豊臣秀吉のキリシタン迫害による26人の殉教地に建設されたメモリアル施設。資料館両妻側には、京都から長崎まで連行された聖人の道のりを辿り、各地から集められた陶片モザイクが施されている。コンクリート打放し仕上げの簡潔な近代建築でありながら、聖堂上の有機的な双搭やモザイク、穿たれた窓など、今井兼次の深い想いが込められた代表作である。
DOCOMOMO Japanが現存する近代建築として選定した150件の建築「日本におけるDOCOMOMO150選」にも選ばれており、アントニオ・ガウディの研究者でもあった今井は「スペインゆかりの地」でもある長崎にサグラダ・ファミリア教会スタイルの教会を作ることで、その歴史を形として表現している。
1962年/今井兼次 Kenji IMAI/長崎市西坂町7-8