長崎市新庁舎は公会堂敷地
16年度着工目指す、現庁舎跡に文化施設
長崎市は24日、新庁舎を現庁舎(桜町)近くに位置する市公会堂敷地(魚の町)に建設し、現庁舎跡地には公会堂に代わる文化施設を建てることを決めた。建設費の抑制と市民の利便性を図るため新庁舎は1棟に集約し、事業費は200億円程度。延べ床面積は4万6千~5万平方メートルを想定。工事期間は3年程度で2016年度の着工を目指す。25日に田上富久市長が市議会に報告し記者会見する。
市は11年2月、老朽化や耐震強度不足を理由に、市庁舎を「現在地から公会堂を含む一帯」で建て替えると表明。公会堂も同様の理由で「機能確保の方法を検討する」としていた。
新庁舎の建設地について、市は現在地と公会堂敷地の2案を検討。機能や建設場所を議論した市民懇話会は昨年3月、「公会堂敷地を中心とした案をべースとした意見が多かった」との報告書を市に提出。市議会も今月18日、本館と別館を含め計9カ所に分散している庁舎について「市民の利便性、職員の業務効率、経済性の観点から1棟に集約することが望ましい」との調査報告書をまとめ、公会堂の機能確保策も併せて求めていた。公会堂を取り壊してその敷地に新庁舎を建設する案は、段階的に建設する現地建て替え案(工期8年程度)に比べ、平地に一括して建設できるため工期が短く、工事費の圧縮にもつながる。フロアのレイアウトも自由度が高い。市は市民懇話会や市議会の意見、厳しい財政状況を踏まえ、公会堂敷地案を選択した。
一方、公会堂に代わる文化施設は、新庁舎の完成後に現庁舎を取り壊し、その敷地に建設する。現公会堂は1747席だが、「公会堂等文化施設あり方検討委員会」は、文化施設の規模について800~1200席程度の意見が多かったとしており、市はこれを参考に決める。
市庁舎は1959年に本館と議会棟、61年に別館が完成。公会堂は62年に市庁舎本館から約150メートル離れた敷地に建設された。
(田中祐作)