長崎市役所の位置を定める条例の一部を改正する条例の撤回:市議会委員会議事録2014.05.29

新聞掲載-59

長崎新聞2016.05.30「新庁舎関連議案を撤回」

2014.05.29 : 長崎市:平成26年総務委員会 本文

    =開会 午前9時58分=


井上重久委員長 出席委員は半数以上であります。
 ただいまから、総務委員会を開会いたします。
 なお、麻生委員におかれましては、都合により欠席されておりますのでご了承をお願いいたします。
 まず初めに、座席の指定について協議をいたします。
 常任委員の所属の変更に伴いまして、久米 直委員及び源城和雄委員が本委員会の委員になられております。

〔座席の指定について協議を行った結果、次のとおり決定した。〕

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│井上 重久 委員長│堤  勝彦 副委員長│
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│平戸都紀子 委員│ │小宮 慶一 委員 │
├────────┤ ├─────────┤
│野口 達也 委員│ │吉原  孝 委員 │
├────────┤ ├─────────┤
│久米  直 委員│ │麻生  隆 委員 │
├────────┤ ├─────────┤
│源城 和雄 委員│ │梶村 恒男 委員 │
└────────┴─┴─────────┘

〔審査日程について協議した結果、審査日程(案)のとおり審査することに決定した。〕


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井上重久委員長 それでは、第4号議案「長崎市役所の位置を定める条例の一部を改正する条例」を議題といたします。
 本件につきましては、理事者より議案を撤回したい旨の意向が示されております。議案の撤回につきましては、会議規則第18条第1項により、議会の承認を要するものとなっており、本会議での議決が必要となります。
 しかしながら、本件につきましては、先の2月定例会においてすでに本委員会に付託され、継続審査となっていることから、理事者よりまず本委員会において、撤回の経緯及び理由について説明を行いたい旨の申し出がなされておりますので、この際説明を受けたいと考えております。
 なお議案の撤回につきましては、本会議で議決することになりますので、本日は理事者からの説明及び質疑まで行いたいと考えております。
 また、本日は、三藤副市長に出席いただいておりますので、ご了承をお願いいたします。
 それでは、理事者の説明を求めます。

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三藤副市長 本日は、議会閉会中にもかかわらず、総務委員会を開会していただきまして、ありがとうございます。
 それでは、先の2月議会において提案いたしておりました第4号議案「長崎市役所の位置を定める条例の一部を改正する条例」の撤回について説明をさせていただきたいと思います。
 新市庁舎建設事業の実施にあたっては、その建設場所を、公会堂及び公会堂前公園敷地としたことから、市役所の位置を現在の桜町2番22号から魚の町4番に変更するため、長崎市役所の位置を定める条例の一部を改正する条例を本年2月議会に提案し、本委員会において審査を行っていただきました。
 本委員会の審査の中では、本委員会に先立って行われた環境経済委員会の審査において長崎市公会堂条例を廃止する条例が、現段階での判断に必要な材料が乏しいこと、市民への十分な説明や検証を行う必要があると考えられることから継続審査となったため、それを受け、本条例についても、継続審査となったところです。
 また、これらを受け、平成26年度当初予算として計上しておりました新市庁舎整備に関する基本・実施設計費などについても、減額修正となっております。
 このような状況になりましたことにつきましては、重く受け止めているところでございます。公会堂を解体し、その敷地に新市庁舎を建設するという方針に変わりはありませんが、長崎市公会堂条例を廃止する条例については、継続して審査を行っていただいていること、また、大型事業の集中が予想される中、技能労働者の確保や円滑な施工が見込めるのかといったご指摘があること、また、大型事業の優先順位という点については、まずはMICEを優先してという趣旨の答弁をいたしております。
 このようなことを踏まえ、現状といたしましては、新市庁舎整備に関する予算を再度提案する時期ではないとの判断に至っております。新市庁舎整備に関する予算の計上をせず、条例の審査を継続していただくことは困難だと考えておりますので、提案しております第4号議案「長崎市役所の位置を定める条例の一部を改正する条例」につきましては、一旦、撤回させていただきたいと思います。
 繰り返しになりますが、公会堂を解体し、その敷地に市庁舎を建設するという方針に変わりはありませんので、今後は、議会のご指摘も踏まえながら、再度、新市庁舎建設事業の着手時期を精査してまいりたいと考えております。
 なお、着手時期の精査後、改めて、新市庁舎整備に関する予算とともに、今回、撤回いたします「長崎市役所の位置を定める条例の一部を改正する条例」を、再度提案させていただきたいと考えておりますので、ご理解をいただきますようにお願いを申し上げます。
 以上でございます。

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井上重久委員長 ただいま三藤副市長より説明を受けました。これより、質疑に入ります。

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野口達也委員 今、三藤副市長がこれまでの市の方針に変更はないと明言をされて、私もそうなんだなと理解をするんですけど。
 総務部長にお尋ねですが、この条例議案をですよ、私たちは継続審査という形にもっていったわけですけど、これをそのまま残すことはできなかったんですか、継続として。

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橋田総務部長 先ほど、副市長のほうからもご説明をさせていただきましたけれども、今回の条例議案と2月議会においては庁舎の設計予算も計上させていただいております。通常、条例を議案としてあげるときには、それに伴う予算が確保されていることが一定条件になろうかと思います。自治法上そういう規定もございますので、私どもとしては、庁舎の建設という大きな条例、位置を定める条例を改正する際には、その前提となる予算、今回で言いますと設計費の計上がやはり不可欠だと認識しておりますので、先ほど申しあげたように、その予算を計上する時期ではないと判断しておりますので、条例の改正案を一旦取り下げさせていただくべきとの判断に至った次第であります。

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野口達也委員 わかりました。ただね、副市長にも確認というか、要望ですけど。今この場にこれだけマスコミの方がおられて、副市長が言われた、市庁舎建設に関しては、市の方針としてはこれまでどおり公会堂跡地に建てますと、これは変更はありませんという事をおっしゃいましたけど、私たちはここで聞いて理解はします。ただ市民の皆さんはですね、ここで条例が取り下げられたとなれば、また白紙に戻ったのではと、いろんな考えがでてくると思うんですね。ですから、市として今言われたことを、市政だよりにするなり、何らかの形でですね、市民の皆さんにきちんと伝えることが必要だと思うんですが、そこのとこはどうでしょう。

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三藤副市長 確かに前回の議会の場でも、市民の皆さんに対する説明がまだまだ不十分なところがあるのではないかと、これは大型事業全てについて共通してご指摘をいただいたところでもございますし、このようにめったにないと言ったらあれですけど、そのような動きが出てくるということは、これを説明していく必要があると考えておりますので、何らかの形で周知を図って行きたいと考えております。
 以上です。

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野口達也委員 私たち議会と市の当局の方も、ずっとこれまで特別委員会もいれながら、長年かけてやってきたわけですから、これに変更はないということを、きちっとした報告を市民の皆さんにもしていただかないと、中には穿った見方をされる方もいますので、そこのとこを、是非強く要望しておきたいと思います。

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吉原 孝委員 今、野口委員からお話がございました。私もですね、やはり市として公会堂に新市庁舎を建設するんだという基本的な考え方には変わりないということを強く訴えないと、これまで公会堂存置の運動があって、新聞広告が出たりしていますし、また、環境経済委員会の中で専門家の方が24億円だったかな、改修工事をすれば50年もちますよといった話の中で、それで揺れ動いたかどうか分かりませんが、やはり委員会の中でも、それに対して行政の説明責任といいますか、対抗するような回答がなかったということが、1つの大きな要因になっているし、その後も存置運動が活発化してきて、その中で今回のように市が撤回をしたということになると、それ見たことかと、自分たちの主張が正しくて市は撤回したんだと。それが先走ってですね、公会堂への市庁舎の建設はもうないんだというような風評が広がる可能性が十分にあると思うんですよね。だから、今、野口委員からもあったように、その辺についてはあらゆる機会を捉えて、これまでの方針に変わりはないんだということを、是非、引き続き主張していただきたいと思います。
 それと、二元代表制の中で、執行権をもった行政のほうが今回このような決定をされたということについては、私ども議会としては受け入れざるを得ないんではないかと。ただ、今、議論をしていますように、出された案件についてそれが適正かどうかを議会の中で議論し、今回結果は出しませんけど、しかしその結果を出す要因を議論する場だと思いますので、そういう意味では、今後の議決にも、今日のこの委員会の質疑というのは大きな影響を与えるんではないかなと、そう思って、私どもとしても責任の重大さを感じているわけですが、先ほど、今回撤回するにあたっていくつかの要因がありました。1つは方針に変わりがない。それから10大事業、大きな事業継続の中で、オリンピックとか、福岡を中心に建設業が動いてるとか、労務者や資材が不足してるとか、いろんな要因もあって、それも1つの要因だとの話もあったし、まあ、一番はMICE、これを実現させたいということで、それが今回の撤回の大きな要因になっているような印象を受けますけど、それだけ行政がMICEに力を入れていきたい、そのとばっちりを市庁舎が受けたということにならないように、やはり大きな事業というのはそれぞれ事業を推進していく意味があるわけですから、特に市庁舎については、これまでるる説明があってますように、市民懇話会とかいろんな段階を経て、議会も特別委員会を開いて、その中で結果として公会堂跡地が新しい庁舎建設に適しているという結論を出し、それに基づいて提案されてやってきたという経緯もありますから、そのあたりを他の事業と並行する形の中で、是非、今後強力に進めていただきたいと思います。
 で、私が1つお伺いしたいのが、今回こういった形で撤回されましたが、次回、いつ提案されるのか。提案の時期についてお知らせいただきたい。

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三藤副市長 まず最初の考え方ですけど、これはおっしゃるように、大型事業の集中、それから全国的な建設事業の集中により資材調達の困難性等々が言われておりますので、そのようなことを踏まえてですね、調整をすると言いますか、そういう意味で今回撤回ということになっておりますので、繰り返しになりますけど、基本的な方針は全く揺らいでないと考えておりますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
 それから、2点目の次回の提案時期ですけど、これは私ども見極める時間というのを、確定している内容と確定していない内容がございますので、現段階で何月議会に再度提案というところまで明言できるような状態になっておりませんので、そこはご理解をいただきたいと思います。

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小宮慶一委員 先ほどの説明で撤回の理由については一定理解をするものなんですが、すると言うよりも、説明については理解したつもりですが、撤回の理由として、市庁舎建設については予算を伴うものだと。予算の確保が必要になると。その予算の確保が、あるいは計上できるような時期ではない、従って一旦撤回をしますと、こういうことなんですね。
 もう1つ冒頭に言われたように、継続審査になった理由にですね、公会堂の問題があったと思いますね。解体し廃止するという話がありました。これが1つの継続審査の要因にもなっておるわけですよね。ですから、先ほど再提案の時期の問題も言われましたけれども、たとえ予算が確保できたとしても、そちらの方がクリアできなければ、再提案という時期には至らないのかなというふうに思いますし、そういった意味で公会堂の今後の推進方針というか、これももちろん考え方は変わらないと思いますけれども、課題がいくつかあったと思いますけど、これをどうクリアして今後の推進につなげていくのか、その辺のところをご説明いただきたいと思います。

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三藤副市長 確かに、環境経済委員会において公会堂の審査をしていただくときにいろんなご指摘をいただいております。すぐクリアできるような内容も、それ以外の内容も含めて複数のご指摘をいただいておりますので、その解消に向けて、結論を出す方向に向けて私たちも精いっぱい動いていきたいと思っております。
 ただ、これも、例えば県庁跡地の協議の問題とか、今の段階で、いついつまでにクリアしますよと時期を明言できる状況じゃございませんので、現段階ではそれらの課題をクリアするために全力を挙げたいという答弁でご了承をいただきたいと思います。

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梶村恒男委員 条例を撤回するということで、再度仕切り直しみたいな格好で、新しくまた出していくと。公会堂の解体ということも引き続き行っていきたいという考えですけど。
 この公会堂の解体の問題が表に出て、市民団体の反対する方々の意見を聞く中で、本当に市庁舎の建設にあたって、そういうふうな周りの事情をしっかり精査して、この市庁舎建設の議案は提出されたのかなと、ものすごく不安に思うようなところがあるんですよ。
 特に近頃は、少子高齢化と人口はぼんぼん減っていくと。すごい勢いですもんね。そういう中で、今までのような市の税収の確保が本当にしっかりできていくのかなと。作ったはいいけどちゃんと払っていかんといかんですから。税収が伸びなくて払えないというふうな形で、ますます苦しい立場になって税金は高くなると。今でも市民の方は四苦八苦しながら税金を納めていっていると。なんでこんな毎年税金は上がっていくのかなという声をよく聞きます。
 そういう中で、なんで市役所だけが立派に大きい建物を作らんばいかんとねと。人口は減っていくことはわかっとるでしょうがって。それでなんで市役所だけ立派な建物を建てんばいかんとねって。だから、耐震の技術も進んでいるから改修して使うこともできるんじゃないかと。そういう気持ちはないんですかと。市民は税金が安くなった方が、市庁舎は古くても、少し不自由でも、頑張って不自由をしのいでいきますというふうな気持ちでいるんですよ。一生懸命切り詰めて働いても、なかなか長崎市には仕事がないと。いろんな仕事を掛け持ちで頑張っているのに、その辺の気持ちは市の人たちは本当にわかっているのかという声を聞くんですね。
 だから、市庁舎建設、公会堂の解体という問題をひっくるめて、新しく仕切り直して、こういう形でという提案をもっと新鮮な気持ちで出してほしいと思ってますけど。

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三藤副市長 公会堂を含めてですね、市庁舎問題につきましても、これは近々出てきた内容ではございません。長い時間をかけて検討をさせていただきましたし、皆様方のご意見もお聞きさせていただいた内容でございます。
 その中で全国的な動き等々、新しい動きが出たことから、実施時期を調整しようということは私どもも考えております。しかし、基本的な解体、建設、これらの方針を変えていくことは、今の段階では全く考えておりません。
 財政状況につきましても、私どもはこの間行政改革に努めまして、財政の健全化に努力をしております。それでも厳しい状況であるのに変わりはないと思っておりますけれども、その中でもそういうふうなことで作り出した財源を、財政健全化だけに回すのか、それともやはり地域の活性化のために使っていくのかという、この難しいバランスといいますか、それは絶えずやっていかなければならないと考えておりますので、ご負担をおかけしないような形で財政運営にも努力をしてまいりたいと考えております。
 以上でございます。

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井上重久委員長 ほか、ありませんか。
 それでは質疑を終結いたします。
 ただいま、理事者からの説明を受け、質疑を行いましたが、今後の取り扱いといたしましては、明日開催予定の議会運営委員会において、本会議での取り扱いについてご協議をいただき、6月6日招集日の本会議において、議案の撤回についてお諮りすることになろうかと思いますので、ご了承をお願いいたします。
 これをもちまして、本日の委員会を散会いたします。
          =散会 午前10時23分=

投稿者

長崎都市遺産研究会
長崎都市遺産研究会

長崎都市遺産研究会は、都市の中で埋もれていたり、解体されようとしている貴重な建築遺産を発掘、保全し、次世代に継承するための支援活動を行う市民団体です。

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