっちりそこら辺は対応できるところは対応していくということをはっきり明言していただいてよろしいですか。

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外園文化観光部長 そのようにしっかり明言させていただきたいと思いますし、私どものほうは、基本的に市民皆様の文化活動、芸術活動をしっかり支えるという基本的なスタンスに立ちまして、しっかり進めさせていただきたいと思います。

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林 広文委員 私から、今回のことについては全市的な市民の理解というのは本当に欠かせないんではないかなと思います。その上でちょっとお尋ねしたいのは、市長の意見表明の中にも、前の話を蒸し返すようで申しわけないんですけれども、平成23年の2月に建て替えを検討したときの市民懇話会とか、市民アンケートをされたと思いますけれども、このときの市民アンケートについての市民の皆様の公会堂に対する意見というのは、どういう意見だったのか、これはもう建て替えてもやむを得ないということだったのか。ほかの県外のいろんな施設の公会堂の建て替えについても大々的に市民アンケートをされた上で決定したという事例もあるようでございます。やはり、市の公共的な施設で、税金で建てて維持していくわけですから、やはり全市的な理解というのは私は必要だと思います。
 たとえ公会堂を1回も使ってない人であっても、これは市立の公会堂である限りはきちんと全市的なやはりコンセンサスを得ていくという部分は必要だと思いますし、その上では、ちょっと前の話で申しわけないですけれども、以前とった市民アンケートのときには市民の皆様どういうご意向だったのか、ちょっと確認をしたいと思います。

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濱口文化振興課長 この市民アンケート、平成23年の8月に実施しております。市役所建て替えなどに関する市民アンケート調査ということで、市庁舎の建て替えの部分とその公会堂の部分について質問項目がございまして、その中で公会堂は補強をし継続して使用することは困難なため、全体的な文化施設のあり方を考えていく中で、その機能の確保について引き続き検討を進めていくという市の方針についてどのように思いますか、という問いについては全体の有効回答数が525票のうち、賛成が279票、どちらかというと賛成が101票、どちらかというと賛成できないが28票、賛成できないが35票、わからないが82票という数字が出ております。市の方針についてという部分についてはそのような結果が出ております。

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林 広文委員 今、その数が出たんですけれども、これを受けて市としてはどういう評価をされたんですか。その今の市の方針どおりに進めるべきだと受けとめられたのか、その辺はどのようにお考えでしょうか。

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濱口文化振興課長 このアンケートの結果を踏まえて、それぞれの懇話会がその当時開かれておりましたので、公会堂の場合ですと、あり方検討委員会のほうにもそのアンケート結果、こういうふうな結果が出ておりますというのを速報値でございますけれども、お示しをさせていただいた中で進めているというところ、それを踏まえて出た結果についても、やはり公会堂は建て替えをすべきだという結果も出ておりますので、その辺の流れも受けまして、最終的に平成25年の1月に市の方針として、公会堂は解体をすると、新しい文化施設においてその機能を確保するという方針を決定したものでございます。
 以上です。

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井上重久委員 今、アンケートの結果の関係もありましたけれども、まず、そのアンケートあるいはパブリックコメント、それぞれ懇話会それぞれ開催がされてきております。そういう中において、公会堂を残せというご意見があったのかどうかをお伺いをいたします。

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濱口文化振興課長 そういう懇話会の中では、報告書の中には、現地での建て替えについても意見が出たという内容も記されておりますが、最終的には交通の便のいい便利地に新しいホールを建てるほうがいいのではないかという報告書の結論という形になっております。ですから、公会堂を現地で建て替えという意見も確かに出たということは踏まえて報告書が出ております。
 パブリックコメントについては、すみません、ちょっと確認をさせてください。

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井上重久委員 わかりました。パブリックコメントについては、後で結構です。請求代表者の意見陳述あるいは参考人の質疑の中で、陳情者あるいは請求者の思いが届いとらんよと、いわゆる県庁舎跡地に整備すべき県との協議中、そういうのが私たちに届いていないと、こういう意見もございました。
 特に、関係者、市民、あるいは私たち議会に対するそういう説明不足もあったんじゃないかなと私は感じましたので、そこら辺の見解をぜひお聞かせください。

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外園文化観光部長 最終的に私どもはその陳情、あるいはそういったお考えに対して、適切に対応したと思っております。
 しかし、まだまだ今お話を聞く中で、十分に県庁の部分の進捗状況、あるいは新しい文化施設の具体的な内容についての市のほうの考え方等について、まだ不足があったものということに対しましては、反省をさせていただきたいと思います。いずれにいたしましても、そういったものにつきましては、今後とも市内全域の方にできるだけ、そういう市のほうの説明をしっかりさせていただきたいと思っております。

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井上重久委員 ぜひそういう中身については、適切に説明をしていくという心構えをぜひ持っていただきたいと思います。
 それから、6月議会と今回の議会と、この住民投票の関係について連続して出てきたと、それぞれ原因をつくった部分については、それぞれ長崎市の理事者側にも当然責務はあるんじゃないかなというのを私も感じます。
 私たち議会としては、きちんと手続を踏んで対応をしてきたという部分がありますし、そういう意味ではこの関係については、市長のリーダーシップとか強く求めておきたいと思いますし、やはり公会堂跡地にきちっと市庁舎つくるんだと、強い発信力があれば、こういう連続した請求は私はなかったんじゃないかなというところもあります。そこら辺の見解についてお聞かせください。

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野瀬企画財政部長 今ご指摘のとおり、6月議会、9月議会ということで2度住民投票のご提案をいただいておるという事実につきましては、私どもとしてこの長崎のまちづくりが非常に大きな転換点にかかわってきていると、その中で私どもとしてはまちづくりの部分をしっかり進めていく責務を担っているわけですが、そのことをまた内容についても、まちづくりをどう進めていくのかということが市民の皆様にしっかり伝わっていないというご指摘は、今受けたところは、真摯に受けとめなければいけないと思っております。
 こういった一つ一つの、また今回の要望、住民投票の提案をされた方々と、いろんなさまざまなご意見も私どもも拝聴いたしておりまして、私どもに足りないところが多々あるということは、しっかり受けとめる必要があると思います。
 そういったことを受けとめながら、今後、まちづくりの方向性について市民の方にしっかりお伝えする努力をしていきたいと思っております。
 以上でございます。

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井上重久委員 今回の請求にかかわらず、まちづくりの関係については、十分、住民あるいは市民、議会、当然聞かれて対応されていると思いますが、しっかりと受けとめて説明すべきは説明をしていく、これは非常に大事なことだと思いますので、そこのところはぜひよろしくお願いしておきたいと思います。

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濱口文化振興課長 先ほどの井上委員からのパブリックコメントの件でございますけれども、公会堂の方針についてのパブリックコメントを実施したということはございません。
 それから、残すという考え方はどうだったのかというご意見があったのかということにつきましては、先ほどのアンケート調査の中でお示しした、賛成できない、どちらかというと賛成できないという割合が12%程度あったということだと思います。

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山崎 猛委員 本当に基本的なことで、廃止条例ができてから2年3カ月、公会堂が廃止されてから1年6カ月、そのままにしていたこれが私にはすごく疑問なんですね。せっかく皆さんが言って条例を通してもらって、そしたら大体廃止ということは解体となると思うんですけれども、何でその間全然ほったらかしだったんですか。

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外園文化観光部長 公会堂の廃止に伴いまして、議会のほうから附帯決議を2点付されております。
 まず1点目が、その新しい文化施設について、県庁跡地でしっかり協議を進めるようにということがございました。そういった中で、県との協議、あるいはそういった中での経過、そういったことのスピード感が私ども十分でなかったと反省をさせていただいておりますけれども、そういう経緯があって、今回解体につきましては、さきの6月議会の中で予算を提案させていただいたという経緯になったということでございます。
 以上でございます。

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山崎 猛委員 先ほどから、先輩の委員たちが言われているように、だまされたという言い方をされていますけれども、議会は多分粛々とやってきたんでしょうけれども、余りにもすみません、不適切だったら訂正してください。間があきすぎているという理由が、私からすると到底理解できない一番の要因なんですけれども、それから、まあ百歩譲ってそれを聞いたとしても、前回のときに予算を私も通したんですけれども、そのときに加藤副市長が来られて、こういう問題が起こっても必ずやりますよという強い意思表明をされて、その後県との協議の内容というのは進んだんですか。
 私も一応自民党ですから、県の議員たちとお話をするんですけれども、何かあんまり進んでいるような様子はないんですけれども、本当にしっかり協議をしているんですか。ちょっとそこをもう1回お願いします。

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柴原企画財政部政策監 今年度に入りまして5回ほどの協議をしておりますけれども、この県庁舎の跡地活用の問題といいますのは、ホールのみならず、先ほど林参考人もおっしゃいましたけど、広場をどういった広場機能を持たせていくのか、それからにぎわい、それから、交流、おもてなしの空間といったあと残る2つの機能もございますので、こういったところの施設の概要というものを、今どういったものにすべきかという話を県と市で協議をしているところでございまして、その整備方針というものを今年度中につくれるような詳細の詰めというものを話しておりますので、一定進んでおるという認識は私どもとしては持っておるところでございます。
 以上でございます。

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山崎 猛委員 附帯決議では、多分ここが公会堂、向こう側につくったときは、現在地が公会堂というのが、その当時出てたと思うんですけれども、その後に、県庁というのが出て、市のほうがそういうふうにのっていったと思うんですけれども、そのことによって先ほどから先輩も期限を切りなさいというお話があってましたけれども、ずるずるきて、やはり一番の問題は先ほどの市民の方たちの声もそうですけれども、やはり使えないと市民の方がものすごく迷惑しているというのが私は一番の問題だと思うんですけれども、そのことに関して、やはりそれほど県との協議のほうが重要で、市民のほうは見ないという姿勢なのかというのをちょっとお聞きしたいと思うんですけれども。

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野瀬企画財政部長 私どもとしては、新しい文化施設を、公会堂を廃止しより機能を充実した市民にとって使いやすいホールをつくると、そのためには県の県庁跡地に県と力を合わせて新しい文化施設をつくるということが、より市民にとっても県民にとっても有効だという観点から協議を進めているところでございます。
 先ほども申し上げましたが、既にもう2年が経過をしているということで市民の皆様が、公会堂を廃止した中で不便なことが多々起こっておるということを、きょうもお聞きさせていただきました。こういったことはしっかり胸に刻んで今後、県との協議をしっかり取り組んでまいりたいと考えております。
 以上でございます。

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山崎 猛委員 同じことを言っても、過去のことを言ってもあれですけれども、今回これがどういう結論が出るかはわかりませんけれども、どっちにしても、これから8年から10年の間、やはり市民の方たちにはこの迷惑をかけ通しだということなんですけれども、それについて何か代案というか、何かお考えになるようなことがありますか。

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野瀬企画財政部長 先ほども申し上げましたが、平成26年度から既に2年間という非常に市民の皆様にとっては、さかのぼることができない時間を私どもは費やして協議をしてきたという事実を私どもは受けとめ、これをしっかり、この協議の中で私どもが、先ほども申し上げましたが、新しい文化施設、公会堂の機能をより充実した市民にとってもさらに使いやすい新しい文化施設をつくるということで、今努力をしておりますのでそういったものをつくるということが、私どもの今後努めていくべき課題であると考えております。
 以上でございます。

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山崎 猛委員 その決意のもとにやっていただきたいんですけれども、やはり最終的に、多分何も案がないと思うんですけれども、先ほど板坂委員も言われましたけれども、余り県のほうばっかり見るんじゃなくて、どこかで期限を切って、やはり市独自で、平野委員も言われましたけれども、ここでしっかりしたものを市がつくるといち早くできる、そのほうが市民も喜ぶということもやはり念頭に置いて、これから進めていただきたいと思います。
 これは意見としておきます。

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奥村修計委員 私のほうから、この公会堂の廃止に当たりましても、公会堂等文化施設あり方検討委員会があってますよね、この22名の方が選ばれておりますけれども、各種団体の方々がこの廃止に至るまでに、相当なご苦労をなされて4回の会議の中、廃止を決定されたと思うんですよ。そうしますと、ずっと、先ほど参考人の方々の意見もありましたけれども、確かにいろいろ考え方はあると思いますけれども、3名の方の意見もいろいろと参考になりましたけど、やはり、このあり方検討委員会の中の22人の委員の方々が、各種団体を代表する方々が、この公会堂をどうしようかということをあり方検討委員会で論議した結果が、これを廃止しようと決定したわけでございますので、この辺のことを重点的に、やはり行政のほうとしては一般市民の方々にわかりやすい形で広報等々でも、結果についてとか、あるいはこういった問題点があったんだとか、これを私は多くの市民の方にわかっていただくということも大切な、この委員の方々に対する私は敬意をあらわすことにもなると思うんです。
 ただ、委員会をつくって検討をしました、この委員の方々は、結局何も成果も得ないような格好になるわけですよ。市庁舎建設も同じですよ。26名の委員の方々が、各種団体から選ばれて、市庁舎の建設場所についても場所の選定についても論議されてるんです。そういうふうに時間かけて論議されたことが、結局多くの市民に伝わってないために、今回のような公会堂の存続を求めるということは、やはり理解をしていただけなかったんじゃないかと思います。でありますので、このあり方検討委員会でも多くの意見が出たと思うんですよ。廃止に至るまでの意見が。これをしっかりと捉えて新しくつくろうとする公会堂あるいはその県と協調してつくる施設にしても、生かしていかなければ、この方々の意見は本当に大切にしてもらいたいと、そのための委員会をつくられたと私は思うんです。これがことごとくいろいろ、私も長く議員をしていますけれども、委員会はたくさんできていますけれども、委員の皆さん方の本当に報われる姿というのはなかなか結果として、報告はなされますけれども、その成果が私はなかなか出てこないというのがたくさんあります。
 ですから、こういう形で住民運動も起きるんじゃないかなと思いますので、私はやはり行政のほうでしっかりと、こういういろいろな大型事業、行政のいろんな事業をする場合は、多くの市民がわかりやすく、そして委員になる方々の意見を尊重するということを、やはり私はこれからも大事にしていただきたいと、そういうことを、私は一番大事と思います。
 でありますので、先ほどの3名の方もいろいろと施設についても使いにくいとか、使い勝手が悪いとか、場所的に駐車場、車が入らんとかいろいろな意見がありました。もっともだと思いますよ。やはり、こういう多くの方々が使う施設は、そういう交通の便を勘案しながら、そして使いやすさも勘案しながら、こういうことをやはり各種団体の方々から意見を聴取して、それを生かしていくということが必要であることを先ほどからずっと感じておったわけでございますので、ぜひこの分については部長のほうから今後の方針として取り扱いをどうするか、そして生かし方をどうするか意見をいただきたいと思います。

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外園文化観光部長 公会堂等文化施設あり方検討委員会の提言を、さまざまなご努力あるいは深いご議論の中で提言をいただきました。その皆さん方には、各分野から集まった22名の委員のご参画を得て、そういう議論を重ねて、そういう報告をいただいたところでございます。
 その報告をいただきまして、長崎市といたしましては、それを踏まえて、公会堂等新たな文化施設の方針決定を平成25年1月にさせていただいております。そういった経緯も含めて、まだまだ十分ご説明あるいは今後の方針、そういったものが十分ではないということでございますので、わかりやすく、私どもは十分な市民の皆様への説明責任をしっかり果たしていきたいと思っております。
 以上でございます。

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奥村修計委員 平成25年に行政として庁舎の問題、公会堂の問題、全て一応発表しておりますよね。でも、このことが先ほどずっと話になっていますように、余りにも時間がかかりすぎて、そして庁内でも人事異動があって、各職員の方々がかわっていくと、大きな結果の中でこういうおくれが生じてくるわけですから、やはり、上に立つ方々はこのことも考えていかなければいけないということと、先ほど出ておりました県との協調の中で、先ほど言われたようにあり方検討委員会に出た問題点をどう生かしていくかということは非常に難しいと思うんです。
 ですから、今おっしゃいましたので信用しますけれども、やはり公会堂の建設に当たっては、各委員会から出た問題点をしっかりと県と協議をして生かしていくように、そしてそれがやはり皆さん方の提案でありますから、それを大事にしていただきたいということを部長のほうから言われましたので信用することにいたしますけれども、何としても、早くスピードを上げてこの問題には取り組んでいただきたいということをお願いしたいと思っております。

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堤 勝彦委員長 ほかにありませんか。
 ただいま橋本委員外議員より発言の申し出があっております。長崎市議会会議規則第97条第2項の規定に基づき、発言を許可します。

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橋本 剛議員 委員外議員として発言させていただきます。ありがとうございます。
 ここで今、議論が続いているわけですが、この住民投票条例を決めるかどうかというのは、市議会のほうが決めるということですので、今市民の目というのが市議会にぐっと向いて、注目されていると思っています。ですから、決定するときには本当に十分な情報というのをもとに議論しなければいけないという意識から2点お伺いをしたいと思います。
 1点目が、先ほどの奥村委員の質問と一部分重なる部分がありますが、ずっと市民の声を聞いて進めてきたというお話がございました。ところが、実際には市民のほうからは7万人の署名が出てきたり、今回の1万7,000人の署名が出てきたり、切れ目なく何らかのアクションが出てきています。
 市民の声を聞いてというときに、もちろん聞いたときに、聞いて対応していく、説得をするというのが本来求められているんじゃないかと思うんですが、ここで、例えば将来イメージを示すとか、市長がこういう施設にもっといい施設にしていきたいというコメントをされていますけれども、それを市民に見えるような姿で示すということは、なかなかされてこなかったと思うんですが、それは何ゆえにイメージでも、こんなものを備えたものをつくりたいんだというイメージを示して市民を納得させていくということをやっておられないというのが、どういうお立場でそういうふうにされているのかというのを伺いたいのが1つ。
 それからもう1つは、先ほどアンケートで525件とか、パブリックコメントが何十件という形で出てきてるんですが、実際に署名で出てきているのは7万件とか1万7,000件と非常に桁が幾つも違う声が出てきていますけれども、このことをもって今でも意見を聞いてきたんだと思われてるんでしょうか。
 もしそうだとしたら、525件のうち、反対は35件でとどまったということから、この1万7,000件というのも少数意見だというご認識なのか、その2点についてお伺いしたいと思います。

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野瀬企画財政部長 何ゆえにその新しい文化施設の建設についての具体的な説明を市民に対して行ってこなかったのかというご質問でございますが、これは私どもとしてこれまで2年間という期間の中でまだ結論をお示しすることができないでいるわけでございますが、どういった機能でということについて、具体的な方針が示されていないということとイコール具体的な機能がご説明できる段階まで協議が整っていないということでございまして、私どもとしても、できるだけ早く、例えばパースであるとか具体的な機能であるとか、そういったことを確定をして市民の皆様にご説明ができるよう今後とも県との協議を進めていきたいと思っております。

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濱口文化振興課長 橋本議員のご指摘の部分の少数意見ということで、アンケートの数の話にも及んでいるんですが、基本的にアンケートは2,000人の市民から無作為抽出にしたアンケートの結果ということもありまして、今回のいただいた数、重みというのは市長も述べましたとおり、短期間の間にこれだけ集められているという事実は事実として、受けとめなければいけないと思っておりますけれども、その当時のアンケートとこの今の時点の部分での比較ということについては、なかなか難しいのかなと思います。

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堤 勝彦委員長 ただいま幸委員外議員より発言の申し出があっております。会議規則の規定に基づき、発言を許可します。

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 大助議員 2点お尋ねしたいと思います。まず、先ほどの審議の中で、林委員が質問した中で、実施された場合の得票率が書いてないというところがあったんですが、これは住民投票する方向でいった場合に、書いてないのはつけ加えで書くことは可能なのかどうか、まずその点を。〔「投票率だろう」と言う者あり〕投票率ですね。

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橋田総務部長 投票率自体が必須の条件ではないと思いますが、今回私ども、市長の意見としては市民の声を反映させるにはそこはやはり必要だろうということを申し上げさせていただいております。したがいまして、そのことを受けて議会のほうのご判断で条例案の中にそれを書き込むということは、修正という形になろうかと思いますが可能だと考えてます。

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幸 大助議員 もう1点が、今の答弁を受けまして、議会の審議でそれが可能だということであれば、きょう最初、板坂委員が県庁跡地にホールができるまで公会堂を使いたいのか、未来永劫に使いたいのか、この条文でははっきりしとらんという話がありました。
 私、前回県庁跡地に市役所をの署名活動にかかわった者の立場から言わせてもらうと、あくまでこういうものをつくって署名活動をして住民投票を求めるわけですので、条文をものすごく気を使ってつくりました。この内容で署名を集めたのかとか、いろいろ言われまして、最終的に決定するわけですけど、どうしてもそういうところが落ち度があります。逆に、平野委員が先ほど聞かれた公会堂存続と、どうして県立図書館の保存の運動をしなかったのかとか、逆にそうなると、じゃどっちを残したいんだとか、こっちは図書館は残しても公会堂は潰す、公会堂は残しても図書館は潰すという意見もあるだろうとなるんで非常に難しいと思います。
 ですから、私の要望ですが、今内容を変えても議会の承認があればいいということであれば、もう一度、この8年後までなのか、永久に残すのかを確認した上で、ぜひ住民投票を実施の方向で向かっていただければと思います。
 ここにある最初にいただいた分の請求の要旨という、1番ありますよね、そこだけで住民投票できるんじゃないかという私は思います。中段以降、なお以下にこれに関する諸問題について、私たちの考え方を付記しますというところがあるんですが、あくまで1.請求の要旨ていうところがあるんで、ここに限って住民投票実施というのでいけるんじゃないかと思うんですが。

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堤 勝彦委員長 暫時休憩いたします。
          =休憩 午後4時47分=
          =再開 午後4時51分=

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堤 勝彦委員長 委員会を再開いたします。ただいまの幸委員外議員からの質問に対しての答弁をお願いします。

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野瀬企画財政部長 今、幸議員のほうから、条例の選択肢についてのお考えが示されましたが、私どもとしては条例の中に書いている規定の選択肢については住民の正確な意思は反映されないと意見書のほうで記載をしておりますとおりに考えているところでございます。
 以上でございます。

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堤 勝彦委員長 ほかにありませんか。
 ただいま浅田委員外議員より発言の申し出があっております。会議規則の規定に基づき、発言を許可します。

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浅田五郎議員 発言の許可いただきまして、ありがとうございました。
 私は、うちの板坂委員の言うとおり、非常に難しい問題があるかと思います。ただ、この住民投票条例案と一緒に、これを皆さん方に配り、要するに問題は、長崎市公会堂の解体中止と再使用に関する住民投票の条例の申請を出してますので、要するに公会堂解体中止と再使用ということに賛成か反対かという住民投票は私はこれは可能ではなかろうかと思うんですね。
 それは、今後皆さん方の中で十分論議していただいて、きょう1日公会堂問題に時間を費やしてたようでありますが、住民投票の時期についてこれからずっと種々論議があると思いますし、けさ私も朝からNBCのニュースを見ておりましたら、皆さん方の未来の会の方々が、意見広告を出して、これは1週間ほど続くそうですね。長崎市内のNBC、KTN、NCC、NIB全部の報道は出るそうです。
 そういうことで、住民投票の目的とか意義というものをきちっと報道しているようでありますから、そういうことも含めていただいて、とにかくうちの板坂委員が言うのが当たり前で、県庁あたりは1回はもう消えたわけですから、それをまたここに載せているもんだから誤解されたと思うんですけれども、素人の申請者という形でご理解いただくならば、要するに公会堂の解体中止と再使用に賛成か反対かの住民投票だと受けとめていただけるとありがたいと思うんです。それが皆さん方へのご意見としてぜひお願いしたいと思います。
 次いで理事者にお願いしますが、あす市長か三藤副市長がこの会場に来ると思うんですが、私はきょう来るのかあすくるのかわからないけれども、いずれにいたしましても私は長崎県が一番問題にしとったのは、MICEが文化ホールをつくると言ってるのに、同じものがつくられるだろうかということでこれが棚上げになっとったことは事実ですね。私は、長崎市議会が附帯決議までして、要するに公会堂にかわる文化ホールというならば、長崎市と一緒になって文化ホールつくろうじゃないかということで議会がそれを承認し、理事者の皆さん方もそれに向かって努力してきたと。
 ところが、1年有余たっても、公会堂が廃止してもその後の動きがない、しかもこの議会中に、これまでの間に市議会の会派にMICE施設について説明があっている。そして、3,000人のメーンホールをつくるんだということの説明もやっておる。それを聞いた県の皆さん方、私が耳にしたところ、そういう問題について、県は答弁できないんじゃないかと、いつまでにやろうということできないんじゃないかと、三藤副市長や田上市長が来ても、責任持って私は答弁ができないんじゃないかという感じがするわけですけれども、やはり部長の皆さん方はそれを困らせないように、きちっと打ち合わせをしながらやって臨まないと恥をかくんじゃないかということを思うんですが、その辺について、その会議に参加しとって、いや大体文化ホールは話がまとまって、いつまでに決まってるんだ、あるいは決めてるんだという話があれば、答弁をいただいてもいいですけれども、なければ意見としてだけ述べておきます。
 以上でございます。

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堤 勝彦委員長 ご意見でよろしいですかね。委員の皆様にお諮りいたします。まだ、質疑もあろうかと思いますし、三藤副市長の出席要請はもうお願いしております。了承得ておりますが、その出席につきまして、本日かあすか、時間的にはあすかなと思うとりますけど。

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板坂博之委員 もう委員からの質疑がないから、委員外議員の質疑が終わったわけですね。だから、私はこれ以上の質疑はないと思いますよ。
 だから、三藤副市長を呼んでいただいて、当然私がお願いしたんですから、私が質問せんといかんでしょうけど、ここで呼んでいただいたらいいと思いますがね。

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堤 勝彦委員長 ただいま板坂委員のほうから、ただいまの時間から三藤副市長の出席をお願いしたいという意見がありましたので、正副委員長としましてそのように手続をさせていただきます。
 暫時休憩いたします。
          =休憩 午後4時57分=
          =再開 午後5時20分=

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堤 勝彦委員長 委員会を再開いたします。
 ただいま議長の了承を得て、三藤副市長の出席を要請し、三藤副市長に出席していただきました。三藤副市長におかれましては、大変お忙しい中、当委員会にご出席いただきまして、まことにありがとうございます。
 それでは、委員から、三藤副市長に対して何かご意見ございませんか。

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板坂博之委員 出席要請を私がしましたので、私のほうから質問をさせていただきますが、請求の概要の中に、新施設の完成までには10年前後の時間を要すると思われるという概要があるんです。
 その請求に対する考え方として、県庁舎跡地活用について、県は平成32年度の工事着手を目標とするとの考えを示しており、現在整備方針の策定に向けて県市の協議を進めていると、こういう理事者の考えがペーパーで残っておりますが、私はこのままではこれ絶対先に進まんと思いますよ。
 当初の案というのは、ここの今の現庁舎の跡に、新しい新公会堂文化ホールをつくるということを念頭に置いて計画をされたんじゃないですか。これどっかで、県と交渉をするうちに、どっかでやはりけじめをつけんと、今のままでずるずるずるずるいく可能性が私は十分にあると思っていますので、これは責任者である三藤副市長の毅然とした考え方をぜひお聞きをいたしたいと思います。

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三藤副市長 県との協議の責任者として、県との協議のリミットが二度、三度と延びてきたことによって市民の皆さんにも公会堂がどうなるのかというご心配をかけて、そのことがこのような混乱の大きな要因になっているということをおわび申し上げたいと思います。
 県との協議の始まりは、もともと私どもも公会堂の機能をどうするかというのは話をしていたときに、県のほうで懇話会の中で、ホール機能が3つの中の1つに入ってきたと。その同じ懇話会の答申の中に、やはり近くで同様の話があっている場合は、二重投資を防ぐために、それらの協議を関係者とやるべきだという意見も出されたということをお聞きいたしておりましたし、私どももその考え方は当然だということでまず県との協議をするべきだという判断をしました。
 それと同時に、やはり県庁跡の場合は、私どもにとっても大きなメリットがあったのが、工事の着工時期が早くなるということもありまして、確かに本庁舎の跡でつくるということを念頭に置いておりましたけど、それより完成時期が早くなるということで、そのような先ほど申し上げた意味合いとあわせて、県との協議に入ったわけでございます。
 そのような中で、当初ある程度の感触というのをつかんでおりましたので、私も議会のほうで精いっぱい頑張らせていただきたいということで決意表明をさせていただいて協議に入ったんですけど、なかなか最終結論に至らないということが続いて今現在に至っております。
 最終的には、先ほど申し上げましたように、着手時期が早くなるという大きなメリットがあったということがありますので、これはやはり着手時期に影響を与えるような時期まで協議を続けていくのは難しいんじゃなかろうかと私自身思っております。
 そのような意味では、県との協議の中で、今現在基本的な方針は年度内に固めたいということを県のほうからもおっしゃってますので、そのスケジュールで今協議をしてますけど、仮に最悪その3月末までにそのような事態に至らないということになれば、これはやはり私どもも、市民の皆様を長く待たせるわけにはいきませんので、その時点で当初の考え方に戻って検討をするということは必要になると思いますし、やらなければいけないと考えております。
 以上でございます。

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板坂博之委員 三藤副市長、平成26年の6月議会で可決したときに確かに附帯決議がついております。県との協議を不退転の決意をもってやんなさいということで附帯決議がついていると思うんですが、私はそれはそれでどうしてもおくれるようであれば、県が返事をせんようであれば、長崎市は長崎市で、それこそ附帯決議をそのまま受け入れる必要もないわけですから、附帯決議、こういうふうについてましたけど、こういう事情でこうやりましたということでいいんじゃないですか。
 いずれにしましても、おくれればおくれるだけ市民の皆さんが迷惑するんですから。文化団体の皆さん方が。そこのところをよく理解をしていただいて、県と協議をやってください。
 以上です。

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五輪清隆委員 私も、平成26年度環境経済委員会そして毎熊現議長も環境経済委員会ということで、平成26年の2月、そして継続審査となって6月の中で、議会として英断ということで附帯決議をさせていただきました。
 そのときについても、三藤副市長から強い決意が述べられて約2年3カ月、本当に大丈夫かなという気持ちがあるわけですけれども、6月の委員会の中でもだまされたんじゃないのかということも言わせていただきましたし、また、本会議のいろんな公会堂についても質問したけど、やはり市長としたら、しかるべき時期とか、そういう逃げ言葉しかあっとりません。
 ですから先ほど板坂委員から言われたことについて、平成28年度ですから、平成29年の3月までには、例えば県との交渉の中でだめなようであればまた元に戻す、そのことを確実に実行できるのか、このことについて再度決意をお願いします。

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三藤副市長 先ほども申し上げましたけれども、二度、三度と期限を延ばしてきたというのは非常に申しわけないと思っております。
 ただ、私どもも県庁跡という場所を大事な場所だと思っておりますし、にぎわいをつくることも大事ですし、県庁跡につくることによって、先ほど申し上げたように着手時期も早くなるということで、この利点は最大限生かしたいという気持ちがございましたので、確かに少しずるずると延びた感じはありますけれども、最後の最後まで努力をしたいということで県との協議を今も続けているわけでございます。
 ただ、やはり時期的なメリット等々が消えていくような状態で、県につくることがより遅くなるとかという状態になれば、これは先ほど来申しましたように市民の皆様をそれだけ待たせることになるということですから、確かに今まで決断が遅れておりますけれども、どっかの時点で決断をしなければいけないと思っております。
 そういう意味では、今、県と基本構想というか、基本的な方針を固めるのが年度いっぱいだということで話をしていますので、それが時期的にはリミットだと、そこで成案を得られなかった場合は、県にもお話を申し上げて、そして別の方策、この庁舎跡地での検討を開始をしていく必要があるんじゃなかろうかと考えております。

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堤 勝彦委員長 ほかありませんか。
 それでは、三藤副市長退席のため暫時休憩いたします。
          =休憩 午後5時29分=
          =再開 午後5時29分=

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堤 勝彦委員長 それでは、委員会を再開いたします。ほかにありませんか。
 質疑を終結いたします。
 それでは、討論に入ります。何かご意見はありませんか。

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板坂博之委員 この議案は大事な議案なんですね。やはり、各会派持ち帰って会派の皆さん方ともご相談をせんといかんと思うんですよ。
 たまたまうちの事情をいいますと、もう半分くらい帰っておりません。実は、あす10時ぐらいに集まってもらうように今事務員に指示をしましたんで、できましたら討論、採決はあすの11時開会ということでお願いできればと思うんですが、委員長、諮ってください。

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林 広文委員 今の意見には賛成いたします。11時で進めていただきたいと思います。
 1つ確認したいのは、先ほど質疑の中であったんですけれども、議会の権能としてこの条例については修正権というのがありますので、この委員会でも修正は可能だと思います。請求人からは、投票率云々のここの部分の設定については議会の判断に委ねますということで、ここは議会で修正できるということはクリアになっています。
 ただ、いわゆる請求の趣旨、要旨の部分、この部分、条例案を見ますと、住民投票については、公会堂の解体中止と再使用することに賛成か反対かという形で書いてますから、ただやはり板坂委員から出たように一時的な使用なのか、永続的な使用なのかということが判然としません。これは市長の意見にもありました。
 ですから、ここの部分についても、果たして議会の権能として修正できるのかどうか、ここがちょっと私よくわかりませんので、この辺については、委員長において議会事務局なり、ちょっと検討をしていただいて、少し基本的な考えを整理していただきたいと思うんですけれども、その上で、討論、採決に入っていただければと思いますけれども、どうでしょうか。

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堤 勝彦委員長 ただいま林委員から、文言修正等もありますので、そこについては、理事者のほうの意見を聞きたいと思います。

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橋田総務部長 今、議論になっております要するに期間、使用、再使用の期間がどうなのかということに関しては、ある意味今回の住民投票の本旨にかかわる部分であろうかと思いますので、これを議会のほうで修正をしてということは、先ほどの投票率の問題とは違って、これは難しいんではないかと私どもとしては考えております。
 以上でございます。

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林 広文委員 言いましたように、それについては修正権はあくまでも委員会、議会のほうにありますので、考え方は今理事者から言われましたが、委員長のほうでもう一度確認をしていただきたいと思いますので。〔「誰に確認するとね」と言う者あり〕判断というのは、議会事務局の中でです、私はするべきだと。今理事者の意見はありましたけれども、この修正権については議会が持っている権利ですから、ここは議会として一旦私は整理するべきじゃないかなと思います。

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堤 勝彦委員長 暫時休憩します。
          =休憩 午後5時33分=
          =再開 午後5時36分=

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堤 勝彦委員長 委員会を再開いたします。
 先ほど林委員から言われたことは、あすまでに整理させていただきまして確認をいたしますので、ご了承をお願いします。
 それでは、本日の審査はここまでとし、各委員におかれましては、各会派でご協議いただきました上、あす11時から当委員会室で再開し、討論、採決を行いたいと思いますのでよろしくお願いします。
 これをもちまして、環境経済委員会を散会いたします。
          =散会 午後5時37分=

 上記のとおり委員会会議録を調製し署名する。

 平成28年11月4日
         環境経済委員長 堤 勝彦

 

2016.09.02 : 長崎市:平成28年環境経済委員会 本文


          =開会 午前10時59分=
堤 勝彦委員長 出席委員は半数以上であります。
 ただいまから環境経済委員会を開会いたします。
 昨日の議案の修正に対する考え方ですが、請求目的や、請求趣旨を議会が変えることは妥当でないと判断しておりますので、ご了承をお願いします。
 それでは、議案審査に入ります。
 昨日に引き続き、第123号議案「長崎市公会堂の解体中止と再使用に関する住民投票条例について」を議題といたします。
 それでは、討論に入ります。何かご意見はありませんか。

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井上重久委員 ただいま議題となっております第123号議案「長崎市公会堂の解体中止と再使用に関する住民投票条例について」は、市民クラブを代表いたしまして、反対の立場で意見を申し上げます。
 今回の請求内容は、旧公会堂の解体中止と再使用することへの賛否を問う住民投票を実施するための条例の制定を求めるものであります。請求の要旨は、せめて新しい代替施設が実現するまで公会堂の解体を中止し再使用を可能とする方策を求めておりますが、一時的な使用なのか永続的に長期にわたる使用なのか、明確になっておりません。
 公会堂が有する歴史・文化遺産的、建築的価値があるので残してほしいとのことでありますが、懇話会や各種会議、アンケート、パブリックコメントなどを通じて、この件につきましては決定をしてきました。建築的価値についても、懇話会メンバーがいる中で、検討段階でものが言える機会は十分にあったと思われます。検討段階でもっと早くからこの運動をすべきと思います。
 あわせまして、新庁舎の再考を見直すべきとの請求でもあり、住民に対して明確に何を問うのか曖昧な内容であり、住民投票にはなじみません。旧公会堂に係るこれまでの経緯、新庁舎建設にかかわるこれまでの経緯、県庁舎跡地活用に係るこれまでの経緯を踏まえ、議会としても慎重に手順を踏んで審査を行ってまいりました。しかしながら、6月議会における長崎市庁舎の建設地に関する住民投票条例、そして今議会の長崎市公会堂の解体中止と再使用に関する住民投票条例について、住民投票条例制定の直接請求が連続して続きました。このことは、長崎市市政運営におけるゆゆしき状況であると、私は懸念をいたしております。行政側におきましては、事業を進める上で、このことを十分認識すべきであります。
 この要因をつくったのは、一つは行政側にもあります。市長・理事者のリーダーシップを強くお願いするものでございます。公会堂跡地に新庁舎を建設することを強く発信する必要があります。また、県庁舎跡地の整備すべき県との協議の関係につきましては、昨日、請求者の思いが届いていないという趣旨の発言もありました。行政側は、市民、議会、関係者に対する説明を十分行っていただきたいと思います。
 あわせまして、昨日、三藤副市長より、県庁舎跡地の整備の方向性につきまして、年度内に結論を固める、基本方針を固めるとの発言がありました。私はこのことを強く重く受けとめますが、このめどにつきましては、延び延びにならないことを強く要請をしておきます。議会におきましても、過去、平成7年より20年以上の歳月をかけまして、公会堂跡地への新庁舎建設を検討をし、特別委員会の中でも行政側に意見を申し上げ、方針を決定をいたしております。
 このようなことから、1万7,098人の署名は理解するものの、これまでの状況等を総合的に勘案し、今回の住民投票を行うべきではないと意見を申し上げ、討論といたします。
 以上です。

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平野 剛委員 ただいま議題となっております第123号議案「長崎市公会堂の解体中止と再使用に関する住民投票条例について」、明政クラブを代表し、反対の立場で意見を申し上げます。
 今回、このような条例制定請求がなされた要因は、平成26年6月議会で公会堂の廃止条例が可決され、平成27年3月には閉館したにもかかわらず、市において県との協議の進捗が図れず、廃止条例可決後の2年3カ月、閉館後の約1年半、解体することなくそのままの状態で放置していた行政側の怠慢と言わざるを得ません。
 しかしながら、本条例案においては、公会堂の解体中止と再使用することについての賛否を問う内容となっていますが、請求の要旨においては、再使用を求める期間について、新たな文化施設ができるまでの一時的な使用なのか、また未来永劫解体しないということなのかあるいは新市庁舎の建設場所を現地とするか、県庁舎跡地とするか、複数の要素が含まれており、署名した方々がどの部分に賛同したのかが不明確であります。約1億円もの市民の血税を投入して住民投票を実施するには、到底これになじむような署名の集め方ではなく、仮に住民投票を行ったとしても、その民意がどこにあるのかはかることができない懸念があります。
 もちろん、1万7,000人の署名の重みは理解いたします。しかしながら、署名収集のあり方には疑問がぬぐえず、今回の署名が本当に民意を反映したものであると確信を持つことができません。
 しかしながら、現在、公会堂を使用できない間、市民に不便を生じさせていることは事実であります。市としては、ブリックホールや市民会館などにより、市民の文化活動の停滞の解消に最大限努められるよう要望いたします。
 また、年度内には、代替施設の場所を決定し、将来の姿を見せることを市の責務とし、必ずしていただくことを条件として、今回の長崎市公会堂の解体中止と再使用に関する住民投票条例についての、反対の討論といたします。

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福澤照充委員 第123号議案「長崎市公会堂の解体中止と再使用に関する住民投票条例について」、公明党を代表して、反対の立場から主に3点について意見を述べさせていただきます。
 1.住民投票は、地方自治法に定められた市民が直接請求できる権利であり、住民自治の精神から尊重すべきものであります。今回の住民投票条例の請求に当たり、わずか3週間余りで1万7,098名の署名が集まったことは、市民の声として重く受けとめなければなりません。
 しかしながら、請求人より提出された条例案では、公会堂の解体中止と再使用について賛否を問うとなっていますが、条例制定の請求書には、条例制定請求の要旨として、1.公会堂の解体を中止し永続的に再使用する、2.県庁跡地に文化ホールができるまでの間一時的に再使用する、3.市役所新庁舎を、現地もしくは県庁跡地に建設することが記載されており、署名をされた市民がどの趣旨に賛同したのか明確ではなく、仮に住民投票を実施して解体中止、再利用が過半数を占めても、その後3点の趣旨の中からどう対応すべきか選択することはできず、住民投票の争点としては不明瞭であります。
 2.また、平成23年度に学識経験者、市民から成る公会堂等文化施設あり方検討委員会で、市民の意向を取り入れながら進めてきた経過があり、市が行ったアンケート調査では、市民2,000人を無作為に抽出し、有効回答529のうち約12%が公会堂の解体に反対し、約72%が解体には賛成しており、公会堂の解体については一定のコンセンサスは得られていると思われます。
 3.市民の安全安心を守ることは行政の責務であり、予定されている公会堂跡地にその拠点である強固な防災機能を有した市庁舎を早急に整備することは、熊本地震や東日本大震災の教訓からも本市の喫緊の課題であります。
 一方、参考人の意見にもあったように、公会堂を廃止したことで市民会館文化ホールやブリックホールの稼働率が上がり、会場が取りにくくなっていることなど、市民の文化芸術活動が制約されており、市当局には長崎県との協議を進め、平成32年度着工予定となっている県庁跡地のホール建設について、速やかにかつ着実に遂行してもらいたいこと。また、万が一それが難しい場合は、当初案に立ち返って、現庁舎跡への文化ホール建築を行って、市民の文化芸術活動を支えていただきたいこと。また、ブリックホールの料金徴収の時間帯の問題など、利用される市民に寄り添った対応をお願いしたいことを強く要望し、条例制定の反対討論といたします。

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堤 勝彦委員長 ほかありませんか。
 それでは、討論を終結いたします。
 これより採決いたします。
 ご異議がありますので、挙手によって採決いたします。
 第123号議案「長崎市公会堂の解体中止と再使用に関する住民投票条例について」、原案のとおり可決することに賛成の委員の挙手を求めます。
       〔賛成者なし〕

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堤 勝彦委員長 賛成なしであります。
 よって、本案は、否決すべきものと決定いたしました。
 以上で、本委員会を散会いたします。
 次回は、9月12日午前10時から第3会議室で開会いたします。
          =散会 午前11時11分=

 上記のとおり委員会会議録を調製し署名する。

 平成28年11月4日
         環境経済委員長 堤 勝彦

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長崎都市遺産研究会
長崎都市遺産研究会

長崎都市遺産研究会は、都市の中で埋もれていたり、解体されようとしている貴重な建築遺産を発掘、保全し、次世代に継承するための支援活動を行う市民団体です。

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Home > 長崎市公会堂 > 議会議事録 > 長崎市公会堂の解体中止と再使用に関する住民投票条例について1回目:市議会環境経済委員会議事録2016.09.01-02
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