長崎市公会堂と日本二十六聖人殉教記念館が52歳を迎えました

長崎市政展望

1962(昭和37)年6月2日、長崎市公会堂が開館しました。52回目の誕生日、おめでとうございます!

当時、長崎市が発行した「市政展望」には、その完成が誇らしげに報じられていました。

「長崎市公会堂が完成 文化都市にふさわしい市民の殿堂」 長い間待ち望まれていた長崎市公会堂は、昨年2月3日の起工式から一か年余を経て、このたび完成をみるにいたりました。 この公会堂は近代建築の粋を集め充実した諸設備をそなえた文化都市の市民の殿堂にふさわしく立派なものです。 内部は立派なゆっくりした観客席に明るく広い回廊がめぐらされています。舞台のどん帳はその図案を南蛮屏風から取り入れた豪華けんらんなものです。また冷暖房設備のほか照明、音響効果などの諸設備も行きとどいております。 この後は市民のよき文化教養の場として大いに利用されることになりましょう・・・・。

更に、紙面には、同月10日に完成した日本二十六聖人殉教記念館の記事も掲載されていました。ともに、1962年6月生まれの建物は、2003年に日本の近代建築100選にもなった長崎が誇るべき名建築です。しかしながら、公会堂は余命数か月を宣告され、一方、二十六聖人記念館は、重要文化財指定を目指して長崎市が準備に入ったようです。

二十六聖人殉教地にある建物として、記念館はキリスト教の激しい弾圧と潜伏、奇跡の復活という布教の歴史を刻んでいますが、公会堂も廃墟から立ち上がった数万の貧しい人々が毎月の献金と、世界中からの支援によって建設運動を展開した奇跡の復興という歴史を刻んでいます。

どちらも長崎にとっては、かけがえのない歴史的遺産です。この二つの建物が、来年も揃って健やかな誕生日を迎えられますように。

投稿者

長崎都市遺産研究会
長崎都市遺産研究会

長崎都市遺産研究会は、都市の中で埋もれていたり、解体されようとしている貴重な建築遺産を発掘、保全し、次世代に継承するための支援活動を行う市民団体です。

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