公会堂解体費について②:市議会本会議議事録2016.06.29

2016.06.29 : 長崎市:平成28年第3回定例会(6日目) 本文


          =開会 午前10時0分=
議長(毎熊政直君) 出席議員、半数以上であります。
 これより、議事日程第6号により本日の会議を開きます。

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※中 略

議長(毎熊政直君) ご異議ないと認めます。

 よって、第78号議案、第80号議案、第82号議案、第84号議案ないし第86号議案及び第98号議案は、原案のとおり可決されました。
 次に
日程14
 第87号議案 長崎市中央卸売市場業務条例の一部を改正する条例から
日程17
 第91号議案 財産の減額譲渡についてまで、以上4件を一括議題といたします。
 環境経済委員長の審査報告を求めます。24番堤 勝彦議員。
     〔堤環境経済委員長登壇〕

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24番(環境経済委員長 堤 勝彦君) ただいま議題となっております第77号議案「平成28年度長崎市一般会計補正予算(第2号)」のうち、環境経済委員会所管部分における審査の経過並びに結果について、以下、特に、質疑、意見が集中した点をご報告申し上げます。
 まず、総務費において、旧長崎市公会堂の解体工事等を行うための旧公会堂解体費及び債務負担行為が計上されております。
 委員会におきましては、議案審査に先立ち、旧公会堂の現状を十分に把握するため、現地調査を行ったのであります。その後の審査におきましては、冒頭理事者か本予算が可決となれば、所定の手続を行った上で、9月定例会に旧公会堂解体工事の契約議案を提案し、10月の長崎くんち開催時に公会堂前公園に設置される桟敷席の解体作業終了後の11月初旬に工事着手の予定としている。解体工事の完了は、平成29年6月末を予定しており、解体工事の準備と並行して館内の産業廃棄物の処理及び美術品、工芸品の運搬などを行うこととしているとの説明がなされております。
 委員会におきましては、平成26年6月の廃止条例の可決後、約2年が経過して解体費を予算計上することの妥当性について質したのであります。
 この点、理事者から、公会堂は、平成27年3月に廃止したが、老朽化の進行も懸念され、また、防犯面等、管理上の問題からも早期の解体が望ましいという判断で、今回解体費を予算計上した。あわせて、平成26年6月の廃止条例可決時に、「県庁舎跡地におけるホール機能について、早急に県市の意見をまとめること」という附帯決議が付されている中、平成28年2月定例県議会において、県知事から「県庁舎跡地におけるホール機能の規模については、興行採算性の観点からは、千席程度のホールに優位性がある」という方向性が示された。このことは、市が県に提案している新たな文化施設の機能規模と類似しているものであり、その実行性、可能性が高まったことから、解体費を予算計上する環境が整ったとの答弁があっております。
 そのほか、委員会におきましては老朽化や防犯面の状況は2年前と変わっていないにもかかわらず、そのことを提案理由とすることの妥当性、県庁舎跡地におけるホール機能整備についての県市の協議の中で、今回の解体予算の計上に至るほどの決定打となるような事実の有無、公会堂の建設場所が現市庁舎跡地から県庁舎跡地へと変わった経緯、発掘調査により工期が延びる可能性、美術品の保存管理の考え方について質すなど内容を検討した次第であります。
 さらに、委員会におきましては、旧公会堂の解体に反対する住民投票を求める動きも聞き及ぶが11月に確実に解体工事の執行を行う本市の決意を確認するため、加藤副市長の出席を要請した次第であります。
 この点、加藤副市長から、旧公会堂は、建物の耐震性能が不足しているほか設備等も老朽化しているなど、文化施設としての必要な機能が不足している。大規模改修では、その機能不足を解消できないことから、平成27年3月末をもって廃止をしているが、防犯面等の施設の管理上、早期の解体が望ましいこと、また、建物の老朽化の進行も懸念されることから、今回、解体費及び関連予算を計上している。今後、9月定例会において、契約議案を提案し10月の長崎くんちの桟敷席を撤去した後、ハードルはあるかもしれないが、できる限り速やかに旧公会堂の解体に着手できるよう、滞りなく着実に取り組んでいきたいとの答弁があっております。
 次に、衛生費において、国の間接補助事業者である、一般財団法人環境イノベーション情報機構からの補助金を活用し、地球温暖化対策のための国民運動クールチョイスの普及啓発とあわせて、ながさきエコライフの取り組みの浸透と拡大を図るための地球温暖化対策推進費が計上されております。
 委員会におきましては、国のCO2排出量の削減目標が26%であるにもかかわらず、本市の目標が43%であることに対する見解、既存の本市の単独事業とのすみ分け、一事業所としての市役所における具体的取り組みによる数値的な効果について質すなど内容を検討した次第であります。
 次に、農林水産業費において、国の地方創生推進交付金を活用し、長崎の魚や水産加工品等を生かした、まちなかにおける水産物等の拠点について、民間活力を生かした整備や運営方法等、設置の可能性を検討するため、予備的な調査、分析を行うための水産物等拠点施設設置可能性検討費が計上されております。
 委員会におきましては、水産物等拠点施設の検討について、民間業者に調査、分析を委託せずに水産農林部独自で実施する考え、委託業者に対する水産農林部の関与の姿勢や意気込みについて質すなど内容を検討した次第であります。
 次に、商工費において、国の交付金を活用し、市内消費者に長崎かまぼこの魅力を発信し認知度を高めるとともに消費拡大につなげるため、PRイベント等を実施するための長崎水産練り製品ブランド化支援費が計上されております。
 委員会におきましては、本事業を当初予算に計上しなかったことに対する見解、HACCPを取得しブランド力の向上を行う企業へ支援を行う考え、学校給食における長崎かまぼこの使用状況や、長崎おでんを献立に加えるよう学校給食会と調整を行う考えについて質すなど内容を検討した次第であります。
 以上、審査過程の概要を申し上げましたが、その結果、旧公会堂解体費について、廃止条例の議決から既に2年が経過しており、これ以上市政の停滞を招くことがないよう着実に執行してほしい、副市長の決意を尊重するが、公会堂にかわるホール機能の整備について、早く市民が使用できるよう県市で連携して早期に意見をまとめてほしい、美術品など活用できるものは有効活用してほしい、施設や備品の一部を保存し、市民の記憶にとどめる取り組みを検討してほしい。地球温暖化対策市民運動推進費について、市民、企業、関係団体への啓発活動・周知活動を徹底してほしい。水産物等拠点施設設置可能性検討費について、水産農林部の核の事業と認識し、早期に水産物等拠点施設を設置してほしい、地元の漁協など関係機関と協議し市民の意見を酌み上げた上で検討を進めてほしい。長崎水産練り製品ブランド化支援費について、学校給食で提供するなど、市内においても長崎かまぼこブランドの認知向上に努めてほしい、地域ごとのかまぼこの売り上げ状況を把握した上で販路拡大を推進してほしいとの要望を付した賛成意見が出され、異議なく原案を可決すべきものと決定した次第であります。
 以上で、環境経済委員会における審査報告を終わります。=(降壇)=

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議長(毎熊政直君) これより、質疑、討論を行います。26番浅田五郎議員。

      〔浅田五郎君登壇〕

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26番(浅田五郎君) きょうは第77号議案に反対の立場で意見を述べさせていただきたいと思います。
 平成28年度長崎市一般会計補正予算の第2款第1項8目文化振興費旧公会堂解体費の2億1,980万円の補正予算に反対の立場で意見を述べさせていただきます。
 まず初めに長崎市の財政です。借金の残高、平成27年度末の一般会計、2,502億9,000万円あります。これは人口一人当たり57万3,000円の借金です。この借金の金利は1年間で27億6,000万円、1カ月では2億3,000万円になります。そして、1日756万円の金利であります。さらに、MICE施設用地の購入のために79億2,000万円を使っております。金利は1年間で4,700万円、1カ月で400万円、1日の金利は12万8,000円をそれぞれ市民が支払っているんであります。借金漬けの長崎市が、今後想定される大型事業で約941億円を見込んでおりますが、市庁舎は230億円見込んでるものの、熊本地震で人件費、建築費などさらに高騰しており、公会堂の新築も30億円では市民や行事主催者並びに指定管理者に今聞いている意見では、30億円では足らないんじゃないかと、それ以上かかるんじゃないかと思われてなりません。
 公会堂前にある市民会館、その中にある文化ホールがあと20年もすると建て替えます。それまで今の公会堂を修復を改善して、20億円程度で使用することがまずは財政難の長崎のとるべき道だ思うのであります。議員の皆様方にもご一考いただきたいと思っております。
 戦後、原爆後の長崎市の復興のシンボルとして、6施設が約9億2,000万円で建設され、公会堂は昭和37年6月に完成し、当時の金で2億5,500万円かかっております。まさに解体費と同じほどの値段で要するに31年前に公会堂が建ったんです。世界の善意の寄附が公会堂だけに3,700万円、全体で3億3,000万円の寄附が寄せられました。3分の1は世界各地の市民の方が、戦後復興の長崎に希望の光を与えてくださったものと思います。そうしてでき上がった公会堂を、平和を希求する長崎市民が、核兵器廃絶を訴え続ける長崎市議会が、この原爆の復興のシンボルをただ単に市役所を新しく建てたいという場所ありきで壊してしまう。既に、30年前から安心安全が叫ばれ、高齢化社会に長崎市は入っておりました。長崎市の障害者や高齢者が集う公会堂にバリアフリーあるいは、エレベーターの施設一つ新設してこなかった長崎市の文化行政の無策を棚上げして、金をかけてこの財政難に新しいものをつくることが、市民のニーズにかなうなどと、勝手に長崎市側は説明を市議会に言い続けてまいりました。このことを、私は問いたいのであります。長崎市は、市議会アンケート、懇談会など、長い検討をしてきたと申しております。たとえ長い年間、検討したにもかかわらず、これまでのことを考えてみると、2014年の2月には、市公会堂の解体を前提とした新市庁舎建設計画に関する市民公開説明会及び討論会開催に関する要望書が市民の方々から出ておりましたが、全くこれらを無視してきており、今日に至ってるのであります。
 だからこのような姿勢に対して、住民投票をしながら、市民のニーズがどこにあるかを市長に知らせめるために、参議院選挙が終わると、直ちに動き出すのも、市民の怒りのあらわれかと思わざるを得ないのであります。さきのオバマ大統領が広島に来たとき、戦後70年間、広島市とともに歩んできた長崎に、オバマ大統領が来たあの一日の広島の日。長崎市の最後の被爆地の存在は、全く何であったのか、考えさせられました。市長や知事がいるのに握手一つできない。あるいは、原爆資料館で、お迎えしてもいいのにそれもできなかった。一体、長崎市の被爆者は、あるいは平和への思いはどこに通じているのが考えざるを得ないのであります。長崎市の平和は、上辺だけの平和への希求だったのかと、米国大使館にも、日本政府にも認められていなかったのではないでしょうか。世界からの善意の寄附ででき上がった、残された最後の公会堂、世界遺産を求める長崎市が、この将来的には文化遺産になり得る公会堂の建物を長崎市の市役所を建てるがゆえに、修復して使うことも忘れ、新しい文化ホールでその精神性の引き継ぎはできるんだというこれに至っては、まさにたわごとでしか思えないのであります。
 少なくとも、長崎国際文化都市建設法ができ、戦後原爆後の復興のために、長崎文化都市センター建設が進められ、県市民はもちろんのこと、世界の方々の理解と協力を得て、完成したのはご承知のとおりであります。そこに市役所を建てるから、公会堂を壊しますでいいのかと言いたいのであります。これまでの、一連の市政の動きを見てみますと、公会堂を壊す目的が長崎の文化の振興ではなく、市庁舎建設ありきであったことが、よくわかったのであります。香港上海銀行を思い出してみてください。市長や市議会が壊すと決めながらも、市民の声に当時、本島市長も市議会も答えてくれました。そして今では文化財になっております。
 長崎県はまだ文化ホールを含む県庁跡地の決定をしておりません。長崎市は検討する箱物で一番ほしい施設はMICE施設であると、MICE施設建設のために国交省から来た長崎市の幹部の方はMICE施設の説明会でこのように話しております。そのMICEが何をつくるか、はっきりしない間は、長崎県は、跡地での特に文化ホールについては、客席1,000席が採算制では優位とはいっても、最終的判断はまだしていないと認識をしていることをはっきり知事は述べております。
 とにかく、公会堂を壊して、更地にしておくと後は、市の自由になるので、次は、市役所より先にMICE施設に走るのではないかと思えてなりません。こうしてみると、公会堂、市役所建設、MICE施設の土地購入、県庁跡地への市役所移転の住民投票と迷走を続ける長崎市政に、なぜ市議会が財政難の折に協力しなければならないか、チェックしなければならないその機能を忘れたカナリヤになっていいのかとさえ思えてなりません。長崎市議会は、市民のかわりに市政をチェックする機関であることははっきりいたしております。決して、市長の追従機関でないことを強く訴えまして、私の反対の意見といたします。
 ご清聴ありがとうございました。=(降壇)=

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議長(毎熊政直君) 29番野口達也議員。
      〔野口達也君登壇〕

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29番(野口達也君) 市民クラブの野口達也です。ただいま議題となっております第77号議案「平成28年度長崎市一般会計補正予算(第2号)」につきまして、修正案に賛成し、修正案を除く原案にも賛成の立場から意見を申し上げます。
 まず、修正案につきまして、第3款民生費2項児童福祉費1目児童福祉総務費の児童福祉施設民間保育所整備事業補助金につきましては、長崎市の待機児童の解消は喫緊の課題であり、とりわけ、三重地区の待機児童問題は切実であり、保育枠の拡大整備は切実な問題であります。ただ、同地区に一度に2園新設する必要性を説明する十分な根拠、数値は示されませんでした。また、1園の建設予定地の一部が、土砂災害警戒区域にかかるなど、保育施設に求められる安心安全の観点から、不安が払拭できないこともあり、今回は、その1カ所の民間保育所の整備事業費の減額修正に賛成するものであります。なお、三重地区におきましては、1園の整備を先行させた上で、保育サービスの過不足を精査し、既存保育所での調整の上、支障が生じたときには迅速に整備をしていくことを要請いたしております。
 次に、修正案を除く議案について、第2款総務費第1項総務管理費8目文化振興費の旧公会堂解体費については、環境経済委員会における現地調査、公会堂廃止が決定するまでの経緯の説明を受け、耐震性の不足、整備の老朽化、機能面での問題、あるいは、防犯面等、施設の管理上の問題など、公会堂の解体は早急に行うべきものと判断をいたします。ここ1年余り、一部報道や一部世論におきまして、迷走する市議会、市民の声が届かない市議会、市民に寄り添えない市議会などの意見がありますが、私たち長崎市議会は、これまで公会堂問題、市役所問題を含め、二十数年にわたり、歳月をかけ市民から付託をされた議員として当時は46名の議員が、合併後は51名、現在は40名の議員が、それぞれの支援者である市民の意見を聞きながら、その都度いろいろな角度から審議をしてきたものであります。そういう意味では、旧公会堂解体費において、廃止条例可決から2年を経過しての予算計上であり、もっと早期に計上すべきものと強く指摘をしておきます。また、県庁舎跡地活用につきましては、目途を持って県と協議をされ、早急に結論が得られるよう注力すべきです。あわせて、解体に伴う寄贈品の美術品や利活用できる備品等しっかり確認をして有効活用を図ってほしい。
 以上、意見要望を付して賛成討論といたします。=(降壇)=

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議長(毎熊政直君) 16番内田隆英議員。
      〔内田隆英君登壇〕

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16番(内田隆英君) ただいま議題となっています第77号議案「平成28年度長崎市一般会計補予算(第2号)」について、日本共産党を代表して修正案並びに残りの原案について反対の立場から意見を申し上げます。
 まず、予算修正案については、保育所建設予定地の土砂災害時のことをを懸念し、建設すべき場所にそぐわないなどの議論の末、修正されたものであり賛成できますが、我が党は他にも修正すべき予算があるという立場ですから、修正案には賛成できません。残りの原案についても、以下の立場から反対の意見を申し上げます。
 まず、今回の補正予算には熊本地震災害における支援費や定住人口増加を見据えたながさき移住サポートに関する予算、さらに長崎市のブランド品である茂木ビワの再生、品質向上のための予算が組まれ賛同できるものです。
 一方、この補正予算の中には、個人のプライバシーを侵害するマイナンバーに関する予算が含まれています。さらに、旧長崎市公会堂解体予算が含まれていますので、認めるわけにはいきません。旧公会堂解体については、長崎県議会で県庁跡地に文化施設を建設するという議決もしていませんし、いまだ協議中の状況です。代替施設建設のめども立っていない中、ただ、長崎県知事や副市長の言質をもって、市の願望として県庁跡地に文化施設の建設を進めるであろうという判断で、旧公会堂を解体することについては余りにも乱暴なやり方であり認めることはできません。長崎市は、旧公会堂を使用してきた文化団体や市民などの声をよく聞いて、将来に禍根を残さないよう慎重に進めるべきであることを指摘して、第77号議案についての反対の討論といたします。=(降壇)=

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議長(毎熊政直君) 19番永尾春文議員。
      〔永尾春文君登壇〕

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19番(永尾春文君) ただいま議題となっております第77号議案「平成28年度長崎市一般会計補正予算(第2号)」につきまして、各委員会における修正案及び修正部分を除く原案に賛成の意を表し、公明党長崎市議団を代表して、討論を行います。
 まず、修正案について申し上げます。教育厚生委員長の報告のとおり、第3款民生費第2項児童福祉費の一部減額修正がなされ、児童福祉施設整備事業費補助金において、創設予定の民間保育所1カ園が削減されることとなりました。長崎市と地域において、待機児童の人数における予測値に乖離があり情報が共有されていないなど、意見調整がなされないまま予算化されていること自体が大きな問題です。事業の計画に当たっては、待機児童の数の把握などにおいて、地域的な特徴を含めた十分な分析を行い、地域との共通認識をしっかりと図ることが重要と考えます。また、園の設置箇所において、現地調査を行った際に、一部の予定地において、裏山が土砂災害警戒区域に入っていること、さらに、施設の前面に流れる河川は大雨による増水の危険性が想定され、そういった災害に対する避難場所が近くにないこと、避難経路となる橋も1カ所しかないなど、改善すべき点が多々見られ、保育園の立地場所として適切でないと判断しました。
 以上の理由から、修正部分に賛成するものでありますが、女性が安心して社会で活躍できるために、待機児童の解消は喫緊かつ不可欠な課題となっていますので、引き続き、保育行政の充実に取り組んでいただきますよう要望いたします。
 次に、修正部分を除く原案について申し上げます。第2款総務費に計上されております、旧公会堂解体費については、平成26年6月議会での公会堂廃止条例可決を経て、今般計上されたものです。公会堂廃止を巡る経過については、県との意思疎通を欠いた連携のまずさで代替施設のあり方が迷走するなど廃止条例の可決からこれまで2年の歳月を要したことは、大変残念なことであります。しかしながら、平成23年度、公会堂等文化施設あり方検討委員会での各分野での市民の皆様と行った検討や、議会での附帯決議を付した廃止条例可決に至ったこれまでの経過については、一定の議論を行って決を採ったことでありますので、我が党としましては、十分に尊重すべきものであると考えます。さらに、今回の熊本地震の教訓を踏まえれば、防災拠点としての新市庁舎建設は、市民の生命、財産を守るためにも最優先であると考えます。また、市民の大切な財産を使っての建設でありますので、建設コストの縮減や早期建設を考えると、公会堂跡地が適当であると判断しました。
 これからは、スピード感をもって、新市庁舎建設に取り組むとともに、県市一糸乱れぬ連携で、県庁舎跡地への先進の文化ホール整備へ向けて着実な推進を強く要望するものです。なお、公会堂解体に当たっては、50年以上にわたって市民がなれ親しんできた思いが詰まった施設でありますので、末永く市民の記憶にとどめることができるような取り組みについても検討をしていただきたいと思います。
 以上、意見を申し述べて公明党の賛成討論といたします。=(降壇)=

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議長(毎熊政直君) 2番橋本 剛議員。
      〔橋本 剛君登壇〕

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2番(橋本 剛君) ただいま議題となっております第77号議案「平成28年度長崎市一般会計補正予算(第2号)」第2款総務費に計上されております旧公会堂解体予算に関する予算に反対する立場から、チーム2020を代表して意見を申し上げます。
 公会堂解体予算については、まず、市民の利便性回復の可能性を喪失させるという問題があります。長崎市公会堂を昨年3月末に廃止して以来、もともと稼働率が高い2つのホールが1つだけになったため、会議の開催、市民の利用そしてとりわけさまざまな興行イベントの長崎開催が難しくなり、長崎という都市の魅力、活力が大きく落ち込んでいます。市民からは暫定的にも利用再開を求める声がある中、公会堂の後継施設について、確固たるものを長崎市として公表できないまま解体が進むことは、市民の利便性の回復ですら失わせてしまうという点で、長崎市民の市政への信頼を大きく損なうと危惧します。
 また、公会堂の保存を問う住民投票を求める動きが出ていることとの関係です。旧公会堂の保存活用については、過去普通の署名活動で7万筆以上集めています。現在選挙期間中であるため、法律で署名収集活動ができないことから、動きが抑制されていますが、遠からず法定数を超える署名を集め、地方自治法に基づいた住民投票条例制定請求が出てくることが予想されます。そのような動きを前に、解体予算を可決してしまえば、議会としても議論の余地を狭めてしまいかねませんし、市民に激しい反発を起こし、今後、問題をより複雑なものにすると強く懸念いたします。
 公会堂をめぐる案件は、私たちの父祖たちが後世を思って、資金を積み上げ世界の支援を受け積み上げてきた都市の資産をどう扱うかという話であり、本来、市民に修復不能な対立をもたらすべきものではありません。民主制度、地方自治制度を適正に運営する観点から、市民の提起を規制事実で封じるものととられかねない解体予算の執行推進ではなく、市民からの提起を受けとめ市民を巻き込んで多数が納得できる手順を踏んで次に進んでいくべきものだと思います。
 もう1つ、私たちの暮らす長崎のまちの過去の未来のつなぎ方です。公会堂に体現される長崎国際文化センターの構想は、原爆の惨禍から復興に立ち上がった長崎市民の誇るべく基盤であって、この点、市長は後世に理念をつないでいきたいと述べておられます。だから、心配しないでくれと訴えたいのだと思いますが、全く未来が見通せないまま過去を壊せば、そのまちは寄るべきところを失って漂流をし始めるでしょう。まず最初に私たちのまちの過去と未来を断絶させるところから始めるのではなくて、どうつなぐのかを打ち出すことが先にあるべきだと思います。
 以上、市民の利便性回復の可能性、民主制度の適正な運営、そして長崎の過去と未来のつなぎ方の3点において、本議案のうち、公会堂解体予算について、反対する立場からチーム2020の反対討論といたします。
 ご清聴ありがとうございました。=(降壇)=

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議長(毎熊政直君) 36番吉原 孝議員。
      〔吉原 孝君登壇〕

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36番(吉原 孝君) ただいま、議題となっております第77号議案「平成28年度長崎市一般会計補正予算(第2号)」につきまして、創生自民を代表いたしまして、修正案及び修正部分を除く原案に賛成する立場から意見を申し上げます。
 まず、修正案について申し上げます。児童福祉整備事業費補助金につきましては、待機児童ゼロを目標にする本市の意気込みや少子化対策に伴う事業であることは理解いたしますが、三重地区における潜在的な待機児童数の考え方については、理解を得ていないと考えます。そのような中、三重地区に創設予定の(仮称)かもめ保育園については、建設予定地の状況を考慮すると、安全安心が不明確で、また、保育士の確保策についても具体策は見えていないという不安が感じられます。よって、今回三重地区には2つの保育所を整備する予算が計上されておりますが、まずは、1カ所を整備していただき、近い将来、潜在的な動きも見る中で、今後の整備を検討していただきたいと考えております。以上の理由から修正案に賛成するものであります。
 次に、修正分を除く原案について意見要望を申し上げます。議題となっております旧公会堂解体費総額2億1,980万円について申し上げます。確かに、公会堂は昭和38年の完成以降50年以上の長きにわたり市民の芸術文化活動の拠点として、中心的な役割を担ってまいりました。振り返りますと、私も、生まれ育ったこの長崎の地で、節目ごとにここを舞台としながら人生を重ね、子どもらの発表の場、成人の発表の場として成長の喜びを妻とともにかみしめてきた大切な思い出の場所であります。昨年、公会堂存地活動をされる方々が、7万人有余の市内外の方々による署名を集められました。このご努力には敬意を表しております。昨年3月の閉館の前には、閉館を惜しむ市民の方々によるダンスイベントなどが開催され、その愛着の深さは市民共通の願いであると一定理解をいたします。
 これらの背景を改めて心に刻みながら、公会堂の検討状況を振り返ってみたいと思います。ご承知のとおり、公会堂は、建設から50有余年を経過し、施設を初め必要な設備の老朽化も進むなど、さまざまな問題を抱えております。また、利用する立場においても、バリアフリーへの対応を初め、楽屋の不足、練習の場がない、演出のための機材の搬入搬出の使い勝手が悪いなど、先刻ご承知のとおりでございます。さらに、平成21年度に実施された耐震診断の結果、必要とされる耐震性能を満たしていないことが明らかとなりました。
 このような状況から、平成23年度に公会堂等文化施設あり方検討委員会が設置され、市民の皆様による検討の結果、将来にわたって、この公会堂を使い続けることは困難であり、これにかわる新しい文化施設を建設する必要が確認をされました。この結果に基づき、市長は平成25年1月、公会堂は解体することなどを方針として明らかにしたのであります。こうした経過のもとに、我々市議会におきましても、かんかんがくがくの議論を重ね、平成26年6月議会において、平成27年4月1日付で公会堂を廃止することとし、現在に至っているのであります。また、この議決に当たりましては、新しい文化施設の整備に対する市民の付託に議会もきちっと応えるため、一刻も早く新しい文化施設をより早く整備しもって市民文化の発展に寄与できるよう、県庁跡地での整備について、不退転の決意で取り組むことを附帯決議をしておりまして、理事者のその後の取り組みについては、過去の当該委員長の報告どおりでございます。県との意見を早急にまとめて、一日も早く市民が文化芸術に親しむ活動の場が整備されるよう強く要望をいたすものでございます。
 また、現在の公会堂は、昭和37年に長崎市国際文化センター構想の一環として建設されました。同じく、この一環として整備されました美術館、体育館、水族館など時期を捉えて次々に建て替えられ、それぞれが新たな文化施設として生まれ変わりながら、市民文化振興の拠点として、復興のシンボルとしてその役割を今もなお継承しながら、市民生活に寄与いたしております。まさに、国際文化センター構想が目指した復興の姿がここにあると思います。原爆からの復興の願いは永遠であります。国際文化センター構想が私たちに託した願いもまた、永遠であると思います。
 私たちが市民の付託に応えるためにやるべくことは、旧公会堂が持っていた機能を一日も早く再建し、市民が心置きなく文化活動を行うことができる場を提供することだと考えます。今の時代にははっきり目に見えないかもしれませんが、次の時代に新しい文化施設が市民の皆さんが、にぎわう子どもたちを目の当たりにして、いろいろあったがあの時の判断は間違いなかったと言われるに違いないと思うのであります。
 以上をもちまして、私の賛成討論といたします。=(降壇)=

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議長(毎熊政直君) 質疑、討論を終結し、ただいま議題となっております第77号議案「平成28年度長崎市一般会計補正予算(第2号)」について採決いたします。
 本案に対する総務委員長及び教育厚生委員長の報告は、修正可決であり、環境経済委員長及び建設水道委員長の報告は原案可決であります。
 まず、総務委員会及び教育厚生委員会の修正部分についてお諮りいたします。
 委員会修正のとおり決することに、賛成の議員の起立を求めます。
       〔賛成者起立〕

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議長(毎熊政直君) 起立多数であります。
 よって、委員会の修正部分については可決されました。
 次に、修正部分を除く原案についてお諮りいたします。
 修正部分を除き、原案のとおり可決することに、賛成の議員の起立を求めます。
       〔賛成者起立〕

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議長(毎熊政直君) 起立多数であります。よって、修正部分を除く原案は可決されました。
 以上により、第77号議案は、修正可決されました。
 この際、お諮りいたします。
 日程22第92号議案から日程32議第4号議案までの11件につきましては、委員会付託を省略することにご異議ございませんか。
    〔「異議なし」と言う者あり〕

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議長(毎熊政直君) ご異議ないと認めます。
 よって、以上11件につきましては、委員会付託を省略することに決定いたしました。

※省略

投稿者

長崎都市遺産研究会
長崎都市遺産研究会

長崎都市遺産研究会は、都市の中で埋もれていたり、解体されようとしている貴重な建築遺産を発掘、保全し、次世代に継承するための支援活動を行う市民団体です。

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