長崎市庁舎の建設地に関する住民投票条例について③:市議会総務委員会議事録2016.06.08

2016.06.08 : 長崎市:平成28年総務委員会 本文

          =開会 午前9時59分=
梅原和喜委員長 出席委員は半数以上であります。
 ただいまから、総務委員会を開会いたします。
 傍聴されている方にお願い申し上げます。委員会室内での発言、拍手等は一切認められておりません。写真撮影や録音等も禁止されておりますので、ご協力をお願いいたします。また、携帯電話やスマートフォンは電源をお切りいただくか、マナーモードに設定していただくようお願いいたします。
 委員外議員の皆様にも申し上げます。委員外議員の発言の取り扱いについては、委員外議員の発言は、同一議員につき、同一議題について2回を超えることができないとする申し合わせが既に決定しておりますので、よろしくお願いいたします。また、質疑等がある場合には、総務委員の質疑が終了してから申し出ていただくことになりますので、ご理解、ご協力いただきますようお願いいたします。

〔審査日程について協議した結果、審査日程
(案)のとおりとすることに決定した。〕


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梅原和喜委員長 それでは、議案審査に入ります。
 第76号議案「長崎市庁舎の建設地に関する住民投票条例について」を議題といたします。
 本件につきましては、去る5月25日に開催された臨時会における総務委員会において審査を行い、請求代表者より「県庁舎跡地活用に関し、土地の所有者である県の意向を確認してもらいたい」という要望があったことから、県の意向確認を行うことで決定し、継続審査としておりました。
 このことを受けまして、6月3日金曜日に、正副議長及び総務委員会正副委員長において県を訪問いたしましたので、議長より「長崎県への訪問結果について」のご報告をお願いしたいと思います。なお、毎熊議長は総務委員でもあられますので、委員席に着席されておりますけれども、報告については議長としてのお立場でお話しいただき、質疑に対しても、議長としてお答えいただくこととしております。
 それでは、毎熊議長の報告をお願いいたします。

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毎熊政直議長 ただいま議題となっております、第76号議案「長崎市庁舎の建設地に関する住民投票条例について」の審査に伴う長崎県への訪問結果について、ご報告を申し上げます。
 5月25日に開催されました臨時会の総務委員会における第76号議案「長崎市庁舎の建設地に関する住民投票条例について」の審査の中で、請求の趣旨が、「長崎市の新市庁舎を県庁跡地に建設が検討されている施設などとの複合型施設とする方向で県と協議すべき」という内容であり、請求代表者からも県の意向を確認してほしいとの要望が出されたことから、県の意向確認を行うことと決定いたしましたので、市議会を代表し、正副議長、総務委員会の正副委員長4人で、6月3日に長崎県を訪問し、里見副知事と面会いたしました。その概要について、委員の皆様にご報告申し上げます。
 副知事には、まず、私のほうから、県庁舎のあるこの場所は、懇話会の提言にあるように、公共機関の事務所用地などで継続して使うよりも、土地の価値、将来に対する可能性を見出すような土地の利用法で進めていくというお考えであるのか、また、「多目的広場」、「交流・おもてなしの空間」、「質の高い文化芸術ホール」の3つの方向性を中心に検討を進めていくというお考えであるのかということをお聞きいたしました。
 これにつきましては、平成21年から懇話会を2度設置するなどしてずっと検討している中では、出島の近くということからも、将来の可能性や価値をもっと幅広くやったほうがいいという議論や、事務所機能となるオフィスとして高層になって、出島との調和や景観上の問題もあるのではとの議論もあって、こういう経過は重いものだと考えておられるようでございました。
 3つの方向性につきましては、さきの2月定例会でも、長崎県民全体の代表者である県議会に対して説明してきており、このことは今も変わっていないとのことでした。
 次に、請求代表者から、市庁舎を県庁舎跡地に建設するとした場合、土地については売買なのか、あるいは無償で提供していただけるものなのか、県の意向を確認してほしいという要望があったことをお伝えしましたが、これまでの経緯、積み重ねがあると。県民全体の議論を踏まえながら時間をかけてやっているし、長崎市からは正式にはホール機能を含めた提案をいただいて協議もしているところで、いろんな提案に一つ一つ答えることは難しい。市庁舎の問題は、市や市議会で議論すべきで、お答えする立場にはない。また、これまで協議を積み重ねて、手続は進んでいると認識をしている。貸すつもりがあるのかないかという議論に入ることさえお答えしかねる立ち位置まで来ているのだろうという認識を持っているというお答えでした。
 主に、長崎県の訪問結果については以上のような要点を取りまとめて報告をさせていただきます。
 以上でございます。

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梅原和喜委員長 ただいま、長崎県への訪問結果について報告がございましたけども、委員の皆様から質問等はございませんでしょうか。

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野口達也委員 今、議長が報告されたことと、それから翌日の新聞記事、これには副知事の説明と議長の説明に食い違いを見せたと書かれております。この点について、まず一番大きいのは、この新聞記事によりますと、議長のほうでは、これまで議論を重ねているので、今さら県庁跡地に市役所をという話にはなれないということだったということですが、県のほうでは、仮の話を持ってくる前に、市側で議論をする段階であると、まず市側でしっかり議論をすべきではないかと、可能性については明言を避けたということが書かれているわけです。これについていかかでしょう。

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毎熊政直議長 先ほどの報告いたしましたとおり、里見副知事のほうからは、私がお尋ねする中で、平成21年から県庁跡地については懇話会や議会を含めて、いろいろな議論を積み重ねてきていると。そして長崎市からも、昨年私も一緒に同席したんですけど、市長と私と、8月4日だったと思いますけど、県知事のほうに正式に、県庁跡地にぜひとも公会堂機能を含めたホールを県市一体となってつくらせてくださいという正式な要望もしております。そういうことも含めて議論が進んで、ほかの全てのものも、先ほど申し上げたような理由も含めて、議論が深まってきているので、もうそういうことを県として議論するときではないと。だから今進めている方向で進めていくんだということを里見副知事はおっしゃって、ほかのことは今いろいろ話をする、議論をする立場ではないということをはっきりおっしゃいました。ですから、新聞記事のほうを私は知りません。私も終わった後、記者の方から各社取材を受けました。私は、議論の中身は今お答えしたとおりのことをマスコミの方にもお伝えしました。ですから、里見副知事がどういう意向を持って市や議会で議論すべきだということをおっしゃったのか、私どもはあくまで県の財産ですから県にお聞きしに行かなければならないと判断したわけであって、どういう意味でおっしゃったか私はそこははかりかねます。

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野口達也委員 ということは、先ほど議長のほうから報告があったように、2月の県議会で県のほうはその3つの案と、しかもその3つの中の1,000席のホール。これについてそっちの方向で進めているんだと説明して、その方向で動いているという理解をされたということでいいわけですね。

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毎熊政直議長 今の野口委員がおっしゃったように、県としては1,000席のホール機能ということは議会のほうにもきちんと報告して、議会の意見もいただきながら進めているということでございました。

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吉原 孝委員 今のご報告をうかがいますと、3つの機能については堅持をしていくというような意向だったということでございますが、市も県も同じですが、二元代表制の中で、議会と行政の果たす役割というのがあるわけですが、行政は今おっしゃったような内容で、跡地活用については、3つの機能を堅持するというような内容であったという、そういうご報告ではなかったのかなと思いますが、あと県議会のほうですよね。議会については、この方向性について報告をし、一定の意向確認はしたという今のご答弁だったのですが、そのあたりについての現況はどうだったのかということをお尋ねしたいと思います。

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毎熊政直議長 里見副知事と約30分間、質疑を繰り返させていただいた後、県議会の田中議長にアポイントを取らせていただいておりましたので、引き続き、田中議長にも議会としてのご意見を賜りに訪ねました。議会としては、県民全体の財産だから、県民の皆さんとよく議論をして、議会としても取り組まなくちゃいけないと。そして、県議会としても、先ほど申し上げましたように、先の特別委員会でホール機能も含めた3つの機能を正式に議論をしておりますというふうなお答えがありました。
 以上です。

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吉原 孝委員 一定の理解を示したいと思います。それと、さきのこの委員会におきまして、県庁舎と同時に、県警跡地と教育委員会棟についても、活用策について県のお考えを尋ねてほしいというような内容ではなかったと思いますが、その点についてはいかがでしたか。

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毎熊政直議長 その点については今回はお尋ねしておりません。
 以上です。

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内田隆英委員 2点ほどお伺いしますけども、総務委員会で質疑され、そして住民投票をどうするのかということを審議しているんですけども、県に申し出たときに、県はこれまでの協議の結果、複合施設を含めてさまざまな協議をして考えてきているという中で、市議会として、県庁跡地に市役所をとなった場合はどうなのかということはお聞きにならなかったのでしょうか。

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毎熊政直議長 まず、今回県と協議をしに行く前に前段で、仮定の話は一切答えられないというようなきちんとしたすみ分けがございましたので、そういう仮定の話は一切ご質問をしておりません。
 以上です。

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内田隆英委員 もう1点ですけども、議長のほうから、市長と8月4日に県のほうに申し出に行ったということなんですけども、議長からも県庁跡地に文化施設をつくってほしいというような要望をされたというような今説明があったように聞き及んだんですけども、まだ市議会として、市長はそういう提案をされているけども、議会としては県庁跡地に文化ホール施設をつくれという決定はしてないんですよね。議長が県のほうに、ぜひ、つくってほしいということになれば議会がそういう意向であるというふうにとられても仕方がないかなと思うんですが、そこら辺はどうですか。

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毎熊政直議長 内田委員はご存じじゃないのかもしれませんけど、一昨年、6月議会だったと思いますけど、公会堂の廃止条例が出ました。その時に、これも継続審査にして十分な議論をお聞きして、積み重ねてきた中で、議会として附帯決議をつけたんです。次の新しい公会堂をどこに早くつくるか、それをまず第一義として、県庁跡地に公会堂にかわるホール機能をぜひ一緒に合築するようにと、その協議を進めるようにというような附帯決議をつけたわけです。
 ですから議会で決めたことを私は市長と一緒になって、早く県の返事をくださいと。去年の8月の時点でまだ正式な返事がきていなかったもんですから、そのルールにのっとって私は行動を起こしたまでです。
 以上です。

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永尾春文委員 1点ご質問をさせていただきます。やはりその土地の売買、無償についての質問のくだりなんですけど、里見副知事の回答としては、貸すことができるできないの返事すらそういう状況ではない、立場ではないという言い方を、そういったこと自体が限りなく可能性がないというような形に受け取れるんですけども、議長としてはどのようにお考えになりますか。

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毎熊政直議長 この質問をする前段で、長崎市は県営野球場、そして長崎商業高校跡の総合体育館、アリーナかぶとがに、ここも無償で貸しているから県のほうにそれくらいの要求はしてもいいんじゃないかという一定の考え方もあるということもご説明をして、そこを踏まえて、お貸しになっていただけるのかどうかを考えられるのかお尋ねしたわけです。そうすると先ほど申し上げましたように、種々議論を尽くして、県庁跡地についてはそこまで積み上げてきてるから、今さらそのことに対して答えを私が言う立場ではないと。多分変な誤解が生じてもいかんからですね。私がそのことについて今答える立場ではないというふうにおっしゃいました。

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野口達也委員 再度お尋ねしますが、いろいろ進む中で、議長、副議長、委員長、副委員長、4名で県と対応されてたわけですけども、新聞にはいろいろ明言を避けるとか食い違いがあるというふうなことを書かれてますけども、議長として、それから委員長、副委員長にもお尋ねしたいんですが、感触としてどうだったのか、率直なところ。

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毎熊政直議長 先ほども申し上げましたように、私はここで出た事実関係の言葉しか皆様にご報告できません。私もここで、そういう想定論は言えませんけど、ただ、現実的にもうそういう協議さえできないような時期まで議論はもう深まっているんだという副知事のお話でしたので、もう今の話を進める以外ないというふうに私は取りました。

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梅原和喜委員長 委員長、副委員長もその里見副知事の意向確認の席に同席をさせていただきました。里見副知事の話の中で、毎熊議長と重複するところがございますけれども、平成21年からこの県庁跡地の活用については県民懇話会を2度開催し、今年2月の県議会の定例会に県の方針をお伝えしているということについては、県民の皆様にも懇話会も開いていろんな貴重な意見をいただいて、3つの方向性をもってしっかり議論をしているということだけは私も確認をさせていただきました。
 以上です。

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山口政嘉副委員長 私が直感で感じたのは、やはりこれまで県民全体の意向を酌んでいろいろ議論を重ねてきていると。今さら県庁跡地に市役所をという話にはならないと。時期的にやっぱり遅いという感じを受けました。私はそういうふうに感じました。

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梅原和喜委員長 ほか、ございませんか。
 ないようでしたら、委員外議員の皆様からご質問等ございませんか。
 ただいま、幸委員外議員より発言の申し出があっております。長崎市議会会議規則第97条第2項の規定に基づき発言を許可します。

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幸 大助議員 今までの話を聞いたところ、私も新聞報道でしか知らなかったんですけど、毎熊議長の報告を聞いてそのときの内容はよくわかりました。
 それで、私の意見としては、県は計画どおりに進んでいるんだと、また、長崎市長も計画どおり進んでいるんだという中で、今回住民の皆様が自分たちの意見を届けたいということで署名活動をされました。前回も申し上げましたが、サッカーのスタジアム建設署名10万人、公会堂保存7万人。しかし、その署名が法的手続を踏んでいないということで、数が10万でも7万でも長崎市のほうは重く受け取るということだけで、そのままお蔵入りになっている状況で、今回正式な署名活動をして3万人という数が集まったと。そこをどうかご理解いただいて、県は県、市は市の立場があるんでしょうが、住民の皆様はそこを市議会に、二元代表制ですから、市議会のほうになんとかお願いして、もう一回県庁跡地に市役所をという希望を持って、この署名を集められて提出したと思います。
 ですから、今県にお伺いに行った結果は聞きましたけど、ここで総務委員会としては、ぜひこの3万の数を無駄にせず、住民投票をやる方向で、どうか決定していただいて、その住民投票の結果というのはやってみないとわかりません。住民投票自体をやらないでいいという結論にはぜひしないようにお願いしたいと思います。

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梅原和喜委員長 幸議員に申し上げます。現在、質疑の段階でございますので、質問を明確にしてください。

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幸 大助議員 それで、里見副知事の返事がですね、今毎熊議長の発言を聞くと、肯定も否定もしていないんじゃないかというふうに私は受け取るんですけど、その点いかがでございましょうか。

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毎熊政直議長 まず、幸議員にご確認いたしますけど、私どもは総務委員会として、今回の3万名近くの方々の署名を重く受けとめて、それで所有者である県に聞きに行ったんです。所有者である県が貸してくれるのか、売ってくれるのか、あそこを市庁舎として使わせるような考えがあるのか、まずその基本をお尋ねに行ったわけです。ですから、それを無視して行ったわけではございません。そして、県に行く立場でも私たちは、市が主導的に意見を推し進める立場ではございません。最初はっきり申し上げましたように、こういう署名を集めて、住民投票の条例制定という正式手続を市民の方々が起こされているから、それを真摯に受けとめて、こういうことでお尋ねに来ましたということを前段できちんとお断りをして訪問したわけです。
 ですから、そういう意味で、私は住民投票をするべきか否かということは県の意向を確認しなければ、いくら住民投票で長崎市民の多くの方があそこに市役所をとおっしゃっても、県がノーと言えば住民投票すら何の意味があったのかということになるから、市民の方に判断していただくにも、県が本当に無償で貸してくれるのか、例えば前回の委員会で出たように、60億円近くのお金を出してでも、あそこを買ってでも市役所をあそこに建てろとおっしゃるのか、そこら辺の判断基準を明確にするために県のご意向を確認しに行ったわけでございます。
 そして、今お尋ねになられましたけど、里見副知事は言葉の一つ一つを慎重に選んでお答えをしておられるわけです。私は私なりにその感覚を得ました。しかし、その感覚を私がここで、おっしゃらなかった言葉をつけ加えて、私の感覚でここに報告するわけにはいきません。ですから、事実関係、使われた言葉をそのままここにお伝えしましたので、あとは各委員の皆様方のご判断に委ねるというのが私の立場です。
 以上です。〔「議事進行」と言う者あり〕

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深堀義昭委員 質問の内容が、今正副議長、正副委員長が訪問された報告に基づいて見解を求めることであって、本来の審査はその後にするわけですから、そのひとつの段階として、この前訪問した経緯、そのときの答え、その背景は既に幸議員もご存じのはずなんです。議事進行上整理をして、この前県に行かれて意向を確認されたものに対してのみ、委員外議員に発言の機会を与えられたほうがいいんじゃないかと。議事進行上、お願いしたいと思います。

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梅原和喜委員長 現在は、6月3日に県を訪問した内容の質疑をしておりますので、その点に集中して質問をしていただきたいと思います。

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幸 大助議員 それを踏まえてお尋ねします。先ほど毎熊議長の報告で聞きましたけど、その里見副知事の答えは、長崎市、あるいは市議会のほうで話を決めてから、その上での話じゃないかというふうに言われたと私は受け取ったんですけど、そういう受け取り方で間違いないでしょうか。例えば、この総務委員会なり市議会が住民投票をやってみて、それからもしどっちに転ぶかわかりませんけど、県庁跡地に市庁舎をということで住民投票がもし通ったとした場合、そのときに改めて県のほうに申し出に行ってもということを言われたようですけど、その辺の感触といいますか、今の段階では答えようがないということだったということですか。

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毎熊政直議長 先ほどもご報告しましたように、県のほうは長年時間を積み重ねて、議論を重ねて、県民全体の意向も確認しながら今まで議論をしてきたんだと。長崎市庁舎のことについては、市民と市と議会で議論してくださいと。市庁舎のことですよ。ですから、市庁舎のことをいきなり県に持ってきていろいろ言われても私たちは答える立場じゃございませんということです。そういうふうに私は受け取りました。

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梅原和喜委員長 ただいま山崎委員外議員より発言の申し出があっておりますので、会議規則の規定に基づき発言を許可します。

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山崎 猛議員 ちょっと私の頭の中を整理させていただきたいんですけども、この間のこの委員会での話で出たものが、結局県が土地を貸してくれるのか、売ってくれるのかという話になって、議長からそしたらそれを聞きに行かないと進まないじゃないかということで聞きに行っていただいたと思うんです。それは多分間違いないと思うんですけども。その中で、一番大切な部分で、県のほうからは、もう今は時期がずっと過ぎてきて、それにはお答えできないというお話だったと思うんですね。私が受けた感じでは、もう県はそういうんじゃなくて着々と進んでいるんだよというニュアンスのお話に聞こえたわけです。
 新聞の中では、市は市で議論しなさいと言われたんですけども、市はそれを土台にどうするかということを考えるということで言えば、今住民投票条例を審査してる我々のほうでは、市が言われる仮定の話には答えられないというわけですけども、もう仮定の話しかできないわけですよね。まあそうですよね、貸してくれるかどうかというのももちろん仮定の話ですし、建ててもらうというのも仮定の話ですし。ということはもうある意味、県はもうだめだよと言われたという認識でいいんですか。

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毎熊政直議長 先ほどもお答えしたように、先日の5月25日の総務委員会でも、請求代表者、参考人からご意見が出て、私も参考人にお尋ねしたんです。皆様方は県のほうにお考えを確認されたことはおありですかというお尋ねをした時点で、ありませんと。市も県も国も公共機関としては一緒の立場だろうということで、そういう考えのもとで自分たちは県には何も言っていないと、聞いてもないということでした。
 そして、私どもは今住民投票をするかしないかの条例を定める議論を今しているわけです。そうすると、この住民投票をするには、どういう条件で判断をすればいいか、ただ漠然と県庁舎跡地に市庁舎を建てていいですかと、感想で投票してくださいというわけにいかないわけです。土地を買わなければならないのか、無償で貸していただくのか、その第一歩の判断基準を、少なくともそこの要件を私どもも確認しないことには、市民の皆様に対して、どういう条件で投票を判断するのか、判断基準をお示ししなければならないという考えで県にお聞きをしに行ったわけで、今その遅いとか何とかよりも、もう1つは、先ほども話しましたように、もう7年間かけて県庁跡地についてはずっと議論をしてきております。私どもも一昨年から県庁跡地に早く公会堂機能をあそこに一緒に合築してほしいということは正式に申し入れをして、副市長を市の代表者として議論は積み重ねてきているわけです。だからそれを踏まえて、今さら遅いですよ云々かんぬんじゃなくて、まず、正式も何も、私どもは正式にはあそこに公会堂機能を早くということで議論を進めてきているわけであって、そういう今おっしゃるように、市のほうでどうしてもあれなら、逆に言えば市のほうが考え方を持ってこいと言われるのであって、私どもは過去の議論では、ホール機能を、公会堂機能をあそこにぜひ一緒に建ててくださいと、それしかお願いに行っておりません。これは事実でございます。ですから、ほかのことをまたああでもないこうでもないと、仮定の話をしてくれるなというのが県の立場だと私は感じてまいりました。

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梅原和喜委員長 ただいま、橋本委員外議員より発言の申し出があっております。会議規則の規定に基づき発言を許可します。

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橋本 剛議員 1点だけ、ちょっとご質問させてください。先ほど吉原委員のほうから、県警跡地と教育庁跡地については今回尋ねていったのかどうかということについて、尋ねてはいないんだという話だったと思うんですが、これはもともと県警跡地、教育庁跡地についての用途については聞いていて、市としては意向をある程度把握しているから聞かなかったということなのか、それとも県警、ここについても県庁のほうが検討を進めているので、聞かれても答えられないという同じような立場であるという理解のもとで聞かなかったのか、ちょっと教えていただきたいと思います。というのは、これ住民投票条例のほうを見てみますと、第2条というところで、住民投票の県庁跡地というのが、定義のところで、現在地から長崎県の各庁舎が移転した後の当該各庁舎の敷地及びその周辺をいうとなっているので、県庁跡地の利用の話のときに、県警とそれから教育庁の跡地であったらどうなのかなというのは非常に興味が深いところなんですが、そこについてはどういうふうだったのか教えてください。

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毎熊政直議長 今回お尋ねしたのは、5月25日の総務委員会の議論を経て、県庁跡地を、土地を無償で貸していただけるか、また売ろうというお考えなのか、そこを質すということで行ったわけで、その附属する県警跡地と教育庁については一切、議論の中に出しませんでした。
 以上です。

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橋本 剛議員 それは議論はされなかったということで、それも含めて全体で聞かれたというわけではなくて、教育庁、県警については言及をせず、言ってみれば本体の部分についてお話をされたという理解でよろしいでしょうか。

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毎熊政直議長 委員会での県にお尋ねに行くという趣旨もその本体のみの部分で、その附属機関に対することも聞いてきてくれというような議論は一切行っておりませんので、議論に沿った形でお尋ねに行ってきたわけでございます。
 以上です。

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山崎 猛議員 今も言われたんですけど、先ほどからそうですけども、5月の委員会を受けて、貸してもらえるかどうかということの1点で行かれたということなんですけども、それに関しては回答をもらえなかったということは、全然進んでないという理解でよろしいんですか。5月の状況と変わらないということでいいんですか。

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毎熊政直議長 先ほども申し述べましたように、県としては県民全体の意向を踏まえながら今まで長年時間をかけて積み重ねてきた議論ですから、今そのことの一つ一つにお答えをする立場ではございませんと、そういうふうにおっしゃいました。
 以上でございます。

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梅原和喜委員長 ただいま、浅田委員外議員より発言の申し出があっております。会議規則の規定に基づき発言を許可します。

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浅田五郎議員 この問題で一番大事なことは、県から玉虫色の答弁をいただいたというふうに私は受けとめているわけです。受けとめ方によっては、もう我々は会を進めてきているからどうにもなりませんというような受けとめ方もあるだろうし、それは市議会が、あるいは市が決めることであって、私たちが決めなければならない問題でないんじゃないかという受けとめ方が新聞に書いているわけですからね。私は、少なくとも里見副知事の名誉のためにもきちんと真意を聞く必要があるだろうと、場合によっては、この市議会において、里見副知事に参考人として来ていただいて、あなたの玉虫色は一体何なんだということを聞くだけの権威がこの長崎市議会にあるだろうと。それはなぜかというと、皆さん方が述べられておりますように、3万名の署名の意義は十分認めますということです。認めるならば、玉虫色のままで結論を出すわけにはいかないだろうと。本当にご意見を聞く必要があるだろうというのが1点です。それから、ここに6月3日、8時37分に県のまちづくり推進室が県議会の総務委員会に送ったデータがあります。時間いただきますと、住民投票条例制定の直接請求について、長崎市議会との面会を本日行いましたので概要について報告しますということなんですが、その中にですね、確かに今、市議会の議長から言われましたように、県はこれまでの経過を踏まえて、今年2月に県議会に示した「広場」、「交流・おもてなしの空間」、「質の高い文化芸術ホール」という3つの方向性に沿って今後も検討するという考えでよいのかというご意見がありました。これは市議会からの質問です。もう1つは、条例制定請求者が求めている県庁跡地に市役所をということについて、そもそもこの土地を利用することはできるのかどうかというこの2点の質問が市議会からあったのでということで、県は次のような回答を県議会の総務委員会に送っております。これまでの県議会でのご議論、長崎奉行所、西役所などの重層的な歴史を有する県庁舎跡地の特性など有識者懇話会などの提言を初めとする検討経過、2月定例県議会で報告した現在の方向性、さらには市、市議会と県との協議経過も踏まえつつ検証を進めているという県としての基本的な考え方を説明いたしました。それは文化ホール、その他について市のほうから正式にお願いしているわけですから。そしてその次には、市庁舎の位置をどこにするのかという問題については、まずは市や市議会で議論していただくことであると考えており、土地を貸す貸さないという議論以前の段階であって、これまでの県議会や懇話会の積み重ねとして、現在の状況がある中ではお答えできる状況でないということを説明したと書いているわけです。ということは、長崎市議会を子ども扱いしたわけではないんですよ。少なくとも、我々に貸していただけるか貸していただけないか。例えば、県庁舎跡地を貸してくれるならば、住民投票いたします。貸せないなら住民投票しないというふうな形の中での子ども扱い的なことではないと私は思っているわけです。少なくとも県が言っていることは。

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梅原和喜委員長 浅田議員、質問を明確にしてください。

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浅田五郎議員 要するに県が言っていることは、まず、市、市議会が正式に結論を出して、持ってきていただければそれについて十分我々は話し合うだけの余地があるというような回答を私はしたと思っている。〔「それは本人の考え方」と言う者あり〕だから、今言うように、あなたたちの考え方と、同じ市議会でも私の考え方が違うんだから。〔「議事進行」と言う者あり〕

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筒井正興委員 先ほども深堀委員からありましたように、この今の時間というのは、正副議長、正副委員長が県に行って意向を確認したというふうなところでそれに対する質疑であって、今のような自分の意見を言うところじゃないですから、そこのところを整理をしていただきたいと思います。

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梅原和喜委員長 重ねて申し上げますけども、現在はこの前県に行った意向確認を質疑の対象としておりますので、言葉を選んで質問をしてください。

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浅田五郎議員 委員長、私は少なくともあなたが言ったのは、県庁舎跡地をどうするか、無償で貸してくれる、貸さないのかいろいろな方法だったと思うんですが、県はそのことについては答えてないんですよ、貸すか貸さないか。それは正式に市議会として貸してほしいという意見じゃないんです。貸してくれるならば住民投票すると、貸さないなら住民投票しないということがあるから私は少なくとも、そのための私は意見……〔「委員長」と言う者あり〕

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毎熊政直議長 私ども市議会としては、県に土地を貸してくれとか売ってくれとかいうことを正式に議論して議決もしてないんです。
 ただ、この前請求代表者の方、参考人の方からこういうご要望があったから私どもも署名を重く受けとめて、県の意向を確認に行っただけです。ですから県の答えも、それは市庁舎の位置を県がいろいろ言うことじゃないっていうことをお答えになったわけです。それは市のほうで決めなさいと。今まで私どもは、市庁舎は公会堂跡ということで議論を積み重ねてきていた時点で、こういう住民投票やってでも変えろというような要求が市民の方からあったから、それを受けとめてお尋ねに行って、そしてそこで今返ってきた答えがそういうことで、県のほうに跡地を、市庁舎どこに建てろ、あそこに建てろ、ここに建てろというのを県が口を挟むことは何もないですよと、そのことをおっしゃったわけです。

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浅田五郎議員 要はこういうことだと思うんです。この住民投票条例の制定についての議案として受けとめて、あなたたちは審議しているわけです。審議した過程の中で、市民の会の方々から住民投票の実施をお願いしてきたと。議会の皆さん方は、私は傍聴しておったからよくわかっているんだけども、要するに、貸してくれるか貸してくれないかわからんのに、住民投票する必要がないんじゃないか。それをじゃ聞きに行ってみるかということでまずはこれは話をしたと。ところがその前に、文化ホールについてお願いを市長と議長がしてるわけですから。それについては、正式な回答はまだいただいてないはずですね。今審議中で、特別委員会で。だから、県議会としても最終的にここに文化ホールを建てるということもまだ決めていない。その過程の中で住民投票の問題が起こってきたわけです。そして、長崎市議会は、要するにこの現在地と、あるいは勤労福祉会館、公会堂、それが1つの市役所を建てるエリアとして提案があったけども、住民側が言う県庁舎跡地に市役所をというのは新しいエリアとして、住民の意見を市民に問うてはどうだろうかということはあるんです。ところが貸すか貸さないかというのはわからないけども、たまさか議長が相手に対してどう言ったかっていうのを、長崎商業高校跡地のあの広大な土地を県立体育館に30年間無償で貸していると。ビックNは無償であそこはやったと、だからそのくらいならば長崎市民、県民の要望を聞いてもらえるだろうと。県庁所在地の県民の、その意見を決めるのが実はこの市議会であるわけですから、私は県庁舎跡地について、これだけの里見副知事の意見を聞いて、いや県は貸さないだろうとかじゃなくて、私は正式に里見副知事の名誉のためにもここに呼んできて、最終的な意見を聞くべきだと思います。そうしない限りは、今野口委員も言ったように、新聞に書いてるように、玉虫色の意見を自分たちの都合のいいように解釈して決めたとしか思われないんじゃないかとそれが心配なんですよ。

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毎熊政直議長 里見副知事と私は一緒にマスコミの方からのぶら下がりは受けておりません。私は個別にお受けしました。だから、そこで記者の方にどう話をされたか私はお聞きはしておりませんが、私は正式に里見副知事とこのことについて質疑を繰り返させていただく中で、そこで出た言葉、そして私もここで自分の感覚でご報告はできないと判断しておりますので、出た言葉をそのまましているわけです。私どもは、この本委員会は住民投票するか否かという議論をしているわけです、条例の制定のために。そうすると県が、今浅田委員がおっしゃったようなこと、ビッグNの話、総合体育館の話も出ました。それは希望論であって、想定であって、そういう話は、当然こっちはそう思っても向こうはどう受け取っているかそれを答える義務もないし、そういうニュアンスでおっしゃいました。だから一つ一つのことにはお答えできないということです。ですから私どもは、県のほうに市議会が正式にあそこに市役所を建てさせてくれと言ったにしても、それから県民の方にご意見を聞かれて、議会の議決を経て、そういう時間を経ないとこの話は進みません。私どもは何もないのに、いきなりあそこに市役所を建たせてくださいというふうなことを議会としてそういう無責任なことは言えないわけです。だからそこの状況を、県の考え方をお尋ねに行って、そして玉虫色とかおっしゃいましたけど、私は目と目を合わせて話をした中では、里見副知事の考えというよりも県の意向を私はきちんと感じ取りました。それを私がどう感じたかということは私はここで言う必要がないと思って、出た言葉だけを報告します。

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梅原和喜委員長 浅田委員外議員はもう2回目でございますので〔「いやいや、2回と決めてるの」と言う者あり〕これで打ち切りたいと思います。

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深堀義昭委員 委員外議員からビッグNの問題とそれからアリーナかぶとがにの体育施設の問題、これは商業高校の移転にも伴います。また、体育施設については、長崎市が土地を提供するから施設をつくってくださいという立候補をして提供した土地でございます。ビッグNにいたしましても、野球の公式戦ができる球場をつくってほしい、その運営を県にお願いをしたいという形で提供したということは事実でありまして、貸してるから権利があるんだということじゃない。その当時の議会は県に対して要望をして、ほかからも手が挙がったものを誘致をしたという経過があることだけは記録に残しておいてほしいと思います。

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梅原和喜委員長 はい、わかりました。
 それではほかに質問がないようでございますので、以上をもちまして「長崎県への訪問結果について」の質疑を終了いたします。
 それでは前回からの審査も踏まえて、何か質疑等はございませんか。
 ないようでございますので、質疑を終結します。
 暫時休憩します。
          =休憩 午前10時54分=
          =再開 午前11時30分=

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梅原和喜委員長 委員会を再開します。
 次に討論に入ります。何かご意見はありませんか。

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筒井正興委員 ただいま議題となっております第76号議案「長崎市庁舎の建設地に関する住民投票条例について」、明政クラブを代表し、住民投票に反対の立場で討論をいたします。
 先ほどの議長に対する質疑の中でもありましたように、県は3つの機能をここに創造するということで進めていって、関係者、有識者からのご意見を聞きながらやっていて、今さらここに市役所をどうということは全く協議するときではないと、そこまで話は進んでいるという見解であったと思います。また、議長、正副委員長もどうにもならないという感触であったというふうに思われました。
 私は前回の委員会でも言いましたけど、そもそも住民投票自体の議論が乱暴であると思っております。本来、住民投票は、市の土地に市が何かを建設するということに対して賛成か反対かということであって、県の土地ということで、仮に住民投票が成立したところで、県が反対ということになれば住民投票が何だったのかということから考えますと、3万人の署名の重さは理解するものの、住民投票には反対ということで討論といたします。

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内田隆英委員 ただいま議題となっています第76号議案「長崎市庁舎の建設地に関する住民投票条例について」、日本共産党として賛成の立場から意見を申し上げます。
 請求者は長崎市庁舎建設について、県庁跡地に市役所をという署名に取り組み、有効数は29,959人となっています。この数字は長崎市の人口の約8%に匹敵する数であります。長崎市の将来のまちづくりを真剣に考え、短期間にこれだけの署名を集めることにご尽力された関係者の皆様に心からの敬意を表するものです。
 日本共産党は、県庁舎跡地の活用は県庁の現地建て替えを主張してきた経緯があり、県庁舎跡地への市庁舎建設をという主張には現在のところ賛同する立場にありませんが、短期間のうちに多くの市民が県庁舎跡地に市庁舎建設をという署名に賛同している事実を見る限り、市民の声をしっかり聞くべきだと考えます。また議論の中で、県庁跡地は県有地であり、長崎市が勝手に建てさせてとは言えない旨の発言がありましたが、長崎市民も県民であり、県有地に市庁舎建設をという主張をする権利は存在すると考えます。
 市長は、この条例制定に反対する意見書の中で、これまでさまざまな議論を経て、公会堂跡地へ新市庁舎を建設することが決められた経緯があり、改めて市民の声を聞く考えがない旨の意見を述べられています。しかし、これだけ多くの市民が県庁跡地に市役所をと希望しているのです。議会として、こうした市民の声を尊重し、住民投票で全市民の声や意見を聞くことは、民主主義の観点からも極めて大事だと考えます。さらに市民力を掲げる市長なら、反対でなく、住民投票実施の先頭にこそ立つべきではないでしょうか。
 市民こそ主人公という姿勢で一貫して活動しているのが日本共産党です。市民の声はよく聞き、市政に生かすべきだとの立場から、この議案については積極的に賛成といたします。

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野口達也委員 ただいまの第76号議案「長崎市庁舎の建設地に関する住民投票条例について」は反対の立場で、以後、意見を申し上げます。
 まず今回の請求は、市庁舎の建設を県庁跡地にというものですが、県庁跡地は県有地であり、6月3日に議長、副議長、総務委員長、総務副委員長が里見副知事を訪問をされた際の報告にもあったように、県は平成21年より7年かけて県庁舎跡地活用検討懇話会からの跡地活用にかかる提言、この3つの方向性についてこれまで協議をし、今年2月、県議会ではその方向で動いている旨の表明も行っております。
 また、私たち長崎市議会においても、過去平成7年より20年以上の歳月をかけ、公会堂跡地への新庁舎建設を検討し、議会も特別委員会等を設置をし、市は方針を決定いたしております。
 このようなことから、今回の2万9,959名の署名は非常に重く受けとめるものの、周りのこれまでの状況等を総合的に勘案し、今回の住民投票を行うべきではないと判断をいたします。
 以上です。

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吉原 孝委員 ただいま議題となっております第76号議案については、反対の立場から討論をいたしたいと思います。
 住民投票に向けた直接請求では、法で要求される50分の1を多く上回る2万9,959名の署名が集まりました。この数字が多いのか少ないのかは人によって考え方が分かれるだろうと思いますが、市民がまちづくりの未来を真剣に考え行動し、一定の結果を残した意味は非常に大きいと評価をいたします。それを受けて討論をいたしたいと思います。
 まず第一に、市庁舎建設等につきまして、これまでの決定の経過につきましては、平成23年度から平成25年度にかけて、市議会の特別委員会、あるいは市民懇話会、市民会議、アンケート、パブリックコメントなどを通じて決定した経緯がございます。私はこれを重く受けとめるべきであると考えます。
 また、県庁舎跡地活用検討懇話会の意思決定につきましては、先ほど議長からも報告がありましたが、跡地活用の基本的な考え方として、3つの機能としての「多目的広場機能」、「歴史情報発信機能」、「質の高い芸術文化ホール機能」が示されておりますが、この件に関しましては、跡地活用はあくまでも県が主体であり、今回の議会代表の関係で、3機能を堅持する旨の受けとめがなされているという判断をいたしております。したがって、市庁舎建設の構想はないものと私は判断をいたしました。なお、住民投票を行い、その結果をもってもなお、法的効果が望めないと思っておりますので、住民投票については反対の立場を堅持したいと思ってます。
 また、3つの機能の活用策につきましては、都市再生のいわゆる長崎市の中央エリアを担う場所として、ふさわしい活用策を今後提言してまいる必要があるのではないかと思っております。3つの活用策のほかに、駐車場機能、あるいは交通のターミナル機能等も今後十分に考えることによって、あの地区の活性化が図れるのではないかなとそう思っております。
 次に、市庁舎を高台におくべきという、いわゆる災害時の司令塔としての安全度が県庁跡地のほうが高まるということが述べられておりますが、市民の安全安心を守るのは行政の最大の責務だと私は思っております。防災拠点としての機能を果たさなければ意味がないとそう思っております。市の見解を質しますと、公会堂は昭和57年、7.23大水害時に浸水の被害を受けてなかった。それからその後、本河内西山水源地の治水ダム化、及び中島川の左岸右岸両岸のバイパス工事が行われる。これによって、水害に対する安全性の向上が格段に図られたということ。さらに津波に関しましては、東日本大震災時と同じ規模の津波が想定した場合に4メートルと計算をされておりますが、公会堂は海抜7メートルで安全という回答をいただいております。私はそれを信じたいと思います。
 次に、本市のまちづくりの大きな方針として、長崎駅周辺、あるいは松が枝、水辺の地区、それからまちなか地区、この3つの拠点を結ぶ重要な位置に市役所はあると思っております。公会堂跡地に移転することにより、まちなか地区に近づくことになり、市庁舎とまちなかが相互交流とにぎわいが期待できる、そういう魅力として市庁舎の位置を公会堂跡地に決定することにより市のまちづくり、グランドデザインが描きやすくなる可能性が大であるとそう思っております。また、県庁舎の移転につきまして、最初に述べた市中心部衰退の懸念についても述べられております。また、そのような運動と、建物としての価値が高く、市民の文化活動を長く支えてきた公会堂の解体に対する反発、これが入り混じって今回の署名活動となった印象を受けております。
 行政の意思決定変更の最良の手段として、首長の交代が私はあるんではないかと思っております。昨年度、統一地方選挙の前に、署名活動をされた方々からお話がありましたが、公会堂存置に7万人の署名、さらに先ほど委員外議員からもお話がございましたが、サッカー場建設に10万名の署名を得たと、そしてさらに今回の3万名の署名活動ということで、多くの方々が今回の市庁舎を県庁跡地ということで賛同を得たというようなお話があっておりますが、であるならば、それがさきの地方選挙の前からそのような動きがあったとするのであれば、これらを争点として、現在の市長の対立候補を出すべきではなかったかと思っております。公会堂、あるいは市庁舎問題について田上市長に反対する、それを市民が1票を投じて、意志を表明する機会をおつくりになるべきだったと私はそう思っております。住民投票に匹敵する行動ではなかったかとそれが残念でなりません。
 以上をもって、私は今回の第76号議案に対する反対の討論といたします。

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永尾春文委員 第76号議案「長崎市庁舎の建設地に関する住民投票条例について」、公明党として、苦渋の決断ではありますが、反対の立場から意見を述べさせていただきます。
 今回の2万9,959名の条例制定請求の署名は、市民の皆様の行政に対する積極的な取り組みとして、私たち公明党としても真正面から受けとめさせていただきました。条例制定請求の要旨に則して、意見を述べさせていただきます。
 1.市民の安全・安心について。これについては市の意見にもあるように、公会堂跡地は昭和57年の長崎大水害でも浸水しておらず、その後、中島川水系において安全性向上のさまざまな対策が図られており、安全であると考えております。2.県・市の二重投資の防止とありますが、まさしくこのコスト縮減が新市庁舎建設において最も重要な課題であります。その中において、土地取得は建設費でも大きなウエイトを占める部分であり、今回の県庁舎跡地に関しては皆様の署名の重さに敬意を表し、正副議長、正副委員長が直接副知事と面談し、このことを確認した次第であります。その中で副知事は、土地無償提供、また売買のそういった議論すら難しい。すなわち、これまでの県民と県議会とのこの土地の利用に関する議論の積み重ねを重く考えると示されており、建設において最も重要な土地取得のコストを曖昧なまま、長崎市民の皆様に判断を仰ぐことは適切でないと考えております。3.市内各地からの行きやすさでありますが、約10年前、市町村合併に伴い、現在長崎市は外海町など北部、また野母崎町など南部と大変長くなっております。市民の皆様の行政サービス提供の場所の遠距離の問題がそこにあります。その解決策として、北部、南部は総合支所建設計画を今現在進めているところであり、この計画が長崎市全体の行きやすさ、また中央部の渋滞解消につながると考えております。
 いずれにしましても、今回2万9,959名の署名の重さを重く受けとめ、長崎市民全体が安心して利用しやすい行政サービス体制の確立のため、さらに努力していく決意であります。
 以上です。

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深堀義昭委員 自由民主党会派を代表してというよりも、先に仲間であります創生自民の吉原委員から討論がされたところでございますので、100%吉原委員の討論に対して賛同をするものであります。
 ただ、1つつけ加えおきますが、行政が市民の代表である議会に対して決議をされたり、またいろいろな問題を先送りにしたこと自身がこの行政の停滞を招き、また市民の皆さん方、特に今回住民投票に活動をされた皆さん方の奮起を促したのではないか。期待をされていない。これは理事者側はきちんとした立場で答えてやらなければいけないんではないかと思います。議会がそれなりの結論を出したにもかかわらず、その実行の印鑑を押さない、決定をしない、この姿こそが今問われている大きな不信感を持った形で、住民投票等も行われたという認識をいたしております。
 どうか、今後の市政運営については、議会と住民と、そして理事者側の執行機関とが一体となって、住みよい長崎市の発展のために、よい知恵を出し合う場を提供していただくことを強く望んで、この住民投票に反対の立場を明快にしておきたいと思います。
 以上です。

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梅原和喜委員長 ほかございませんか。
 討論を終結します。
 それではこれより採決をいたします。
 ご異議がありますので、挙手により採決いたします。
 第76号議案「長崎市庁舎の建設地に関する住民投票条例について」、原案のとおり可決することに賛成の委員の挙手を求めます。
       〔賛成者挙手〕

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梅原和喜委員長 賛成少数であります。
 よって、本案は否決すべきものと決定いたしました。
 以上をもちまして、本委員会の審査は全て終了いたしました。
 これをもちまして、総務委員会を散会いたします。
          =散会 午前11時48分=

 上記のとおり委員会会議録を調製し署名する。

 平成28年8月8日
          総務委員長 梅原 和喜

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長崎都市遺産研究会
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