旧香港上海銀行長崎支店

竣工:1904(明治37)年
設計:下田菊太郎

異才の建築家、下田菊太郎設計の建築として国内に唯一現存する建物。コリント式円柱や最上部の三角破風、軒鼻飾りなどが華やかで、石造洋館として居留地に存在感を放つ。イギリス人により香港と上海で創設された香港上海銀行は、アジアで活躍する貿易商を主な取引先とし、国内では横浜や大阪、神戸にも支店があった。

昭和末期の1987年、洋館の解体が相次ぐ中、この建物の敷地に国際交流会館の建設構想が浮上。市は老朽化を理由に解体の意向を示した。しかし、解体に反対する市民から10万人の署名が集まり、保存・活用条例を直接請求。臨時市議会が開かれ、この建物やまちづくりに関する議論が展開された。条例制定は否決されたものの、文化庁の要請により、当時の本島等市長が撤回を表明。旧香港上海銀行長崎支店は、後に、国指定重要文化財となり、この運動をきっかけに周辺一帯も伝統的建造物群保存地区に指定された。

基本情報

旧香港上海銀行長崎支店
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